のん 東日本大震災から12年の思い「“第二の故郷”東北と一緒に歩んでいる」 #知り続ける

全ての画像を見る

俳優で創作あーちすとの、のんさんが3月9日、「ふくしま12市町村 移住PRイベント」に出席しました。

今年で、東日本大震災からまもなく12年。岩手県久慈市を舞台にした、連続テレビ小説『あまちゃん』（NHK／2013年）でヒロインを演じたのんさん。

「私は東北に行くたびに、いいところだと感じるんです。景色や接する人、すべてが温かいんです」と目を細めました。

＜【写真13枚】この記事の写真を見る（アザーカット）あり＞

福島イノベーション・コースト構想推進機構が運営する「ふくしま12市町村移住支援センター」は、福島第一原子力発電所の事故により避難指示等の対象となった「ふくしま12市町村」の現状と移住の魅力をPRするため、のんさんのYouTubeチャンネルとコラボした動画を制作。

「ふくしま12市町村移住支援センター」は、現在帰還が可能になっている12市町村への移住・定住を促進するための活動を行っています。

藤沢烈センター長は、「移住者が徐々に増えてきております。一昨年は、200人ちょっとの数でしたが、昨年は、436人326世帯が移住されました。そうした中で、新しく12市町村で仕事を起こす方も増えてきています。今回は、（コラボをした）動画の中でも、のんさんに現地に足を運んでいただき、移住した方と交流していただきました」と伝えました。

＜福島第一原発10キロ圏内で聞いた。「いま楽しいことは何ですか？」＞

のんさんは、撮影を振り返り「ふくしま12市町村へ行き、『自分のやりたいことが見つかったり、自分の夢を実現させられた』というお話を聞けて、『夢を実現する準備ができる場所なんだ』と思いました」とコメント。

印象深かったエピソードを「ご飯がめちゃくちゃおいしかった」と語るのんさん。

レストランを営んでいる夫妻に会った際に、「お2人が作ってくれた朝ごはんやお昼ごはんを食べたんですが、本当に幸せな食事で、今年に入って一番おいしかったです。胸がいっぱいになりました」とほほ笑みました。

「ふくしま12市町村の魅力をひと言で表すなら？」と聞かれると、「好きを包んでくれる」と回答。

「その土地の人たちも優しくて、ダメなことはダメと教えてくれる。それは、（人を）拒否しているわけではなくて、一緒に生きようとしてくれる優しさだと思います。好きなことをするためや、探すために、移住した人の『好きを包んでくれる』ような包容力のある場所だと感じました」と説明しました。

また、「ふくしま12市町村でチャレンジしたいこと」を聞かれると、「街に溶け込むリボンアート」と答えました。

「私は、創作あーちすととしても活動していまして、いろんな地域でリボンアートをつくったり、展覧会をしています。ふくしま12市町村の街の中に溶け込んで、リボンのアートが点在している…ということをやってみたいと思いました」と語りました。

イベント終了後、記者からの質問に答えたのんさん。

「普段と違うコミュニティーに入るための工夫」を聞かれると、「（コミュニケーションは）私にとって一生悩み続ける問題だと思います。私が最近気づいたのは、礼儀を重んじて相手をリスペクトする気持ちを持ちながらも、『自分がどうあるか』ということを決めて、そこを一直線に頑張っていくことをやっています」と明かしました。

また、「私は、気持ちがあふれてしまうほうなんです。舞い上がってしまうと、100％の感情で『わーっ！』といってしまうんです。でも、そうではなくて、相手を見ながら接することを大事にしています」とコメント。

「東日本大震災から12年が経った、自分自身の変化」について、「『のん』になってから、自分が作ったものを発表していくことを続けています。自分自身の感情や思いを、メッセージとして伝えていくことが、重要なんだと気づいたんです。なので、自分がどう感じたかを大事に話すようになりました」と答えました。

最後に、のんさんは「東北は私にとって第二の故郷のように思っています。『のん』になってから、東北に行くと、温かく迎えてもらえるし、『のんちゃん』と呼んでもらえる。それがすごくうれしい。東北と一緒に歩んでいると感じています。東北を応援する気持ちもありますが、逆に元気をもらっているんです。東北と一緒に歩んでいけたらすごくうれしいです」と締めくくりました。