一時の癒しをもたらすような麗しい男子を紹介する「眼福♡男子」Vol.56は、現在放送中のフジテレビ系・オトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』第5話にゲスト出演する平田雄也(ひらた・ゆうや)が登場。

『最高のオバハン 中島ハルコ』で平田が演じるのは、ハルコ(大地真央)が院長を務める美容クリニックに税務調査に行く国税調査官・中村。クリニックの情報を入手するため、ハルコの従妹・聖子(高橋ひとみ)に近づき、付き合っているかのように甘えながら調査に入るという役どころだ。

『最高のオバハン 中島ハルコ』の平田雄也出演情報はこちら!

平田は、2013年に「ミスター中央大学」に選出され、その後芸能界入りし、2015年~19年まで出演した『ZIP!』(日本テレビ)、2018年放送の『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(テレビ東京)の湊カツミ=ウルトラマンロッソ役で一気に知名度を上げた。

181cmの高身長と爽やかなルックスが印象的で、物腰柔らかな平田に、今回ドラマで演じた役、そして俳優業への思い、また、今年28歳を迎える心境などについて聞いた。

<お仕事編>のフォトギャラリー28枚を見る

――まず、『最高のオバハン 中島ハルコ』の第5話で平田さんが演じられた役どころを教えて下さい。

僕が演じた中村は、国税調査官という一見真面目で堅そうな人に見えるけど、自分が独立した後のために周りの人をだますという、ずる賢い男です。この役を演じていて思ったのは、すごく今風というか「確かに最近こんな感じの人いるな」と思うような、時代を投影したような人だなと感じました。

中村はハルコさんにずっと目をつけられていて、最後の最後でもう逃げられないような弱みをつかまれて集中放火されるんです。その時のハルコさんの服装が「極道の妻」みたいなビシッとした感じで、すごい迫力がありましたね。

――ハルコさんのような年上の女性からズバズバと言われるのはいかがでしたか?

俳優を始めたての時にいろいろなアルバイトをしていましたが、その時も年上の方からそれほどきつく言われるということがなかったので新鮮でした。お芝居でズバズバと言われても嫌な気持ちにはなりませんでした。

――大地さんや高橋さんとの共演はいかがでしたか?

大地さんとの最初のシーンで、ハルコさんはジャージにキャップ、といった装いだったんですけど それがものすごくきれいで! 昔から大地さんの出演されている作品を拝見していたので、そういった服装を着ていらっしゃるイメージがなかったから、「ああいうファッションもかっこよく着こなせるのってすごいな」と思いました。

高橋さんは、一緒のシーンが多かったのでアフリカのケープタウンに旅行された時の話とか、プライベートなお話もたくさんさせていただきました。お二人ともとても優しくてすてきな方です。

――このドラマではハルコさんが悪人をバッサリ斬るのも見どころの一つですが、5話ではどんな感じになっているのでしょうか。

このドラマって、毎回ハルコさんからの説得によって悪い人が更生していくことが多いじゃないですか。ハルコさんがバシッと言うことによって気持ちを改めて、最後はその人たちが街を盛り上げていくみたいな感じが多いと思うんですけど、今回の話で僕(中村)は、これまでの人とはちょっと違う去り方をしているんです。なので、ラストもこれまでの回とは少し違う終わり方になっているんじゃないかと思うので、そこもぜひ楽しみにしていただければと思います。

――視聴者から見ると、平田さんが演じる中村のことを「あの人何なんだろう?」っていう余韻が残るような感じですかね。

そうですね。「こいつ、嫌なヤツだなぁ~」っていう思いは視聴者の方々に残ったままになると思います。でもその分、やりがいはものすごくありました。

――今回のように、国税調査官という真面目でお堅い職務に就きながらも、ひとクセあるような役柄を演じられることも増えてきましたね。

私生活では嫌な人にはなりたくないし、自分でもそういうタイプではないなと思っているので、今回の役もそうですが、芝居の中で人にめちゃくちゃ嫌な事を思いっきり言えるっていうのはこの仕事ならではですよね。

演じる役についていろいろと膨らませて、自分の中に他の人生を作り込んでいく過程はゴールがないし途方もないんですけど、そういう作業も結構好きなので楽しいです。

ヒーロー役を経て、今は悪い役をたくさん演じたい

――今年でデビュー8年目を迎えますが、今までお仕事で壁にぶつかったり、悩んだりしたことはありますか。

それを越えると小さく感じますが、その都度「キツイな」と思う壁や悩みは割とありました。1つの役にしても「もっとこうしなきゃダメだな」とか「ああいう人みたいになりたい」とかそういう小さいものは結構あって、いつもぶち当たっています。

――そういう時はどうやって乗り越えているのでしょうか。

必死に考えて乗り越える場合もありますが、結局100%自分が納得のいくことはできないと思うから、2割3割の割り切りは同時に持っています。自分を納得させる部分がないと体がもたないと思うので。それに、毎回めちゃくちゃ全力で知恵を振り絞ってやっていても、数年後に見た時「なんでできなかったんだろう」とか「もっとこうすれば良かった」みたいな思いは必ずあるんです。

そう思えるということは自分が次の段階に行けているから良いことだとは思うけど、そういうものの積み重ねなのかなぁと思います。

――これからこんな役を演じてみたいという願望はありますか。

ウルトラマンロッソをやってからのここ数年は、悪いことを企んだり人を殺めたりといった「嫌な、悪い役」をやらせてもらうことが増えたんです。これだけ悪い役を続けて演じていると、もっと突き詰めたいなと思うんです。

ヒーローを演じたということを、いい意味で裏切りたいんです。例えば、僕がウルトラマンをやっているのを知らない人が、最近の僕の作品を見たときに「この人めちゃくちゃ嫌な人だな~」と思って過去の作品を調べたら「ヒーローもやっていたんだ」って思ってくれたらうれしいですね。なので、今は悪い役をたくさんやりたいなと思っています。

――ヒーローをやっていたから変なことは出来ないな、という意識はありますか?

年々薄れてはしまいましたが、やっぱり子供に会った瞬間、潜在的に思い出すことはあります。長い期間、ウルトラマンをやっていたのが自分の中に染み込んでいるからだと思うのですが、小さいお子さんが何かやっているのを見ると、心の中で「がんばれ!」って応援したくなっちゃうし「ウルトラマン、見てくれていたのかな」って思ったりして、そういう時は自分でもハッとします。

――ヒーローをやっていたというのはご自身の中ですごく大きいものですよね。

人生一度しかない中で、自分がそのヒーローを演じることができたのは財産ですし、誇らしいことだと思っています。それに、ヒーローという超正当なものがあるからこそ、そこから裏切れるものがあると思うので、純愛ものとかもやってみたいけど、「ヒーロー像」を裏切ることのできるような、ギャップを見せられる役や作品にどんどん挑戦したいです。

「俳優としてやりたいことをやりきれずには辞められない」

――目指す俳優像や憧れの俳優さんはいますか?

好きな俳優さんは何人もいますが、昨年、平泉成さんと共演させていただいた時に、お芝居はもちろんですが、しわがカッコよくて、うらやましいと思ったんです。メイクではどうすることもできないやさしさ、時には悲しさを“年輪”で表現できることもあるのかな、と感じて。その“絶対的な存在感”みたいなものに、「ああ、素敵だな」と思いました。

もちろん、いつまでも若くいたいという気持ちはありますけど、芝居に関してはそうやって醸し出せるものがあるのはうらやましいので、役者としては「加齢、カモン!」 っていう気持ちです(笑)。

――この先もずっと俳優をやっていきたいですか?

僕、デビューしてから1度も俳優への熱量が落ちたことないんですよ。もし万が一、俳優業よりやりたいことが出てきて、それをやりたい気持ちが止まらなくなったらそっちに行くとは思いますが、今は自分の中で何もこの仕事を成していないというか。

「俳優としてやりたいことをやりきれずには辞められない」という気持ちが生まれているんです。僕は趣味もそうですけど、一度ハマるとすごく長い期間ハマるので、他の仕事をしたいと思うことは当分ないと思いますし、今は全力で役者をやる気でいます。

撮影:河井彩美 取材・文:根津香菜子 スタイリング:高橋優理奈

<メイキング動画>