──映像化するうえで、一番大事にしたことは何ですか?
ドラマでも映画でも同じなのですが…『ミステリと言う勿れ』は、整くんの言葉があって、整くんの言葉によってみんなの心が動いていく物語なので、そこは絶対にブレてはいけないと思い、意識しました。
──連続ドラマの撮影から映画の制作まで約2年あったとのことですが、松山監督から見て菅田さんに変化はありましたか?
役者として、ということで言うと…僕の個人的な意見ですが、ドラマのときから菅田さんが作る整は完全に出来上がっていましたし、まったく変わらない印象でした。何よりも、『ミステリと言う勿れ』は菅田さんあっての作品。菅田さんに助けてもらっているところが大いにあります。
──菅田さんが作る整の魅力は?
“言葉”が届くことですね。テレビって、休みながら、お茶碗を洗いながら、ご飯を食べながら見るもので、皆さん集中して見てくれるわけではないですよね。だから「それでも分かるものを作る」ということが、テレビのセオリーなんです。
そういうテレビという媒体のなかで、菅田さんがしゃべる言葉は見ている人に届く。それは菅田さんの言葉の強さでもありますし、菅田さんが発することによって言葉に意味が生まれて“言葉”に魂が宿るということだと思っていて。それが菅田さんの作った整の魅力なのかな、と。
今回の映画でも、映画館という閉ざされた空間の中で整の言葉と向き合ったときに、より届くものになっていると思います。
菅田将暉とともに挑んだ映画『ミステリと言う勿れ』の現場で起きた“奇跡”
──“広島編”には、狩集家のメンバーとして多くの新キャストが出演しています。今作のヒロインを演じる原菜乃華さんはオーディションで決まったそうですが、決め手を聞かせてください。
原さんが演じた狩集汐路は、今作の肝だと思っていて。そのため、とても多くの方とお会いして、結果、原さんにオファーしました。
今回、一番表現しなければいけないところは、汐路の一見明るく立ち振る舞ってるけれども、実はその奥底に傷を抱えているという二面性。いわゆる光と影のような二面性って、どちらかは表現できても、両方が内在したお芝居をちゃんとできる方はなかなかいなくて。
オーディションで見ていくなかで、彼女ならそこをちゃんと表現できるだろうということが、一番の決め手ですね。
完成した映画を見ても、素晴らしく演じてくださったと思います。
──漫画で描かれていた汐路のぴょこぴょことした歩き方も表現されていて、印象的でした。
そこは僕の演出ではないですね(笑)。彼女が意識してやってくれました。
──広島や岡山で行われたというロケで印象的だったことはありますか?
広島でのクランクインが美術館だったのですが、雪が降っていて。朝の1時間しか借りられれない場所だったので、とにかく撮影をしなければいけなくて、でも思ったよりも雪が降っていたために撮りこぼしてしまったんです。
スケジュール的には、広島で撮って、岡山で撮って、東京に戻ってセットなどで撮影をして、最後にまた広島で撮るという感じで。クランクインで撮りこぼしたシーンを撮るため、我々は偽物の雪を降らす覚悟で最後にまた広島へ行きました。「道路まで雪を降らせると凍って事故が起きる可能性もあるし、どうしようか」という話までして。
そして、2度目の広島に行ったら、雪が降ったんです(笑)。広島でのファーストシーンにはクランクインとクランクアップに近い時期の画が混在していますが、むしろクランクインのほうにCGで雪を足すくらい2度目の広島には雪が降っていて。
奇跡でした。映画の神様が見てくれていたのかな、と思いましたね。
──最後に、気が早いですが、続編を作る予定はありますか?
続きは作りたいですよね。作りたいとは思っていますが…という感じです(笑)。整くんと(犬堂)我路くん(永山瑛太)との話もそうですし、物語のキーとして出てきている星座もまだ揃っていないですし。
次がドラマなのか、映画なのかは分からないですけど、まだまだこの物語を紡いでいけたらと思っています。
撮影:河井彩美
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