「本当にリアルに勝るものはない」
――ナレーション収録を終えていかがですか?
本当にリアルに勝るものはないな、と思いました。毎週『ザ・ノンフィクション』を見ていますし、ナレーションを担当させていただくこともありますが、改めて、人の人生って…(長く考えて)、家族ってどういうことなんだろうと考えさせられました。
認知症という病気のこと、それを患ったお父さんがいろいろなことを忘れていってしまうという葛藤、息子のフジタさんが聞くと、「自分でお金の管理はしたい」と意思を示したときの表情を見て、すごいものを見てしまったなっていう感じがしています。
――フジタさんにはどんな印象を持ちましたか?
本当にとてもやさしい方だと思いました。大変な過去を背負いながらも、お父さんにあれだけ寄り添って、支えてあげている姿を見て、すごい方だな、と。
なぜ、あそこまでの気持ちになれるんだろうって、思うくらいです。
お父さんとの会話がイタチごっこになって、フジタさんが壁を殴る場面があるのですが、一歩間違えば、あれ(暴力)がお父さんに向いてしまうことだってあるかもしれません。
それでも、感情をお父さんにぶつけなかったのは、やさしいし、強い人なんだなと思いました。
ただ、あのやりとりのなかで、同じ言葉を繰り返していても、だんだんと言い方が変わっていくのには、「ああ、人ってこうなるものなんだ」って。
お芝居でしようと思っても想像が追いつかない…リアルってこういうことなんだと思いました。
――一方、お父さんが涙を流す場面もありました。
お父さんもつらいんだろうと思いました。認知症になるとはどういうことか、わからなくなっていくことを徐々に自覚させられるのは、とてもつらいことだと思いますし、やはり、フジタさんに対して大きな負い目もあるんだろうな、とも思いました。
ですが、ナレーションにもあったように、“返ってこない時間”というのもあるので、それをこれからどう埋めていくのか、フジタさんがそれをどう受け止めていくのかが気になります。
――ご自身のなかには今、どんな思いがありますか?
…憎しみ続けるってつらいですよね。自分自身がきっと一番つらいから。
フジタさんがずっとお父さんを恨んでいたとしても、その恨みや憎しみからいいものは生まれないですし、フジタさんはそこに気づいて、先に行けた人。
でも、世の中には、憎しみの中にいる人がたくさんいて、そして、その憎しみは、自分の力ではどうしようもできないことがほとんどだと思うんです。相手がいることですから。
今回みたいに、そういったときに、そばに冷静さや客観性を持った人がいてくれるのは本当に大事なことなんだと思いました。
――改めて、視聴者のみなさんへのメッセージをお願いいたします。
私も毎週、番組を見ていますが、また、すごい作品がやってきます。
(昨年9月、自身がナレーションを担当した)マエダさんの回(『人生の終わりの過ごし方~「ダメ人間マエダ」の終活~』)もすごかったですけど、今回は、また違う、人生の面白さ、人間臭さのようなものが見られます。
ちょっと見逃しちゃいけない回ですよ、とお伝えしたいです。
<ナレーションの一部を先行紹介>
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