いやー、すごいもん見た!!
これまで、いくつになったって成長できる!四十(シジュー)になったって成長できる!!ってのを描いてきて、その時点ですでにもう、新鮮…っていうか、これまでにない勇気と希望、もらってきたっていうのに、今回はそれどころじゃない!八十(ハチジュー)でも成長できる!!そんなお話…。
って、え!?くじらママ(草笛光子)、八十なの!?原稿に最初「七十(ナナジュー)でも成長できる!!」って、あまり疑問を持たずに書いちゃったんだけど、いやいや、もし間違ってたらいけない…調べなきゃ…って、ググったら…草笛さんのインタビュー「私は最高齢の80代です」…って、えーーー!?!?!嘘だろ!?っていうか、草笛さんの実年齢も!!嘘だろ!?!?いや、うん、確かに、第1話で、年齢のこと、触れてた気は…、する…けど、なわけねー!!!って今更なっちゃうほどの、草笛さん演じるくじらママのパワフル&ビューティっぷりよ!!いやー、そいだら、それも相まって、とんでもなくすごい!!だって、だって、いくつになったって、それが八十になったって、成長できるんですよ?それはいくつになったって、伸びしろはあるし、それを伸ばす余力だってまだまだある!ってことじゃないですか。どんだけ未来への勇気、生きる希望、もらえんのよ…。はぁ~(感嘆の溜息)、すごい!!
って、そうです。ついつい、自分のノリツッコミで先にネタばらしになっちゃいましたが、今回、まさか、四十の新(池脇千鶴)じゃなく、六十、七十のナマコさん(久本雅美)、エリーさん(中田喜子)、ひなぎくさん(草村礼子)でもなく、まさか、それ以上の人…、前回、落ちまくってたスミレちゃん(江口のりこ)を、自らの歴史と共に、大いなる説得力でもって励ましてくれて、それがもう、素敵なのなんのって、涙腺崩壊さしてくれた…、あの!くじらママが!!成長するのです!!!とんでもないドラマだと思いませんか?
またね、その見せ方が素晴らしいんですよ。前回のラスト、あまりの衝撃に腰抜かした、くじらママが倒れた!!トゥービーコンティニュー!!!一体どうなんねん!?で迎えた今回が、まさかこんなコミカル展開になるとはね…。ファーストシーン、昼ドラ時代から受け継がれた、東海テレビ伝統の“雷音”(詳細はこちら→https://www.fujitv-view.jp/article/post-15252/)から始まったもんだから、『その女、ジルバ』~今夜は眠らせないVer.~かよ、今回、やべぇな…って、身構えちゃったけど、そんな僕の無駄な邪念、ホント無駄だよね。その雷音は後半に明かされるくじらママの“誰にも言えなかった過去”を暗示するもの…。
で、序盤はくじらママの、うちのおばあちゃん…みたいな“親近感と頑固さ”、10代の女の子にも負けない“乙女心”、血気盛んな頃の“闘争心”、大人女性の“気高さ”…などなど、さまざまな表情をコミカルな展開と共に見せてくれます。だけどそれは、コミカルな味付けがされてはいるんだけど、決して憧れの…ってだけじゃない、弱い部分もちゃんとある…弱い部分をちゃんと“誰かには”見せられる女性…ってことをしっかり描いていて、おかしくって、笑えるんだけど、グッと心に沁みて来るんですよね…。
加えて、今回再び登場する暴走列車のチーママ(中尾ミエ)との関係性がまたいいの。ベタベタし過ぎず、冷たすぎず、好きでも嫌いでもない、だけど信頼はしてる…っていう感じ?そして、そんな描写を経て、今まで以上に、くじらママに魅かれていくのです…。で、そんなコミカルな味付けがなされた前半から一変、くじらママの“誰にも言えなかった過去”…へ、突入するんですが、それがもう…、言葉も出ない…、圧巻のシーン。ネタバレになっちゃうから言えないってのもあるけど、あのシーンを見て、僕がどうこう言える、そんな人間、人生、まだまだ送ってないですよ…。はぁ~(言葉も出ない溜息)。
だけどそこで、見えてくるのは、新がくじらママに出会えたことで人生が変わった…ってのはもちろんのこと、くじらママも新と出会えたことで、八十だけど、人生変わった…ってことなんです。そう思うと、それがもう、なんていうか、ジルバとくじらママとの関係までさかのぼる、壮大なものにも思えてきて、またしても言葉を失ってしまうのです…。そいでまた、それを経ての、ラストシーンがすごいのなんの。「くじらママ全快、おめでとう~!」ってシーンの、その登場した瞬間の、くじらママのお姿!!それがもう、なんていうか、これまで以上の美しさと存在感を放ってて、照明以上の照明、ボディから放たれてるんすよ!!そして、それは、今回の、くじらママが“成長した”っていうのを、立ち姿だけで、見事に体現してる!!ってことなんです…。ああ、もう、だから、その瞬間のくじらママ…を演じる草笛光子さん…、圧巻しかない!
“成長”という、容易には表現できないものを、視聴者へわかるように、かつ圧倒的に表現してしまうんだからね…。こんな至高のシーン、なかなか見られないですよ。ああ、すげぇもん見ちゃった…ってなること間違いなしです。
で、も一個、今週、とんでもないもの目撃した…といえば、スケールは違うけど、スミレちゃんと石動さん(水澤紳吾)の新婚カップルですよ…(いいんだよね?籍入れたんだよね?よくわからない心配…)。あの二人の、“ネットリ”とした…“ネットリ”とした…(2回言う)、ラブ描写…乞うご期待!!数秒のシーンだし、おそらく台本にもあそこまでのことは書いてないだろうに、ネットリとした…(3回目)。思い出しただけで笑っちゃうよ!!
っというわけで(?)、なんと来週、最終回!!!予告の雰囲気からして、いろいろありそうだし、来週で終われんのかよ!?っていうくらいてんこ盛りっぽい…なんだけど、この作品には、もう、信頼感しかない!!そして、もう最終回なんだな…はぁ~(哀しみの溜息)。
text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)