網浜直子さんが仕事復帰の裏側や今後の希望を明かしました。

先日(2023年9月18日)放送された『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ)で夫婦の現状を赤裸々に告白し、話題になった網浜さん。

インタビュー前編では番組出演後の反響や17年ぶりの女優復帰、そして、初めて挑む舞台への期待や不安を語りました。

後編では、トップアイドルグループの相手役を務めた芸能界デビューを回想。さらに、“大きな決断”を控えると感じる今の心境、これからの生き方についての覚悟を語りました。

網浜さんがロングインタビューに答えるのは、復帰後初のこととなります(前・後編の後編)。

<網浜直子 インタビュー【後編】>

――網浜さんのデビューは、1985年のシブがき隊主演映画「バローギャングBC」でした。ヒロインを決める「ミス・セブンティーンコンテスト」に歴代最高の応募があったことなど、当時の大きなニュースになりました。

懐かしいですね。オーディションを受けたのが15歳、映画が公開されたのは16歳でした。あのオーディションはすごかったですよね。シブがき隊さんが主演ということでファンの皆さんを含め、18万人という方が応募し、そこから2人がグランプリ(網浜さんと、松本典子さん)に選ばれました。

グランプリの私より、他の賞を獲ったみんなのほうがその後、大出世して。国生さゆりちゃん、渡辺美里さん、工藤静香ちゃんなどすごい人ばかりです。

作品を思い返すと、顔から火が出そうなぐらい恥ずかしいです(苦笑)。演技の経験もありませんでしたし、関西出身の私が、「○○じゃん」なんて横浜の言葉を使うのも照れくさくて。あまりにも苦労が多かったからか、当時の記憶がほとんどないんですよ。

――「ミス・セブンティーン」は今も続くものですから、長い歴史ですよね。

ここ数年のミス・セブンティーンっていうと、広瀬すずちゃんなどがいますよね。息子たちが、すずちゃんのことを好きなので、「すずちゃんはオーディションの後輩なのよ」なんて、マウントをとったりしています(笑)。

趣味=仕事から、趣味=子育てに変化し…

――出産を機に仕事をセーブしましたが、仕事を再開したいという願望はあったのでしょうか?

ありました。だけど、子育てが終わったからといってすぐに復帰できるものではなく、ブランクが空けば空くほど、自分の居場所がなくなっていくシビアな世界。

復帰は難しいと思い、芸能以外のお仕事も考えたんです。だけど、私は学歴もないし、夜のお仕事だと、この年齢で毎日、お酒を飲むのはきついなぁって。

以前の私は、1週間とか休みがあると何をしていいかわからない仕事人間で、趣味=仕事といっても過言ではないぐらい、仕事が大好きでした。その後は、子育てが趣味になり、その子育てを終え、ドラマを見ていても「この女優さんのこのお芝居が素敵だな」と、作品を楽しむより、どうしても演者側の目線で見てしまっていたんです。

今回、久しぶりに仕事の現場に戻って、「やっぱりこの仕事で生涯を終えたい。また、0から始め、キャリアを積み重ねて、ちゃんとごはんが食べられる人になるためにリスタートしてもいいのかな」と思えたんですよ。

自分の心を置き去りにし、子どものことだけに必死だった20年

――『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ)では涙を流す場面もありましたが、星ひとみさんの言葉で特に響いたのはどんなものでしたか?

「頑張り過ぎちゃってます」という言葉には、思わずウルッときましたね。夫婦関係ってお互いを支え合うことが一番大事なのに、気づいたら私はそこから外れて、お友だちやまわりの人たちにたくさん助けてもらっていた。

だけど、その人たちは家族ではないから、すべて頼りきるわけにはいかず、1人で頑張っていたのかもしれないって自分でも思っていたふしがあったんです。この20年間、自分のことは二の次、三の次で、子どものことだけを必死にやってきた。

自分がやりたいことや将来のビジョンなんて考えたこともなく、すべて置き去りにしていたんです。そこを星さんにズバッと指摘されたものだから、「そうか、私は自分をもっと大事にしてあげなゃいけなかったんだな」って、刺さりましたね。

――「58歳でモテ期が到来する」と言われ、うれしそうにしていましたね。

つい浮足立ったところをお見せしてしまって、恥ずかしいです(笑)。どういうモテ方をするのかわからないけれど、星さんの言葉を信じて、女性としてまだまだ幸せを夢見ていいのかなって思えたんですよ。イイちゃん(親友の飯島直子さん)も現在、独身ですし、「お互い、人生を謳歌しようよ」って。同年代の皆さんの希望を共有したいと思いました。

――仕事のモテ期という可能性もあります。

それも自分次第なので、これからは迷うことなく、どんどんチャレンジしてきたいです。今回、初めて舞台に立つので「どうしよう」と動揺していたんですけど、イイちゃんが「アミちゃん、チャレンジしていこう!私たちの年齢はおそれることはない。何やったって怖くないよ」と励ましてくれて。

子育てに没頭できた時間は宝物になったけれど、仕事も子育ても並行してやっていればよかったと後悔する気持ちもどこかにあった。だけど、これからは後悔しないような生き方をしたいし、何事も「やる」という選択をしたいなって。チャレンジを続けていれば、そこから何かにつながっていくだろうから、今後が楽しみです。

――さらに、「2024年は何かを手放す年」という“予言”もありました。

「手放す」というより、自分から離れていかなければいけないのかな。子どもたちのこともそうですし、配偶者に対しても、テレビで発言したように、ずっと“心ここにあらず”的な関係性できたので、自分にとって、相手にとって、家族にとってのいい形を考えていければよいと思います。

そろそろ何かを変える年になるかもしれないという予感はありましたが、星さんから来年と告げられて、「来年!?」って。生活のことを考えると、なかなか踏ん切りがつかないんですけど、そんなときはいつもイイちゃんが「大丈夫!アミちゃんには私がいるから」と言ってくれるんです(笑)。

もしかしたら、私はプライベートも含めて、イイちゃんにプロデュースされているのかもしれません。大きな決断をしなければいけないかもしれない今、いろいろ思うところもありますが、友だちや信頼できるスタッフがいるから、そんなに怖くはないかな。

自分にとっての一番いい選択をしたい――決断すると私は何事も早いタイプなので、“必死のパッチ”で頑張りたいと思います。

撮影:河井彩美