情報番組『ポップUP!』内で放送されている本格ドラマ『昼上がりのオンナたち』。

毎週金曜日に15分、全4話で放送されています。

【写真】禁断の愛…ドラマの名シーン

「何か、満たされない…」「何か物足りない…」。そんな登場人物たちの少しの心のほころびから、禁断の愛に踏み込んでいく大人のラブストーリーです。

ところで、タイトルの「昼上がり」という部分に違和感を覚えた人もいるのでは?

フジテレビ社内でも「『昼下がり』の間違いでは?」と…

気になったのでちょっと辞書で調べてみたのですが、出てくるのは「昼下がり=正午を少し過ぎた頃」(Weblio辞書)、「昼下がり=正午以後、夕方に至るまでの時間帯」(goo辞書)と、「昼下がり」の説明ばかり。「昼上がり」という言葉はなかなか見つかりません。

放送時間も午後1時30分ごろの「昼下がり」ですし、これは一体どういう意味?

フジテレビ社内でも話を聞いてみると、企画段階で「『昼下がり』の間違いでは?」という声があったそう。

「昼上がり」か、「昼下がり」か。どっちが正しいの?

さらに調べを進めていくと、精選版日本国語大辞典で「昼上(ひるあがり)」の語句を発見しました。

① 寺子屋・学校の授業が午前中で終わること。
② 昼食のために仕事を一時休むこと。

わかったような、わからないような…。そこで、『昼上がりのオンナたち』の脚本を手掛けた的場友見さんにタイトルの意味を直接聞いてみることにしました!

脚本家・的場友見「『昼下がり』も魅力的ですが…」

――なぜタイトルを『昼上がりのオンナたち』にしたのですか?

「母・妻といった役割を昼で一旦中断し(=昼上がり)、午後の曖昧なひとときに、束の間一人の自分に戻る瞬間の女性たちの揺らぎ本音を描く」ドラマと考えています。

――「昼上がり」に込めた想いは?

主婦業は年中無休と言われますが、生まれつき主婦の人なんていない。

役割から解放されて一人の自分に戻る時間を自身も周囲も大切にしてほしい、認めてほしいという思いがあります。

――「昼下がり」にしようというアイデアはなかったですか?

「昼下がり」という言葉の持つどこかアンニュイな印象も魅力的ですが、甘美・危うい・誘惑的という世界観というよりは、女性をエンパワーメントするようなニュアンスを込めたいという思いもあり、また単に時間帯を表現するという意味でもないので「上がり」を採用しました。

昼下がりだと、不倫モノとしてベタ過ぎ

なるほど、そんな意味が込められていたんですね。

さらに、演出を担当している並木道子監督にも話を聞いてみたところ、次のように回答してくれました。

「昼下がりだと、不倫モノとしてベタ過ぎ、夕刻の印象がお昼の情報番組に相応しくない。

また、昼下がりのオンナだと、どうしてもやましい事としているような、日の当たらない女性たちのイメージになってしまう。

女性たちが意志を持って自分の人生選択して欲しい、陽が当たる場所で幸せになれますようにという願いを込めている気がしています」

また、企画をした加藤正臣プロデューサーによると、「昼上がりの『妻たち』にしても良いところを、『オンナたち』にしていることも、人妻の不倫をテーマにしているのではなく、女性たちをテーマにしていることが分かってもらえると思います」とのこと。

「女性たちが意思をもって改めて自分の人生を見つめ直し、選択することの大事さ」が、タイトルの『昼上がりのオンナたち』にメッセージとして込められていると思いながらドラマを鑑賞すると、見え方もちょっと変わりそうです。

次回の放送は5月27日(金)。放送直後からは、FOD版(ロングバージョン)を配信するなど、地上波×配信の連動にも注目です。