越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)と室龍太が、5月13日(木)に開催された舞台「ッぱち!」のゲネプロ(公開稽古)&記者からの囲み取材に、脚本・演出家の霧島ロックと共に出席した。

「ッぱち!」は、話題の脚本・演出家の霧島が、大阪の街の片隅を舞台に、世間からちょっとはみ出した人たちが、ほんの少し前に歩き出す物語を、笑って、笑って、ちょっと泣ける感動に仕立てた人情劇。

東京で家具デザイナーの仕事をしている河野裕之(室)は、幼少期を過ごした関西を訪れ、小学校時代の旧友の吉岡雅人(越岡)のもとへ。吉岡の実家は古道具店を営んでいるらしいが、仕入れもせず品物も少なく、何故か現在は開店休業状態。不思議に思ったが多くは突っ込んで聞かない河野。2人は20数年ぶりの再会を喜び…。

全編ほぼ関西弁で紡がれ、関西出身で初共演の越岡と室が織りなすテンポの良い笑いが届けられる。

新型コロナウイルス感染拡大により、大阪公演は中止になってしまったが、越岡は、「東京公演だけでも幕が開くことに、すごく幸せを感じていて。お客さんに観てもらえるうれしさがあります」と感慨深い様子。室も「キャストの方々とスタッフさんが力を合わせて作った作品を、世に出せることに幸せを感じています」と感謝した。

2019年に初演された本作。今回から越岡と室が参加したが、霧島が「メインの2人がキラキラ輝いていて。稽古場に現れた時から太陽のようだなと思った」と称賛すると、越岡は恐縮しつつも、室はすかさず「ありがとうございます!よく言われます!」と元気よくコメントし、気持ちいいおじきを。

その様子を笑顔で見ていた霧島はさらに「空気が変わるというか、牽引していく力があって。2人ともそんなに『俺についてこい』っていうタイプではないんやけど、自然にみんながついていきたいって気持ちになる。それがやっぱりすごいなと思いました」と絶賛。

越岡は「褒められても、何もでないですよ」と返し、「稽古に最後に参加したので不安はあったんですけど、カンパニーの人が皆さんがいい人ばかりで。稽古場から楽しかったですね」と笑顔で振り返った。

越岡と室は、本作が初共演。越岡は「一度も一緒に芝居したくなかったんですけど」とボケると、室はすかさず「言葉間違ってる!したくなかったんじゃなく、してこなかったんです!」とツッコミ。

続けて越岡は室のことを「めちゃくちゃいい役者です。いろいろ経験しているので、後輩ではありますけど、刺激を受けますね。すごいと思います」と称賛し、「なんか堂々としてる感がある」と評価。

すると、室は「脇汗、びしゃびしゃですよ!」と言って笑いを誘い、越岡に対して「こっしゃんさん(越岡)は本当に自然体で全然飾っていない。今回の役がすごくぴったりに感じていて。これまで“しゅっ”とした役のイメージが多かったけど、今回は真逆のイメージですごいなと思いました」と笑顔で明かした。

越岡は小学校まで大阪で過ごしていたが、関西弁で芝居をするのは初めてだそうで、「普段親と話すときは関西弁なので、そんなに違和感なく戻ってこれました」と話し、「室がコテコテの関西弁でしゃべってくるので、自然とこっちも出ちゃいますね」とニヤリ。

室は逆にイントネーションを注意されたと打ち明けると、記者から「しゅっとしてきたんですね」とツッコまれ、「東京かぶれたみたいなこと言うのやめてください!関西魂ありますから」と弁面し、笑いを誘っていた。

室は、4月にジャニーズJr.を卒業してから初めての舞台となる。心境を変化を問われると、「特に変わったことはなくて。何が変わったのかと言われても実感はないんですけど」と言いつつも、「期待していることと言えば、ジャニーズJr.を卒業して給料も上がってくるのかなと」とぶっちゃけ。

越岡に「やめとけ!」とつっこまれるも、室は「やっぱり大事じゃないですか? 関西=お金ですから。関西人はがめついんで!(関西ジャニーズJr.へのお年玉を)回収しないとね」と興奮気味に熱弁して笑いを誘っていた。

また、先輩として室にアドバイスを求められた越岡は「ないですよ」と返しつつ、ジャニーズJr.卒業を経て「変わったという実感はないですし。目の前のことを一生懸命やるみたいなことですから。そうしていけば、大丈夫!」と室を見ておどけながらアドバイス。室から「ほんまに思ってるのかな?」と返されると、いたずらっぽい笑顔を見せていた。

会見中も舞台さながらに息のあった掛け合いを見せる2人。記者に雰囲気の良さを褒められると、越岡は「めちゃくちゃ打ち解けてる感じはしますね。この作品をやるまでしゃべったことがなかったので、どこから仲良くなかったか覚えてないんですけど、関西弁がそうさせたのか、自然と友達みたいな感覚で話せますね」としみじみ。

すると、室が「僕の愛嬌力がそうさせたんじゃないかな」と得意げに明かすと、越岡は「そんなないんですどね」とバッサリ。室は「なんで!?」と言いつつも、「こっしゃんさんがほんまに優しいんですよ。だから、なんでも受け入れてくれる。あんまり行き過ぎると怒られるかなと思ってるんですけど、そんなに境界線がなく、本当に仲良くさせてもらってます」と爽やかな笑み。

それを受けて、越岡が室に「器でかいでしょ?」とドヤ顔で聞くと、室は「ほんとうにでかいです。わんこそばくらいの」とボケ、越岡は「ちっちゃいわ!」とテンポの良い掛け合いを披露し、記者陣を笑わせていた。

本作のテーマにかけて、自身が支えてもらっているものを明かす一幕も。越岡は「ファンの皆さんにすごく…」と言いかけるも、自ら「優等生みたいな回答してるな」と苦笑い。続けて、「日々の睡眠ですかね。寝ることが一番好きかもしれない。一瞬で寝れるのが特技です」と告白。

一方、室は「1人1人のファンの人の…」と口し、越岡からすかさず「うざいな、うざい、うざい、うざい! 最初俺やったやつ!」とのツッコミ。室は「いやいやそうでしょ!?2人ともふざけちゃダメでしょ!?」と抗議するも、越岡は「そこはお金だろ!」とダメ出しが。だが、室は「それ言ったらがめついでしょ!リアル過ぎる。本当にファンの人の応援してくれる温かい思いです」と笑顔で返し、越岡らを笑わせていた。