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軽部真一×三宅正治 同期アナが初対談で舌戦!「ライバル意識?まったくないですよ」_site_large

軽部真一×三宅正治 同期アナが初対談で舌戦!「ライバル意識?まったくないですよ」

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同期のアナウンサー二人が、初となる長時間対談で思いを明かしました。

1994年4月にスタートし、放送29年目に突入した朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ)に出演中の軽部真一フジテレビアナウンサーと三宅正治フジテレビアナウンサー。

ともに今年60歳。めでたく還暦を迎えた同期(1985年入社)の二人に対談を依頼。「これほどじっくり話したのは初めて」というトークは止まらず1時間45分に及びました。

その前編では、これまでの歩み、二人の関係性、そしてこれからへの思いを語っています。

エグゼクティブアナウンサーに就任した感想は…

――まず、先に60歳を迎えた軽部アナから、率直な今の気持ちを聞かせてください。

軽部:やっぱり強烈に実感した瞬間は、赤い帽子とちゃんちゃんこを着せられたときですよね。

三宅:この間、スタジオで軽部のその姿を見たとき、さすがに「ジジイだな」と(笑)。ですので「僕のときにはいりません!」とスタッフに言いましたが、「いや、そうはいきません!」と言われました。

なんだろうね、否応なしに自分の老いた姿を見せられる、あの感覚は。

軽部:まぁ、今の60歳は雰囲気も実際の生活も昔と違っているから、僕も三宅もいわゆる「ジジイ」ではないですけどね。ただ、僕もこれまでいろいろコスプレ的な服を着てきましたが、赤いちゃんちゃんこだけは60歳になってこそのファッションだな、と。三宅はきっと、僕以上にジジイに見えると思うけど(笑)。

三宅:俺は似合わないと思う。「本当に還暦ですか?」みたいな。

軽部:いや、もう頭の中に画が浮かんじゃってるから。

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――もう一つ、「エグゼクティブアナウンサー」になったことについてはいかがですか?

軽部:これはちょっと勘違いされているところもあるんですけど、還暦になったから就任したのではなく、6月の人事発令で決まったことです。

三宅:過去には、フジテレビを背負ってきた大先輩である露木茂さんと須田哲夫さんしかもらっていない肩書きですからね。それを約15年ぶり、しかも同期二人が同時に、というのはなかなかないことですし、ここまでやってきたことが認められたんだろうなと思うと素直にうれしいです。

軽部:やっぱり大きな節目である60歳を手前にして、会社に残る・残らないも含め、自分はこの先どうするんだろうと考えたとき、残るのであれば一番理想的なポジションだったし、一つの目標ではありました。

――二人は同期ですが、一言で表すとしたらどういう関係なんでしょうか?

三宅:よく「ライバル意識は?」と聞かれますけど、まったくないんですよ。なぜなら、やっている仕事が全然違うから。担当番組が違い、働く時間帯が違うから、会社で会うこともほとんどなかったですし。

軽部:かつてはね。

三宅:彼はわりと早い段階から、朝のリポーターとしてガンガンやっていて、そのころ、僕はスポーツアナウンサーとして一本立ちするために一生懸命経験を積み重ねていくという感じだったから、比べようにも比べられないというか。でも「ボーナスはあいつの方が絶対いいんだろうな…」って。

軽部:そんなことないよ(笑)!

三宅:だから、今まで一度も互いの給料を見せ合ったことはないです(笑)。

軽部:この間、定年ということで、ひと足先に(港浩一)社長と会って表彰状のようなものをもらったんですけど、そこには社内歴が書いてあって。

アナウンサーひと筋の三宅と僕は、肩書き的にまったく同じように出世してきているんですよ。つまり、ずっと同じ階段を上がってきたわけだから、そこは見せ合ってもいいと思います(笑)。

軽部アナの象徴“蝶ネクタイ”が生まれたきっかけ

――軽部アナから見た三宅アナはどんなイメージですか?

軽部:彼はなんといってもスポーツアナのレジェンドですよ。実況する種目も実に幅広く、野球はもちろん、バレーボール、F1、競馬。特にアイルトン・セナの死を彼が伝えた1994年は、くしくも『めざましテレビ』がスタートした年。それ以外にもこれまで数多くの名実況を生み出し…。

三宅:気持ち悪いよ、その言い方(笑)!

軽部:いや、お世辞でなく、フジテレビの歴代スポーツアナウンサーの中でも、三宅の実況力は随一だと思いますよ。事実、現場としては彼の力が欲しくて、いろいろなところに呼ばれてきたわけですから。

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――三宅アナは軽部アナをどう見ていますか。

三宅:朝の情報番組における草分けですよね。まだ、朝のワイドショーに「エンタメ」という要素が確立していなかったころに彼はカルチャー情報を放り込み、イチから作り上げてきた功績は大きいですよ。

『めざましテレビ』に1年目から出演し続けている唯一の人間ですし、その意味では彼の方がレジェンドです…これでどうよ(笑)。

軽部:それは『めざましテレビ』がそういう番組だったからね。たまたま僕がやっただけですが、確かにエンタメキャスターとしては初代だった感じはする。あと、僕の場合はやっぱり蝶ネクタイに感謝です(笑)。

三宅:あれでイメージができたよね。

軽部:最初はサスペンダーもしていましたが、要するに「キャラクター化」したわけですよ。入社して最初の10年くらいは『おはよう!ナイスデイ』のリポーターやキャスターとして、泥にまみれてさまざまな事件・事故の現場に行ってましたから、どっちかというと地味で硬派なアナウンサーだった。

もし『めざましテレビ』がなかったら、とっくの昔にアナウンサーを辞めてほかの部署に行ってたと思うんですよ。

――そうなんですか?

軽部:だって『ナイスデイ』が終わるとき、上司だった野崎(昌一:元フジテレビアナウンサー)さんからは「Jリーグの実況をやらないか?」って言われていたんです。

三宅:ええーっ! 知らなかった。それも見たかったなぁ(笑)。

軽部:でも、サッカーは全然わからなくて、どうしようか悩んでいたときに、知り合いのディレクターから『めざましテレビ』に出てみないかと誘われて、飛びついたんです。

そこで蝶ネクタイをつけたことで、「アナウンサー・軽部真一」の人生は大きく変わり、今に至るというわけです。

――トレードマークでもある蝶ネクタイですが、どうやって生まれたのですか?

軽部:その頃、CNNにラリー・キングさんという名物司会者がいて、サスペンダーがトレードマークだったんですね。そこでスタッフと考えて「軽部といえば蝶ネクタイ、蝶ネクタイといえば軽部」としようと、あえて狙ったんです。

当時の広報資料には「日本のラリー・キングを目指す」って書いていました(笑)。今思えば、その効果は想像以上だったといえるでしょうね。

三宅:正解だったね。

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三宅アナ、数々のスポーツ名実況を生み出した30代

――軽部アナが『めざましテレビ』に出たのが31歳。三宅アナの30代はどのような感じでしたか?

三宅:僕はたぶん一番忙しかった時期でしたね。1990年からF1の実況を始めましたが、1993年にK-1が始まり、女子プロレス、もちろん競馬もやっていたし、とにかく出張が多かった。あのころは、1年で120日以上は出張していましたね。

――そんなにですか!

三宅:27歳で娘が生まれましたけど、あまりにも家にいないものだから、妻が僕の写真を飾って「パパだよ」って教えながら育てていたんです。そしたら僕が帰ってきたとき、娘は写真を指差して「パパ」って言ったという(笑)。

F1でいえば、セナと(ナイジェル・)マンセルが激しい1位争いを繰り広げた1992年のモナコグランプリの実況が、自分にとっては非常に大きかったですね。あれでF1ファンからもF1アナとして認知されたと思うし、ほかの仕事も入ってくるようになりましたから。

軽部 :「ここはモナコ、モンテカルロ、絶対に抜けない!」っていう名ゼリフね。あそこで「モンテカルロ」って言葉を選んだところが本当にいいよね。「モナコ」だけでなく「モンテカルロ」でリズムを作って「絶対に抜けない!」と決める。まさに名実況ですよ。

三宅:本人的にはもう必死だったから「そんなことしゃべったっけ?」って感じでしたけどね(笑)。

軽部: ははは(笑)。

三宅:F1ではその後、1994年のサンマリノGPでセナがレース中に事故で亡くなったときにも実況担当を務めましたが、あれも衝撃的でした。

そして翌年の1995年のバレーボールW杯に合わせてV6がデビューし、バレーボール中継が大きく変わりました。実況も今までとは変わった方がいい、“絶叫アナウンサー”を作ろう、ということになり、僕が「絶叫アナ3号」(※1号=テレビ新広島・神田康秋アナ、2号=テレビ静岡・鈴木敏弘アナ)として実況することになったんです。

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おかげさまで実況チーフを務めさせていただいたK-1も、当時は「ヘビー級のキックボクシングなんて誰が見るんだ」と言われていたけど、東京ドームで大会を開催し、視聴率も20%取るものすごい人気スポーツになっていきましたよね。

そういう意味では、アナウンサーとしてどんどん仕事の幅が広がり、量も増え、目まぐるしく、あっという間の10年でした。

――まさにスポーツ漬けの30代であったと。

三宅:どっぷりでしたねー。

軽部アナ、トム・クルーズ、マライア・キャリーらとの仰天エピソード

――軽部アナの30代はどうでしたか?

軽部: 僕の場合は30代だけでなく、40代、50代と人生の半分を『めざましテレビ』とともに過ごしてきましたので、30代は番組がどんどん成長し、定着していく時期と重なります。振り返ってみると、大物ハリウッドスターに会いまくってました。三宅は海外に行ってたけど、僕は海外から来るスターをお迎えしてました(笑)。

――確かに、軽部アナがスターにインタビューしている姿を毎朝のように見ていた記憶があります。

軽部: 今と違って俳優やアーティストが続々と来日していた時代でしたし、エンタメコーナーを確立していくためにも、どんどん会って、どんどん特集にしていこうという方針でした。そこで同い年のトム・クルーズとの出会いがあるわけです。

あれは「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」という、彼にとって異色作とも言える映画のプロモーションで来日した1994年でした。挨拶のとき、トムの手を握る力がものすごく強くて驚いたのを今でも覚えてます。“絆”を感じさせる力具合というか。あれより強い握手は、GACKTさんしか知りません(笑)。

トム・クルーズに軽部真一アナがインタビュー「Do you remember me?」

――ほかに印象的だったスターはいますか?

軽部: マライア・キャリーも忘れられないですね。1998年に来日したとき、インタビュー中に「日本で犬を飼いたい」という話になって、僕も「いいんじゃないですか」って軽く答えたんですよ。「でも、私が(アメリカに)帰ったら一緒にいられなくなるから、あなたに預けてもいい?」という話になって。「いいですよ」と気楽に応じたら「本当?」って聞くものだから「日本には『武士に二言はない』という言葉があるので大丈夫です」と。

――なんだか危険な方向に進んでいる気がします(笑)。

軽部: そしたらインタビュー後、レコード会社の担当者から「マライアが今から犬を買いに行きます」って言われて「ウソだろう?」となって(笑)。慌てて支度して、青山ケンネルにリムジンを横づけして犬を買うマライアの姿を『めざましテレビ』で独占取材し、彼女はそこで買ったシーズー犬2匹を「ビン」と「ボン」と名づけたんです。最終的には、東京ドーム公演にも連れて出演してました。

ただ、そうしているうちに帰国が近づいてきて、どうしようどうしようと思っていたら、マライアが「情が移ったから2匹を連れて帰る」と言って、事なきを得たという(笑)。

それから10年後、マライアが僕のインタビューなら取材を受けるというので、ニューヨークの自宅にまで向かい、彼女が友人に預けていたビンとボンと無事再会したのも良い思い出です。

まだまだ止まらない二人の対談は後編へ。さらに、貴重な話が飛び出します。

【後編】三宅正治アナ『めざましテレビ』メインキャスター依頼を受け、軽部真一アナと「二人だけで話をした」

『めざましテレビ』公式HP:https://www.fujitv.co.jp/meza/

取材・文:中村裕一

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