5月15日(土)23時40分より、大地真央主演、オトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』第6話が放送される。
名古屋出身の毒舌スーパーレディ・中島ハルコ(大地真央)が、庶民の菊池いづみ(松本まりか)を舎弟のように扱いながら!?世の悩みや不正を忖度ナシの毒舌でバッサリ斬り倒していく痛快ストーリーに、SNSではシリーズ化を希望する声も挙がっている。
原作は、女性の本音を鋭く描き出すことに定評がある林真理子。その小説「最高のオバハン」シリーズ(※1)は、人気漫画家・東村アキコから熱烈なラブコールを受けてコミック(※2)にもなった。
(※1)「中島ハルコの恋愛相談室」「最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!』(文春文庫刊)
(※2)「ハイパーミディ中島ハルコ」(「ココハナ」集英社)
先日、原作者の林が、ロケ現場を訪問した。その模様をリポートする。
まず林が訪れたのは、額田郡(ぬかたぐん)幸田町(こうたちょう)の「幸田サーキットyrp桐山」。第2話で登場したレースシーンの撮影終了後、大地や松本と挨拶を交わし、レーシングカーの前で記念撮影を行った。
3人の並びに、カメラマンが「すごい豪華!」「先生もいい笑顔です!」と声を上げ、次々シャッターを切っていく。
その後、車で10分ほどの和食屋「花翠(はなすい)」へ。見学2ヵ所目で待っていた真魚(いづみの後輩・高田真央役)と田山涼成(ういろう店「紫風堂」4代目・三島昭宏役)と合流。
大地・松本を含めた4人が“高級料亭で会食しながら、真央(真魚)の東大コンプレックスを聞く”という第3話で登場したシーンを見学した。
林は「大地さんって、フェイスガード越しでもすごい目ヂカラ!顔芸などいっぱい工夫して演じてくださり、ますますドラマが楽しみです」と興奮気味に話し、現場を後にした。
<林真理子 インタビュー>
――ドラマ化されると聞いたときは、どう思いましたか?
本を出すと、割とドラマ化のお話をいただきますが、それが実現するなんていうのは、何十冊に1回あるかないか。この「中島ハルコ」もほかからのお話はあったんですけど、「1年間預からしてくれ」なんてことが多くて…。
そんな中、東海テレビさんが「ウチの局で大地真央さん主演で作りたい」と言ってくださった。「あんなスターが本当に?」みたいな感じで非常にうれしかったんですが、お友達のテレビ関係の人から「大体そういう時は、すごいスターの名前を出すんだよね」と言われて少し不安になったりしたけど、ちゃんと実現させてくださって、東海テレビさんは本当にすごいなと思いましたね。
――ハルコを演じる、大地真央さんの印象は?
二度ほど対談しています。もうすごいゴージャスな美女っていう印象ですね。舞台も宝塚時代を始め、「ローマの休日」や「マイ・フェア・レディ」ほか何度も拝見しております。そういう意味では、長年のファンですね。
あと、ご主人といらっしゃる食事会で、二度ほどお目にかかったことがありますが、とってもお似合いのカップルですよね。そのとき、大地さんのあまりの美しさに「何を召し上がっているんですか?」って聞いたら「イスラエルのハチミツ」と言って、後日それを送ってくださったんです。
しかも、手書きのメッセージまで添えて…あんなスターなのに気遣いがすごいですよね。
それに話題のCMも面白い!大女優の大地さんだからこそのおかしさと、何とも言えない可愛らしさがあって。コメディエンヌの才能もあるし、何やっても綺麗。特に「シェルブールの雨傘」に似せたCMのときなんか「本当に綺麗な方だなぁ」と思いましたね。
――いづみを演じる、松本まりかさんの印象は?
かわいい!最近では、ドラマだけでなくバラエティにもよく出てらっしゃいますよね。さきほど初めてお会いしたときに、松本さんが「こういう役は初めてだ」っておっしゃっていて、割と普通の常識的な女の子の役なので、どんなふうになるのか期待しています。
実は、私がいづみなんですよ。私は、いつも人の後始末や嫌な思いをさせられている“いづみ役”なのに、ネットを見ていたら「中島ハルコは、林真理子の実物だろう」って書かれていて「世間にそう思われているんだ」とすごいショックでしたね。
そんな背景もあって、今回のいづみさん(松本)は、かわいすぎるし、ハルコさん(大地)は、美人すぎるかな。私や編集部がイメージしていたハルコさんは、あんなゴージャスでエレガントな美女じゃなくて、もっと“おばちゃん”って感じだったので(笑)。
――タイトルに「最高のオバハン」とつけた経緯を教えてください。
単行本がそんなに売れなくて、文庫を作る際に編集部の担当が「もうちょっと親しみやすいタイトルに変えたい」と、いくつか案を持って来た中から「これがいい!」と選びました。
だって、すごいインパクトがあっていいじゃない。でも、出版社の営業会議では社内のおじさんたちに「おばさんたちに失礼だ」なんて非難の嵐で大反対されたらしいんですけど「私がいいって言ってんだから、いいわよ!」って、そのまま押し切ってもらったんです。
このタイトルになってから、東村さんがコミック化してくださって、売れ行きも伸びたし、こんなふうにドラマの機会までいただいて、本当に良かったなと思っています。私自身この作品はもっと読まれて欲しいなと思っていたのでね。
――愛知や名古屋の印象はいかがですか?
豊橋は、大学の4年間毎年、吉田の手筒花火(※)を見に行ってたんです。大学のすごい仲良しが豊橋の人で、当時、そのお父様が豊橋の商工会議所の会頭をやっていて、吉田神社の前の大邸宅に来る、何百人という人にビールやお寿司を振る舞うのを見たり、そこから蒲郡へ泳ぎに行ったり、スキーに行ったりしてね。
そうそう、豊橋ってうどんがめちゃくちゃ美味しいんですよ。それに、家まで配達してくれるの、菜飯や田楽と一緒に…そういった思い出もあり、豊橋は私にとってものすごく土地勘があるところだったので、今日(駅を)降りて懐かしく、うれしかったですね。
大人になってからは、秋元康さんが年に1、2回、日本料理「得仙(とくせん)」でのあんこう鍋の会に招いてくれたり、この間なんか「日本で一番うまい天ぷら屋さんへ行こう」と言われて、名古屋駅で集合したり。そんなわけで、名古屋には美味しい物を食べるためだけに年に何回か日帰りで来ていますね。
(※)吉田神社で毎年7月中旬に行われる豊橋祇園祭。手筒花火は、この神社が発祥の地と言われている。
一般社団法人豊橋観光コンベンション協会のサイト
http://honokuni.or.jp/toyohashi/tezutsuhanabi/
http://honokuni.or.jp/toyohashi/festival/
――それでは最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
「最高のオバハン」は、とても楽しく書いた小説。最近の私の小説の中でもすごくコメディタッチで、みなさんから面白いと言われた作品だし、世間から「林真理子は最近、大家ぶっているけど、この作品は真骨頂だろう」なんて言われている作品です。
その昔、ハルコのモデルになった女性には、いろいろなエピソードがありましたが、こんなふうにドラマ化されて、これでちょっと元が取れて良かったかな(笑)。
今は、世の中みんなが明るいもの、楽しいものを求めている時期だと思うので、このドラマはピッタリじゃないかと思っています。
<第6話あらすじ>
「宝石は女の歴史なのよ!」。自宅に泥棒が入り、珍しくボロボロと泣き出すハルコ(大地真央)。
一方、クリニックの事務長・大谷(合田雅吏)は、父・卓(清水紘治)の46歳差の再婚話にうろたえていた。大谷のため、真相を探るべくハルコといづみ(松本まりか)は愛知・蒲郡市へ。卓の恋人・愛菜(結城モエ)の本当の狙いは…。
ハルコの眼力によって、嘘が次々と暴かれる中、外国人窃盗団を追う警察も巻き込んで――。