菜々緒さん主演、鈴木伸之さんが出演する木曜劇場『忍者に結婚は難しい』の、セット&デザインのこだわりを紹介します。
今回は、美術デザイナーのインタビューを掲載。
本作は、現代に生き永らえる“忍者の末裔(まつえい)”というコミカルな世界観の中で、主人公の夫婦が表と裏の顔の二面性を持ち併せて織り成す忍者×夫婦ラブコメディです。
<隠し扉の奥には“忍びアイテム”がズラリ!『忍者に結婚は難しい』セットの秘密>
この記事は、フジテレビジュツのヒミツから引用し、構成したものです。
『忍者に結婚は難しい』の美術スタッフ
デザイナー:飯塚洋行
美術プロデュース:吉田敬
アートコーディネーター:渡邊康典
大道具:内海靖之
大道具操作:廣瀬隆宏
建具:岸久雄
装飾:西村徹
持道具:アライリエコ
衣裳:池ノ上菜々
ヘアメイク:宮沢愛海
視覚効果:川上勝大
電飾:寺田豊
アクリル装飾:池澤明徳
小道具印刷:石橋誉礼
植木装飾:後藤健
生花装飾:牧島美恵
フードコーディネーター:山﨑千裕
(敬称略)
<デザインのヒミツ『忍者に結婚は難しい』編>
――今回の美術セットをデザインするにあたってこだわったポイントは?
飯塚洋行(以下、同):
蛍(菜々緒)、悟郎(鈴木)夫婦の家である「草刈家」は、一見普通にリノベーションされた一軒家なのですが、壁や棚など、実はいろいろなところが“忍者仕様”に改造された“カラクリ屋敷”にする必要がありました。
普段の生活空間は、夫婦共通の趣味であるアウトドアのテイストを散りばめた、ちょっとオシャレなインテリアなのに対して、カラクリ部分は忍者感を全面に押し出したデザインを考えて、ギャップ萌えを意識しています(笑)。
特に、カラクリ仕掛けをいかに面白くセットの中に忍ばせるかということにはこだわっていたので、監督にもいろいろ提案しながらブラッシュアップしていきました。
また、家の中でのアクションシーンがあるので、立ち回りしやすいスペースを、バランスを取りながら考えた空間になっています。
――忍者居酒屋「NINNIN」のデザインについて、演出からの要望などはありましたか?
「現代忍者をネオンで象徴したい」とのテーマがあり、そこからイメージを膨らませていった感じです。
忍者をカジュアルに再解釈したお店なので、あえて日本以外のアジア多国籍な要素を盛り込んで、外国人がイメージするような、ちょっと変なネオジャパネスクを目指しました。
ネオンサインのデザインが空間のイメージを左右するので、ロゴデザイン含め、かなりこだわりました。また、装飾模様などにもいろいろなバリエーションをもたせることで、アジア多国籍な匂いを出しました。メニュー表が巻物になっているなど、細かい部分までこだわっています。
あと、「NINNIN」のネオンサインは、色を変化させられるようにリアルなネオンでなく、チューブ状のLEDで作っているのですが、柔らかくてなかなか狙い通りの形にならず、試行錯誤を繰り返しました。
――蛍の父・竜兵(古田新太)の家は、どういうイメージでデザインしましたか?
「竜兵のアパート」は、世を忍んで古いアパートに住んでいるけれども、部屋の中をよく見ると忍者の要素があふれ出ちゃっている感じを、忍びの紋や小道具などで表現しました。
とにかく積み重なった生活感と経年変化による“汚し”にこだわっています。竜兵は、屋根裏から登場することもあるので、屋根裏に行くためのセット裏の導線も考えてプランニングしました。
――美術として視聴者に見てもらいたいところは?
「現代忍者が本当にいたら、こんな感じなのかな」と、妄想を膨らませながらデザインを進めました。
そんな妄想の楽しさを、美術の中に詰め込んでいますので、画面から感じ取っていただけたらうれしいです!
(2023年2月)

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