医療にとっての”正しい判断”に悩む武四郎（吉沢亮）＜『PICU』第2話完全版＞

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丘珠病院のPICUは、解決のめどすら立たない深刻な人手不足問題に直面したままだった。

志子田武四郎（吉沢亮）は、何かの役に立てるならと、休日を返上して出勤するが、同僚医師・綿貫りさ（木村文乃）や看護師長・羽生仁子（高梨臨）から「1人にカウントできるとは思えない」「ギリギリ半人前かどうか」などと冷たくあしらわれてしまう。

＜ドラマ『PICU 小児集中治療室』これまでのあらすじ完全版＞

同じころ、PICUの科長・植野元（安田顕）は、「北海道PICU推進に向けた意見交換会」で、北海道内の医師たちに協力を呼びかけていた。

そこにやってきた札幌共立大救急科科長の渡辺純（野間口徹）は、PICUに必要な経験と実力を兼ね備えるほどのスタッフならば手放すはずはない、と植野に告げる。続けて、有名子役の死をきっかけにPICU設置に動いた北海道知事・鮫島立希（菊地凛子）に触れ、彼女がやっていることは次の選挙に向けての票集めでしかない、と言い放った。

そんな折、丘珠病院に火傷を負った急患2名が救急搬送されてくる。10歳の姉・佐渡莉子（田中乃愛）ちゃんは軽傷のようだが、7歳の弟・理玖（中村羽叶）くんは左肩全体に重度の火傷を追っていた。

植野は、救命医・東上宗介（中尾明慶）や麻酔科医・今成良平（甲本雅裕）、小児外科医・浮田彰（正名僕蔵）と河本舞（菅野莉央）らの協力を得て理玖の治療を開始。武四郎には、姉弟の母・京子（紺野まひる）と莉子ちゃんについているよう指示する。

莉子ちゃんの手当てをしていた武四郎は、すぐに彼女の様子がおかしいことに気づく。莉子ちゃんは、気道熱傷により声帯が狭窄し、呼吸がしにくくなっていたが、そのことを救急隊員にも告げずに、ずっと我慢していた。

武四郎は、「莉子ちゃんの治療にも、理玖くんの治療にも役に立つから、本当のことを話してほしい」と頼み、声が出せない莉子ちゃんと筆談でコミュニケーションをとった。

姉弟が火傷を負ったのは、腹をすかせた理玖くんのリクエストで莉子ちゃんが冷凍のチキンナゲットを揚げようとした際に油が飛び散ったことが原因だった。それを知った京子は、「いつも莉子に我慢させてばっかりでごめんね」と声をかけ、責任を感じている娘を慰める。

莉子ちゃんの診察をした浮田は、発話は問題なくできるようになる、と診断。だが、完全には元に戻らないという。

植野は京子に、理玖くんはまだ注意が必要だが回復に向かっていること、莉子ちゃんは気道熱傷しており今後手術が必要になるかもしれないこと、また、高音が出しにくくなり掠れも残るが発話については問題なくできるようになることを伝えた。

合唱をやっている莉子ちゃんが元のように歌えない可能性があることを知り、「あの子にはこのことを言わないでください」と植野に頼む京子。だが、納得が出来ない武四郎は、本当のことを莉子ちゃんに言わなくてもいいのか、と植野たちに問いかけた。

りさは、そんな武四郎に「担当医と親御さんで決めたの。あなたの意見が入る余地はない」と言い放った。

植野から説明を受け、薬を飲めば声が出せるようになると知って喜ぶ莉子ちゃんは、「本当のこと言ってよかった。声、なおるまでばんばるね」と書いたメモを武四郎に見せた。

そんなある夜、莉子ちゃんの回診に行った武四郎は、彼女が眠れずにいることに気づく。弟のことを心配していたのだ。

武四郎は、自分も父親と早くに死別し、母親に育ててもらったことから、何か手伝えることはないかと思って料理をするようになった、と話した。そして「喜んでもらえるのがうれしくて、一生懸命作ってたんだ。莉子ちゃんもそうでしょ？」と優しく話し、彼女を安心させようとする。

だが莉子ちゃんは、涙ながらに「先生、この声はなおりますか？教えてください」と書いたメモを武四郎に見せた。その時、武四郎が一瞬目をそらしたことに気づきた莉子ちゃんは、本当のことを教えてほしいと頼む。

その真剣な眼差しに嘘をつけなくなった武四郎は、「おしゃべりは出来るようになるけど、高い声で歌うのは難しいかもしれない」と話してしまった。莉子ちゃんは「教えてくれてありがとう」と書いたメモを武四郎に見せるが…。

植野に誘われて食事に出かけた武四郎は、莉子ちゃんに本当のことを話したと打ち明ける。その時、植野のスマートフォンが鳴った。莉子ちゃんが繋がっていた気管チューブなどを引き抜き、暴れ出したのだ。

りさや今成らが莉子ちゃんをベッドに戻し、落ち着かせようとする横には、「歌えないなんて　死にたい」と書かれたメモが落ちていた。

植野は、決めたことを独断で変えてしまっていいのか、と武四郎に問いかけた。弟の火傷の責任を感じで傷ついている莉子ちゃんをさらに追い込めば、命を絶つ可能性もあった、というのだ。

「もし余命宣告だったら伝えましたか？」と問われ、首を振る武四郎。「よく肝に銘じておいてください。ここはチーム医療です。そのチームには、親御さんも入っているんですよ」。植野はそう武四郎に告げ…。

武四郎は、母・南（大竹しのぶ）に帰りが遅くなることを伝えると、院内の図書室で莉子ちゃんの喉を治す方法を調べ始める。通りがかった今成は、武四郎に気づき、そっと様子を見に行く。

一方、矢野悠太（高杉真宙）や涌井桃子（生田絵梨花）らとグループ通話している武四郎の話を聞いた南は、彼のために好きなおかずを用意して帰りを待っていた。

あくる朝、PICUにやってきた武四郎は、理玖くんの側にいた京子に謝ろうとした。そんな武四郎の頬をいきなり叩く京子。りさは、「向いていないと思う、この仕事。いつか訴えられるよ」と武四郎に告げた。

別の日、PICUから出てきた武四郎の前に、病棟を移った莉子ちゃんがやってくる。莉子ちゃんは、掠れた声で「ママに怒られたでしょ？私のせいでごめんなさい」と武四郎に告げた。武四郎は、泣くまいと必死に涙をこらえ…。

丘珠空港近くの公園で空を見上げていた武四郎は、鮫島知事から声をかけられる。やりたいと思った仕事だが失敗ばかりだとこぼす武四郎に、初めはみんな上手くいかないものだ、自分も「大丈夫だ」と言い聞かせながら騙し騙しやっている、と告げる鮫島。

武四郎は、鮫島がパイロットではないかと勘違い。しかし、そこに秘書の林遥香（東野絢香）が鮫島を迎えにきたため、彼女が北海道知事であることを知る。

医局にいた植野の元へやってきた今成は、武四郎が落ち込んでいた、と伝える。それに対して、「良いことです。落ち込んで折れそうになっても、立ち上がって学ぶ。それの繰り返しじゃないですか、私たちは」と返す植野。それを聞いた今成は、武四郎と植野はそっくりだと笑うと「PICUに入れてください」と参画する覚悟を伝えた。

武四郎が家に帰ろうとすると、悠太から電話が入った。悠太の声は震えていて…。

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