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上野樹里の緩急がハンパない!『のだめカンタービレ』ドラマ通ライター<信子と庸平>の本音対談_site_large

上野樹里の緩急がハンパない!『のだめカンタービレ』ドラマ通ライター<信子と庸平>の本音対談

9月9日(水)スタート!毎週月曜~金曜15時50分~『のだめカンタービレ』(再放送)

めざましmedia編集部

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上野樹里と玉木宏が主演を務め、2006年10月に放送されるや、“のだめブーム”や“クラシックブーム”を巻き起こしたドラマ『のだめカンタービレ』。

二ノ宮知子による同名の大ヒット漫画を原作にした、超個性的なキャラクターたちが織り成す爆笑青春クラシックコメディだ。

そんな『のだめ』が、9月9日(水)より再放送(毎週月曜~金曜15時50分~)されることが決定。地上波での再放送は、6年ぶり7度目になるという。なぜそれほどまでに愛されるのか、ドラマが大好きな編集者の信子(現在アラフィフ)と、ライターの庸平(現在37歳)が忖度なしで斬る。

過去のドラマ放談記事はこちら!

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<信子&庸平のドラマ放談『のだめカンタービレ』編>

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――2006年の放送当時を振り返ってみていかがですか?

信子:実はリアルタイムで見ていなくて…。勤めていた会社の近くで『のだめ』の“コラボカフェ”をやって、盛り上がっていたのに(苦笑)。ピアノを弾くこと以外は何もできない超変人のヒロイン・のだめ(上野)が暮らす“汚部屋”を再現した展示をしたり、劇中でのだめが腐らせて真っ黒になったシチューや、伊武雅刀さんが営む中華料理店「裏軒」のメニューが食べられたりしたんですよ。

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庸平:いいなぁー。僕は、『のだめ』のドラマが大好きすぎて、むしろ原作が読めないくらいなんですけど(笑)。

信子:どの局がドラマ化するのか注目されたり、クラシック音楽を扱う作品だけに、主題歌がなかなか決まらなかったらしい、といったいろいろな話題があったのを覚えています。

庸平:そうだったんですか!?エンディングで流れる「ラプソディー・イン・ブルー」は、秀逸な選曲だと思っていたんですよ。悲しいトーンのまま話が終わっても、劇中の演奏が盛り上がってエンディングを迎えても、世界観にピッタリ合っていて。

信子:作曲はジョージ・ガーシュウィン。アレンジも素晴らしかったですね。

庸平:原作の二ノ宮知子先生の思いを大事にこのドラマを作ったということが、この一曲からも伝わってきました。

信子:二ノ宮先生も大好きな作品だそうですよ。有名な話ですが、原作は、汚部屋の中でピアノを弾いていた実在のピアニスト・野田恵さんの写真を見て、二ノ宮先生が「この人をテーマに漫画を描きたい!」と思ったところから生まれたんですよね。

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庸平:モデルがいるお陰なのかもしれないけど、才能ある人の苦悩がきちんと描かれているんですよね。天才の話って、苦労している感じがしなくて常人には共感できないことも多いじゃないですか。でも『のだめ』は、音楽の天賦の才能で“指揮者のビクトリーロード”を進む千秋先輩(玉木宏)がぶつかる壁も、“音を楽しむ”だけじゃダメなのかなっていうのだめちゃんの迷いも、丁寧に描いていて。

信子:冷血なサイボーグだった千秋先輩はのだめと出会って人間になっていくし、“珍獣”だったのだめは千秋先輩と出会って女性になっていくという。

庸平:音楽を知らない僕でも共感できる「楽しいだけじゃダメ?」というのだめちゃんの葛藤を描いた上で、ハッキリした正解がない世界で、努力と勉強を続けていかなければならない一流の音楽家の苦しみを描いていくから、共感度が高いんです。

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信子:コメディ一辺倒に見せかけて、「音楽とは?」という人生哲学にも通じる問いから、恋愛、友情、青春、という要素をバランス良く詰め込んだから、幅広い視聴者層に訴えたんでしょうね。

庸平:恋愛パートも“ド恋愛”ではなくて。のだめちゃんの中には、千秋先輩への恋心と同時に彼の才能を超えたいという思いもある。ただの萌えドラマではないのも、よかったと思います。

信子:それにしても千秋先輩を演じた玉木宏さん!長身・美形に白シャツ着せるのは反則っ!美しすぎました!

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庸平:ふふふ。1話からシャワーシーンもありましたね。

信子:はい。もう、悶絶ものの美しさです!お坊ちゃんなのにタバコを吸っちゃうとか、ちょっとワイルドなところもステキなの!!

庸平:玉木さんは声もいいから、モノローグや曲の解説も素直に入ってくる。とはいえ、1話は驚きませんでしたか?「ぷぎゃー!」「ぎゃぼー!」って、樹里ちゃんが漫画的な声を炸裂させていて。

信子:白目むいたりね。あの叫び声や変顔を違和感なく演じて、のだめという役柄を自分のものにしてしまう上野樹里ちゃんは、つくづくすごい女優だと感服しました。

庸平:女優としての緩急がハンパないですよね。あんなインパクトのある演技なのに、後半パートではしっかり泣かされるという。

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信子:のだめが人間になっていく様が見えてくるのよね。樹里ちゃんは役への入り込み方が強い人で、『グッド・ドクター』(18年)で医師を演じた時も病院へ取材に行ったり、東日本大震災を扱った『監察医 朝顔』(19年、20年11月2日~)では実際に東北に行ったりしていました。

庸平:憑依型女優ですよね。のだめに憑依できるって意味がわからないけれど(笑)、それをやってのけてしまう。あと、指揮者のシュトレーゼマン、通称“ミルヒー”を演じた竹中直人さんも素晴らしかった!

信子:「のだ~めちゃ~ん」って、キテレツな外国訛りで(笑)。

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庸平:見事に“竹中ミルヒー”を作り上げていました。見た目も話し方も“出落ち”みたいなキャラなのに、「このままだと千秋と一緒にはいられない」って、のだめを諭すセリフは、しっかり響いてくるんですよね。指導者つながりだと、“ハリセン”も好きでした。

信子:豊原功補さんが演じた先生ね。西村雅彦(現・まさ彦)さんが演じた、ピアノ科の落ちこぼれ専門の先生もよかったな。それにしても、すごいメンバーが集まった作品ですよね。

庸平:本当に!ヴァイオリン奏者の役が、瑛太(現・永山瑛太)さんと水川あさみさん。2人とも楽器が身体になじんでいました。

信子:まだ垢抜けない感じの向井理くんは、チェロ担当。

庸平:モテモテな役なのに、ダサかっこいい雰囲気で。この後の活躍を思うと感慨深いですね。

信子:福士誠治くんも、最初出てきた時はそこまでカッコよくなかったんだけど、スペシャルではカッコよく成長していて!

庸平:僕の中では、福士さんは今でも(役柄の)“オーボエの黒木くん”です。

信子:福士くんは、『純情きらり』(06年/NHK)ではピアニストを目指す役だったし、ミュージカルの「RENT」にも出ていたし。音楽の素養があるんですよね。

庸平:みんな、本当に楽器を弾いているようにしか見えませんでした。相当な練習を積んだはずですよね。

信子:樹里ちゃんはもともとピアノが弾けるから、手を吹き替えていないシーンがいくつもあって。あと、忘れずに探してほしいのが、“Sオケ”(※)にエキストラで参加している、バイオリニストの宮本笑里さん!

※シュトレーゼマンが編成するオーケストラの略称。

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庸平:え?そうでしたっけ?気が付かなかったです!もう一度見直さなきゃ!ゲストつながりだと、松本人志さんも必見ですね。

信子:テレビの会見で、年上女性との結婚報道が報じられて。しかも“略奪愛”とかって(笑)。なんで出演することになったのか、わからないけど、とにかく贅沢でしたね。

【ネタバレあり】見どころは?

――ストーリー展開で気になったところ、見どころなどを教えてください。

※以降、ネタバレがあります。

庸平:ザックリまとめると、前半は“Sオケ”に選ばれたメンバーがワイワイやっている楽しい展開。のだめちゃんは(ピアノが必要とされないため)“Sオケのマスコット”という存在なんだけど、物語が進むに連れて彼女の孤独が描かれていきます。陽気な前半とシリアスな後半でトーンが変わりますが、信子さんはどちらのほうが好きでしたか?

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信子:私は“Sオケ”のパートが好きかな。

庸平:シュトレーゼマンによって個性的な面々が集められていくRPG的な展開は面白いし、彼らがオーケストラとして結束していく展開は感動的ですよね。僕は、後半の方が好みなんですが、10話が特に大好きで…。もう、何度見ても泣いてしまう!

信子:千秋先輩と一緒にヨーロッパに行くために、コンクールに挑戦することになったのだめが、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」を弾くんだけど、その展開がおかしくも切ないのよね。

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庸平:そう。「ペトルーシュカ」を完成させられないまま本番を迎えたのだめちゃんが、曲の途中で「きょうの料理」のテーマ曲を弾いてしまうんです。もともと「ペトルーシュカ」と「きょうの料理」は旋律が似ている部分があるらしいんですが、ここは、漫画をドラマ化した醍醐味が全面に出たパートでもありました。漫画では音を想像するしかないけど、ドラマならスッと旋律の違いが聞こえてくる。

信子:原作ファンのお楽しみつながりでは、のだめの大好きな(架空の)アニメ「プリごろ太」も、しっかりアニメとして作られていて驚きました。その後、『のだめ』のアニメ版にも登場しDVD化もされていますね。

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庸平:監督は『電車男』(05年)の武内英樹さんですが、『電車男』でもオープニングのアニメがスピンオフされていましたね。『のだめ』は、武内監督らしく、小ネタまで丁寧に作りこまれていて、お金も使うべきところに使っている感じがしました。

信子:画作りがファンタジックでも、嘘っぽさがまるでないの。特に、のだめの“汚部屋”が本当によくできてる!めちゃめちゃ汚いんだけど、アイテムは可愛らしくて、「あ、うちと同じ小物がある!」みたいな発見の楽しみもありました。

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庸平:全体的に色使いがポップでしたよね。のだめがため込んだゴミから出る液体も、スライムみたいで紫色だったりして(笑)。

信子:コメディと恋愛のバランスの取り方も抜群で、例えば、数日間シャンプーをしていないのだめの髪の毛を、千秋先輩が「臭い!」といいながら洗って乾かしてくれるシーンは、見ていると本当に臭そうなんだけど、「私もやってほしいっ!」と思わせる“ラブ”もある。

あと、ベンチで寝ていて漫画そのもののように美しい千秋先輩の唇をのだめが奪っちゃうシーンで、寝たふりをしていた千秋先輩が「これ(キスをさせたの)はお礼だ」という言うのも、『恋はつづくよどこまでも』(20年/TBS)の佐藤健さんの名ゼリフ「これは治療だ」みたいで、キュンとしました!

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庸平:信子さんの乙女心、くすぐられまくりです(笑)。

信子:うふふふ。そして、最終話、田舎に帰ったのだめを千秋先輩が迎えに来るシーンも最高です!

庸平:僕は恋愛が主旋律の話が得意ではないですが、あそこは本当に名場面だと思います。

信子:ヒロインを田舎まで迎えに来た彼氏がバックハグ…って、これも『恋つづ』に継承されている…って勝手に思ってるんですけど(笑)。しかも、飛行機が苦手な千秋先輩が飛行機で迎えに行こうとするなんて。最終的には新幹線で向かうのですが。

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庸平:千秋先輩の飛行機恐怖症の解決の仕方は、ひどいですけどね。のだめが、覚えたての催眠術で治してしまうという(笑)。

信子:「先輩はもう乗れますよ」っていうのだめの呪文で、子供の頃からのトラウマがアッサリ解決しちゃうのよね。

庸平:そんな展開も普通に受け入れられるところまで持っていった、世界観の勝利でした。

信子:しかもそこまで盛り上げておいて、恋愛パートでは終わらせず、オケの演奏をたっぷり見せて物語を終わらせる。音楽の持つ力への信頼感がなければ、できない演出ですよね。

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庸平:演奏を終えた千秋先輩とのだめ、オケのみんなが泣くシーンは、役者さんたちの思いが伝わってきて。彼らが、役としてだけでなく人間としても成長していく過程を綴ったドキュメンタリーのようでした。

――スペシャルや映画にもなりましたが、そちらはいかがでしたか?

庸平:こんなに『のだめ』が好きな僕なのに、実は映画の後編だけ見てないんですよ。その理由は割愛するとして(笑)、連続ドラマと同じく、スペシャルも基本的には前半がオーケストラ、後半がのだめちゃんの話で構成されていて、“のだめちゃんの孤独パート”が好きな僕としては、存分に楽しめました。

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信子:そういえば、『のだめ』は韓国でもリメイクされていて、映画「新聞記者」で注目されたシム・ウンギョンがヒロインを演じているんですよ!

庸平:シム・ウンギョンさんは、この秋、日本のドラマにも出演しますし、気になりますね。でも僕は、その前に因縁の映画の後編を見てみることにします(笑)。とはいえ、今回改めて全編を通して鑑賞して、今見ても昔と変わらず楽しめることに感動しました。これを機に原作も読んでみようかな。

信子:本当に、色あせないステキな作品でしたよね。地上波での再放送も楽しみですし、FODでは原作も読めますし、韓国版も見られますのでぜひ!

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