黒柳徹子と羽生結弦選手を起用した東和薬品の新企業テレビCM「こころの笑顔、あしたの健康」篇が、10月4日から全国で放映されている。
「こころの笑顔を、すべてのひとに。あしたの健康を、あなたのものに。」という新企業スローガンを設定。その思いを表現するため、新CMに2004年からイメージキャラクターを務めている黒柳と新たに羽生選手を起用した。
監督からのリクエストに“はにかみ”
今回のCMは、新型コロナウイルス感染症対策としてキャストは別々に撮影。まずは羽生選手の撮影が6月上旬、仙台市内のスタジオで行われた。
当日は、東和薬品のコーポレートカラー「グリーン」をあしらったチェックのシャツと水玉のネクタイに、ベージュのスーツを合わせた爽やかな衣装で登場。スタッフに「よろしくお願いします」と丁寧に一礼し、打ち合わせへ。
撮影に当たり、「ちょっと笑いが出るぐらいの雰囲気で」というリクエストを受けた際、無意識に「恥ずかしくならないかなぁ」とはにかんでみせると、監督がすかさず「今ぐらいの自然な表情で」と指摘。羽生選手は満面の笑みで「了解です!」と応じて、颯爽とカメラ前に向かった。
凛々しい立ち姿と豊かな表現力でOKテイクを連発!
本番前、カメラに正対した右足の内側に、やや斜め向きに左足のかかとをくっつけた状態でスタンバイした羽生選手。当初は「なんかフィギュアっぽいですかね」と足元が気になる様子だったが、監督から「シャキッと立っている感じが出ていいと思います」とお墨付きをもらい、ご自身が慣れているポーズで本番を迎えた。
羽生選手はワンテイクごとに、「今の感じで大丈夫ですか?」と確認し、セリフの間や声のトーン、テンポ、表情、所作などを細かく調整。持ち前の集中力と表現力を発揮して、自分に何が求められているのかを常に考え、監督の「ややテンション抑えめに」「“約束”をより丁寧な言い方で」という矢継ぎ早の指示にも的確に対応し、OK テイクを連発していた。
CM撮影のために事前に予習!?
セッティング中はスタッフと気さくに談笑し、リラックスした表情を見せていた羽生選手。どこまでも自然体で、穏やかな立ち居振る舞いが印象的だったが、その最中、カメラが回っている間は「けっこう緊張していました」と意外な告白をする場面も。
実は羽生選手自身、「自分は演技のプロではないから」と撮影資料をしっかり読み込み、数日前から部屋の鏡の前でセリフを猛練習してきたという。また、東和薬品のホームページもくまなくチェックし、「こころの笑顔」に込めた想いや企業理念などをひと通り頭に叩き込んできたことを明かした。
羽生選手は最後まで爽やかに…
すべての撮影を終え、「お疲れ様でした」と周囲からねぎらいの拍手が起こった後、おもむろに口を開いた羽生選手。「僕が撮影に参加したのは数時間だけですが、この素晴らしい撮影現場をつくってくださるために、多くの方々がとても多くの時間を費やされたと思います。そのことに本当に感謝したいと思います。ありがとうございました!」と挨拶。
さらに、「この後、撮った素材の編集作業とかも忙しいと思いますが、これからもよろしくお願いします!」と締めくくると、その場にいたスタッフからは大きな拍手が起こっていた。
黒柳徹子はCMのために製作したドレスで登場!
羽生選手に続いて、黒柳の撮影は7月上旬、横浜市内のスタジオで行われた。撮影当日、黒柳は目にも鮮やかなグリーンを貴重としたドレスで登場。今回のCMのために、布地のデザインから制作したという衣装でスタジオ入りした黒柳が「おはようございます!」と元気な声を響かせると、現場の空気がパッと明るくなった。
羽生選手と本当に共演しているように見える芝居を追求
事前に撮影した羽生選手が笑っている映像を見て、思わず「あら、かわいい(笑)」と声を上げた黒柳。
今回は残念ながら、同じ場所で一緒に撮影とはならなかったが、画面上で共演するシーンでは「私の体の向きはこれぐらいかしら?」「声のボリュームはどうですか?」と監督に目線や動きなどを確認。時には「今のは途中でちょっと声が裏返っちゃったかな。もう一回お願いします」と自らやり直しをリクエストするなど、合成でも息の合ったやり取りに見えるよう、真摯に芝居に取り組んでいた。
撮影の合間はジャイアントパンダのトークで誰もが笑顔に
休憩中、黒柳は監督やスタッフと、今年 6 月に上野動物園で生まれたジャイアントパンダの双子の話題で大盛り上がり。
日本でまだその存在があまり知られていなかった時代から、長年パンダを研究し、日本パンダ保護協会の名誉会長を務めるほど大の「パンダ通」として知られる黒柳。「そのニュースは聞いた時は、とっても笑顔になりました」などとトークが弾み、赤ちゃんパンダの成長過程など、興味深いパンダのエピソードをいくつも披露していた。
<黒柳徹子 インタビュー>
──撮影の感想をお聞かせください。
黒柳:(スタッフに)若い方が多かったので、どんなものが出来上がるのかとても楽しみです。
──CM のテーマ「こころの笑顔」に関するエピソードをお聞かせください。
黒柳:なんといっても上野動物園で初めてパンダの双子が生まれたことですね。それを見てかわいいなと思って。この頃、心から笑うことが少なかったんですけど、私が子どもの頃から研究していたパンダの赤ちゃんが、上野動物園で初めて生まれて、それも双子と聞いた時はとってもうれしくて、心から笑顔になりました。
──コロナ禍で実践している心のケア、健康のケアは何かありますか?
黒柳:私はあんまりくよくよしない人間で、憂鬱なこととか失敗があっても、一晩寝ればだいたい忘れるというか、寝ればいいわと思って暮らしているので、割と呑気な日々を過ごしているという感じです。
──最近何か新しく始めたことをお聞かせください。
黒柳:今、映画をビデオでいっぱい見れますよね。最近はNetflix をすごく見ていて、昨日も「マイン」という映画を観ました。1日1本ぐらいでしょうか。「愛の不時着」なんかもとっくに見ましたよ。
私は昔から「あ、こんな洋服あるんだ」とか、「こういうものをみんな着てるんだな」とか、いろんな映画からファッションを
取り入れていて、洋服屋さんに作ってもらったり、自分で着たり、ずいぶん映画から勉強しましたね。
──羽生選手の印象をお聞かせください。
黒柳:私が紅白歌合戦の司会をしたとき、羽生結弦さんとたまたま舞台の袖で一緒になって、「僕、徹子の部屋に出たいんです」とおっしゃっていたんですけど、まだお会いできていませんね。今度ぜひ出ていただきたいなと思います。
ああいう天才の方と、何か一緒にやるというのもラッキーなことですし、今回の CM であんなにすごい方と一緒になるなんて思ってもいなかったので、とても楽しみにしていました。
※以下、羽生選手からのビデオメッセージに回答
羽生選手:僕はけっこうケガが多くて、ケガによって心が傷ついたりとか、ちょっとトゲのある言葉に傷ついたりとか、そういうこともあるんですけど、業界で長く活躍されている徹子さんは、どうやって乗り越えているのかをお聞きしたいです。
黒柳:人からいろんなことを言われたりとか、印刷物に自分のことが書いてあったりすると嫌な感じがしますけど、私は1日寝たら忘れちゃうタイプで、くよくよしないことを前提に生きていこうと思っています。
私も芸能界入った頃はもう、すごくいろんなことがあって、先輩とかに「こんな仕事やめちゃえ」とか、「お前の日本語は徹底的に変だ」とかガンガン言われました。
でも、それでもいいって言う人がいるんだからいいんじゃないと思って、そのまま別に直すこともなく、仕事を続けてきたら、なんとなくここまで仕事をしてこれました。
いろいろつらいことがあったり、こういう時代ですから、なんか気に沿わないこととかもあったりするかもしれないんだけど、あんまりくよくよしない。私は一晩寝たら忘れるタイプなので、次の日になったらまた元気になって、前に進んでいくという。
それでまあ 68 年、芸能界にいて、何事もなく過ごしてきました。だから、くよくよしないこと。そして、一晩寝たらだいたい忘れちゃうことがいいんじゃないかなと思います。
笑うとあれだけかわいいんですから、これからも笑顔で、天才的なスケートをみんなに見せてくださいとお伝えしたいと思います。
羽生選手:いつもすごく輝いていらっしゃる黒柳さんですが、どうやったらそうやっていつもいつも輝いていられるのかな、いつも笑顔でいられるのかなというのが疑問になっています。ぜひ聞かせてください。
黒柳:輝いているだなんて、とてもうれしいお言葉ですけど、輝いているのは羽生さんのほうでしょとお返しいたします(笑)。
けれども、もし私が輝いていたとすれば、やっぱりいろんなことに常に興味を持っているからでしょうか。私がやってる『徹子の部屋』という番組は、今度 46 年目に入るんですけど、それだけ長く、46 年間も毎日人にものを聞くなんてことは、普通だとちょっと飽きちゃったりするかもしれないけど、私は飽きるということがないのね。だから、ここまで続けてこれたんです。
羽生さんもスケートをやってて、もしかしたらやめたいと思う時もあるかもしれないけど、私が先輩として、ちょっと言うことがあるとすれば、継続はとっても大事なことです、とお伝えしたいと思います。
それから、私はファッションについて映画や本を見て勉強しているんですけど、そういう新しいことに関心を持つこと、新しいことに挑戦していくのも大事ですよね。
本当のこと言うと、今のお仕事は自分で気に入ってはいるんだけど、もしかしたらもっと違う仕事があるかもしれないって今でも思っているぐらい。もうじき 90 歳になろうという人間が、今から仕事を変えてどうするんだと思いますけど、もしかすると、今よりもっと私に合っている仕事があるかもしれないじゃないですか。
そんな風にいつもなんか面白いことないかなと思って、周りをキョロキョロしているところが、もしかしたら輝いて見えるのかもしれないですね。
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