見る人たちに深読みさせる物語が描ける…それが坂元マジック
──脚本を読んだ感想と、坂元脚本の魅力を教えてください。
最初に読んだ時は、旦那さんたちのキャスティングもうかがっていたので、もう想像してニヤニヤしながら読みました。鹿太郎さん(角田)のしゃべりすぎてしまう感じとか、慎森(岡田)の性格が悪い感じとか、(松田)龍平くんの第一声とか。きっとおもしろいんだろうなと思いながら読みました。
坂元さんは、会話劇がおもしろいのはもちろん、見ている人たちに深読みをさせる物語が描ける人。私たち俳優は、ただ必死にしゃべったり、演じたりするだけですけど、それが放送されると思わぬ反響が返ってきて、ビックリさせられるんです。
今回の脚本も本当におもしろくて、スゴイ人だなと改めて思いました。私としては、ひたすら台本に書かれていることを忠実にやっています。
──演じる大豆田とわ子は、どんな魅力を持っている女性ですか?
とわ子は、とにかく真剣に生きているんです。3回結婚して、3回離婚していますが、今も元夫たちと関わり合いが続いているというのは、彼女が“許せる人”だからだと思うんです。「人生、失敗しても、間違ってもいいんだ」ということを、夫たちに教えてもらったのかもしれませんね。だから、受け入れられる人なのかなと思います。
心の底では怒っているけれど、彼らをシャットアウトして自分の世界だけに生きるのではなくて、関わっては、「やっぱりダメ」、また関わっては、「やっぱり無理だ」、それでも関わってしまって、「ほらこうなるじゃん」、みたいな(笑)。とわ子は、人と関わる時に、とりあえず自分も共犯者になれる人でもあるんです。
それがいいか悪いかはわかりませんが、許していないとなかなか元夫たちと会話したり、家に入れられないと思います。相手を許したり、共犯者になったりするのは勇気のいることだと思うので、ドラマを見てくださった方が元気になってくれればいいなと思います。
──松さんととわ子は、似ているところはありますか?
とわ子が数学のドリルを無心で解くシーンがあるのですが、私は英語の問題集を買って、時々やることがあります。時々、問題集を無心にやりたくなるのは似ているかも。
あとは、いっぺんにいろいろとやろうとして、自滅するところとか。そういう要領がいいんだか悪いんだかわからないところが、まったく違和感なくできます(笑)。