＜試写室＞『テイオーの長い休日』は画一的なキャラたちが、“実は”一面的ではないからこそ味わい深い人間ドラマ！

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前回“第2章”を迎えたので、一旦ここまでのあらすじを簡単に…

・主人公は2サスの“テイオー”だが1年以上仕事がない“長い休日”を過ごしている熱護（船越英一郎）

・このドラマは、そんな熱護が、“2サス”ノウハウ（＝主にコスプレ）を駆使して人々を救い自らも再起していく、笑って泣けるヒューマンドラマ

・つまり熱護、“長い休日”の最中でありながらさして焦りはなし

・なぜなら熱護は“いい作品”に出たい！何より“いい作品”を一緒に作り上げたい！…その一心だから

・だもんで熱護、プライドは高いけれど“いい作品”のためであれば至極真っ当

・とはいえそんな熱護の“長い休日”を打破すべく、マネジャーに就任したのがゆかり（戸田菜穂）

・ゆかりは元“大手事務所”の敏腕マネジャー

・けれど、ある“策略”にハマり引退した過去を持つ

・ちなみにゆかりはシングルマザーだが、一家（二男一女）は熱護の方針により全員で熱護家に同居中

・熱護が“長い休日”の間、付き人で事務所の後輩である若手俳優・匠くん（今井悠貴）の注目度が急上昇

・そんなこんなで匠くん、“大手事務所”に引き抜かれる

・その“大手事務所”とは、ゆかりがかつて所属していた事務所

・でもって匠くん、引き抜かれた暁に、友人でもある人気俳優・伊集院（白石隼也）が主演する超大作映画に出演決定（しかもW主演 ）！

・だけど、それを手引きしたのは、ゆかりを“策略”にハメた“大手事務所”取締役・寿（前川泰之）

・怪しい…怪しすぎる…絶対なんかある！なんかあるに決まってる！！さて、一体どうなる！？一体どうする熱護！？！？←第5話

というわけで、結局あらすじが簡単じゃなかったわけですが、つまりは今作、船越＝熱護による毎回趣向凝らしまくりな“2サス”キャラコスプレショーによって爆笑＆ドラマティックを演出して抱腹絶倒？かと思いきや、徐々に涙も誘ってきてる？なテイストも織り交ぜつつ、前回から急に、連続ドラマとしての面白さ（＝続きが気になる楽しさ）まで発揮し始めた、ドラマのおいしいとこ全部盛り！盛り盛り大エンターテインメントドラマ、ですッ！！（意味わからん！）

で、このドラマのいいところは、仕事がない“テイオー”（熱護）＝嫌味でわがままなんでしょ？…実は俳優という職業にどこまでも真摯（しんし）。元マネジャー（ゆかり）＝仕事ができないことによるドタバタを描くんでしょ？…実は敏腕ですこぶる仕事ができる。ゆかり一家との同居＝その要素いる？…実は家族を知らない（“父親役”を経験したことがない）熱護との交流（役作り）も描く。

売れない俳優・匠くんの存在＝どうせただのモブ（脇）でしょ？（ひどい！）…実は熱護との師弟関係を濃密に描く。人気俳優・伊集院の存在＝これこそただのモブでしょ？（ホントにひどい！）…実はすごくいいヤツで売れっ子でありながら嫌味がなく、匠くんと本気で一緒に仕事がしたいと思っている。

…と、どの登場人物も、こっち側の予想（僕の勝手な偏見ともいう）をいい意味で裏切ってくれて、そのどれにも “実は…”が隠れているというノンストレス。しかも、一見、画一的なキャラたちに見えるんだけど、“実は”一面的ではないからこそ、味わい深い人間ドラマ、として楽しめるのです。

とはいえ、とはいえ、なんですよ。そうはいっても、こと寿だけは、なんだか嫌な予感しかしなかったんですよね。登場時から嫌なキャラオーラがぷんぷん漂ってたし、実際に回を追うごとに嫌なキャラはエスカレートしていったし（“ゴシップ”記者雇って、自社トップの不祥事をリークさせるとかさ…）、前回ゆかりを追いやった理由も判明されるやいなや（パワハラ誇張でっちあげだし…）、もうただただ嫌なキャラでしかない、“実は…”の隙間がない…嫌なキャラ確定じゃないか…。

だからこそ、第二章！つって始まった、匠くんの移籍話と超大作映画のお話が、どうせ嫌な感じの話に仕上がりそう…そのせいで、これまでの楽しかった思い出、その積み重ねが壊れてしまいそう…がっかり…と思ってた…んだけど…。

うん、マジで、ホントに、マジで、『テイオーの長い休日』クリエイターチーム、マジで舐めんなよ！！！！な仕上がり！！（うん、舐めてたの僕だけ）

まさか、いろんな意味で“嫌な予感”しかしなかった物語の発端から、こんなにも美しい“実は…”が待っているだなんて！！いや、だけど、きっと、“嫌な予感”をしてたのは、僕だけじゃない！はず！！だからこそ、絶対に、誰が見ても予想を華麗に裏切る、絶対にいい意味で裏切る展開になっていますので、今のうちに“嫌な予感”を溜めに溜めて、第6話にのぞみましょう！！

で、余談ですが、僕、このドラマのタイトルが“長い休日”ってのを見たとき、フジテレビ×月9の超名作『ロングバケーション』を思い出したんです（安直）。『ロングバケーション』っていうタイトルの意味は、“何をやってもうまくいかないときは神様がくれた「長い休暇」だと思って、自然に身を委ねる”（みたいな感じ）なんですよ。

だから、僕は、この『テイオーの長い休日』を見てて、誰も共感してくれないかもだけど、船越版“ロンバケ”と思ってたんですが（呼び捨てすな！申し訳ございません！）、この第6話はまさに『長い休日』＝『ロングバケーション』というタイトルにふさわしい！ロンバケの意味通りの、美しいお話！！

あぁ、だから、船越は熱護であり、瀬名（ロンバケの主人公）でもあるわけだから、僕はこんなにも毎回、船越＝熱護＝瀬名＝“かっこいい”ってため息ついてたんだな…。そうだ！そうなんだ！このドラマは、船越版ロンバケなんだ！！！だから名作に違いないんだ！！！（＝とにかく、第6話も必見！！）