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予防医学に詳しい医師が助言!緊急事態宣言解除後に大切なのは「一にも二にも…」

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新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が、遂に全国で解除された。

厚生労働省が発表した「新しい生活様式」を守りつつ、日常生活を少しずつ取り戻していくにはどうしたらいいのだろうか?

フジテレビュー!!では、予防医学に詳しい「虎ノ門中村康宏クリニック」の中村康宏医師に、緊急事態宣言解除後の生活で気をつけるべきポイントを聞いた。

<中村康宏先生 インタビュー>

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距離を保てない場合は、30分以上同じ空間にとどまらないよう注意

――緊急事態宣言解除後は、出勤や登校に伴う外食の機会が増えそうです。どのような点に注意したらよいですか?

食事はやはり感染機会が一番多い場面になりますので、ソーシャルディスタンスの徹底と、手指消毒は必須です。また、食事などで一度外したマスクは、マスクケースやスライド式のファスナー付きビニール袋などに入れましょう。

娯楽施設に行く際には、可能な限り密閉空間を避けて、他者とは1.5mの距離を開けましょう。その距離を保つのが難しい場合は、30分以上同じ空間にとどまらないように注意するか、30分毎に除菌スプレーを散布するようにしたいですね。

スポーツをする際も、感染予防の観点から言うと、一人で、人が多い場所や時間帯を避けて行うことが好ましいです。体力維持のためにジョギングをしている人もいると思いますが、ウォーキングに比べて運動の強度が高く、呼気が激しくなるので、ウォーキングをする時以上に人が集まる場所を避けるよう心がけましょう。具体的には、ウォーキングの場合は5m程度、ジョギングの場合は10m程度、他の人との距離を空ければOKと言われています。

――先生が一番大事だと思われる“予防対策”は何ですか?

マスクや手洗いは当然のこととして、感染予防のために大切なのは、一にも二にも換気です。感染の可能性は、「ウイルス暴露※時間×ウイルス濃度」で規定されます。つまり、「ウイルスにさらされている時間の長さ×ウイルスの濃さ」が高くなればなるほど感染リスクが高まりますので、ウイルスの濃度を薄めることが予防の要となるのです。

(※編集部注:ウイルス暴露=ウイルスにさらされるという意味)

密閉空間を避けるように、と繰り返し言われるのはそのためです。1時間に1回、3分ほどの換気を徹底しましょう。

換気+次亜塩素酸水での空気清浄も有効

また、手の触れた場所をこまめにアルコール消毒するだけでなく、次亜塩素酸を溶かした水で空気清浄するのも有効です。

(編集部注:加湿器で使用できる次亜塩素酸水を、商品指定の濃度に希釈して加湿器のタンクに入れて使用する。使用する加湿器が次亜塩素酸水を使用可能かどうか、事前に確認すること)

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屋外では、接触によるウイルスの持ち込み、伝播がありえます。帰宅後は手洗いうがいを徹底するのはもちろんのこと、スマートフォンなど屋外で触ったものは、消毒するようにしましょう。服や髪などにもウイルスが付着する可能性がありますので、小型の消毒スプレーを持ち歩き、こまめに全身散布するのも効果的です。

(編集部注:服や髪にも散布できるので、ジェルタイプよりもスプレータイプが便利。市販の手指用アルコールスプレーのほか、自宅で使っているアルコール消毒液を詰め替えて持ち歩く場合は、アルコール対応の携帯ケースを使用のこと)

緊急事態宣言解除は「終わり」ではない。引き続き、感染を広げない努力を

――新型コロナウイルスを収束させる手段として、「集団免疫」が注目されています。「集団免疫」についてはどのように考えたら良いのでしょうか。

「集団免疫」とは、感染症に対する免疫を持つ人が一定以上増えれば、免疫を持っていない人も感染から守られるという理論です。

一度「集団免疫」が確立すると、ワクチン接種を受けなかった人やワクチン接種を受けても免疫を獲得できなかった人も、感染症から保護されて、感染症の伝播を阻止できる可能性があります。

(編集部注:免疫を持つ人の数が増えれば、1人の感染者から感染する人の数が減るので、免疫を獲得できなかった人までウイルスが届かなくなるとされている)

集団免疫の確立が、直接的な“予防”になると考えられている

また、免疫機能が低下している人も保護しますので、病院や施設でクラスターが発生する確率はかなり低くなります。個別の“治療”と異なるため、集団免疫の確立は直接的な“予防”になると考えられています。

新型コロナウイルスでは、イギリスやスウェーデンなどの国が「集団免疫」を確立する戦略に出たことで注目されましたが、結果的に集団免疫を確立する前に感染のピークが到達し患者数が増加してしまいました。

しかし、天然痘が根絶したのは集団免疫が確立したおかげですから、同様に、根本的なコロナ収束には集団免疫の確立が必須だと言われています。

ただし、感染症によって集団免疫の確立時期は異なります。インフルエンザの場合は60%、はしか(麻疹)の場合は83〜94%、おたふく風邪の場合は75〜86%の集団抗体保有率が必要です。現在の新型コロナウイルスの場合は、60〜70%と言われています。

――新型コロナウイルスでは、一度感染した人が再感染するというケースも報道されているのが心配です。

新型コロナウイルスのワクチンはまだ未開発ですが、ワクチンを打ったとしても、再感染はあり得ます。理由は2つ。まずは、毎年流行するインフルエンザウイルスのように、ウイルスの変異が著しく、ワクチンを打っても効果を発揮できない場合があること。

また、免疫機能が低下している人は、特に感染症に罹患しやすくなっていますので、ワクチンを接種したとしても十分に免疫を獲得できないことも予想されます。ですから、感染者数が減ったとしても、日々の生活で予防を心がけることが大切なのです。

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