高畑充希が主演の映画「浜の朝日の嘘つきどもと」の完成報告イベントが5月18日に行われ、ゲストとして共演の大久保佳代子、タナダユキ監督と共に登壇した。
この作品は、福島県・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の浜野あさひ(高畑)が恩師・田中茉莉子(大久保)との約束(「朝日座」再建)のため、小さな“嘘”をついても映画館を守ろうと奮闘するストーリーだ。
大久保は冒頭のあいさつで「私の女優さんのお仕事史上、一番ボリュームがあるといっても過言ではないお仕事をいただきました。たくさんの方に見ていただきたいです」とアピール。
出演が決まった感想を高畑は「脚本がすごく面白いなと思いました。監督のタナダさんにお会いしたかったので、呼んでいただいて『やった!』と思いました。台本も口に出して読んでみても自分の中で、流れとかキャラクターが生き生きとしていて、この作品に参加できるのはラッキーだなと思いました」と振り返った。
大久保は「最初にマネージャーから映画の仕事が決まったと、『すごいいい役ですよ』と言われたんですけど、うちのマネージャー盛っていうので『またまた~』と思って脚本を読ませていただいたら、すごい人間的に魅力のある役だし、セリフがめちゃめちゃ多いので、プレッシャーですよね。記憶を入れたら出ていくサイクルになっているので、これ覚えられるかな?という」とコメント。
それに対し、高畑とタナダ監督は「完璧でした」と絶賛。大久保は「いやいや、映写機の説明をするシーンで、途中から台本でイラストの説明に替わるって書いてあったので、本当は全部セリフを覚えていくのがベストなんでしょうけど、『どこからこれイラストに替わりますか?』って何度聞こうかと思ったんですけど…なんとか覚えていきました」と告白。
完成した映画を見て高畑は「正直に言うと、自分が出ている映画は冷静に見れない部分が多いんですけど、大久保さんはじめ他のキャラクターがめちゃくちゃ魅力的で、本当に素敵でこれで全国の映画館が元気になってくれたらなと思いました」と呼びかけた。
大久保は「私、すかしてません?自分が出るのを見るのがすごく嫌なんですけど、昨日初めて見て。すかしてんな…と思いながら見ました」と感想を述べると、高畑は「すごく素敵でしたよ」とフォロー。
初共演となった高畑と大久保は撮影の思い出を聞かれると、大久保は「撮影時はコロナ禍でそんなにお食事とかは行けなかったんですけど、差し入れで30種類のフレーバーのアイスが届いたときに、『どれにする?どれにする?』っていうのが楽しかったですね」と明かした。
高畑も「それこそさっきの…大久保さんが(映写機の説明をする)セリフをいっぱいしゃべるところを、『これってどこまで覚えればいいのかな?』ってこっそり聞かれて」とエピソードを披露。
大久保は慌てて「女優の大先輩に、実はこれ覚えなくてもいいパターンがあるんじゃないかと探ったんですよ…」と説明をすると、高畑は「最悪、(カメラの映らないところに台本を)置いて読んじゃえばみたいなことを」とカンニングのアドバイスを。
また、映画館が舞台の映画にちなみ「映画館の思い出」を聞かれると大久保は「大学のときに、映画専門の1コマをとって、神代辰巳監督の映画を見に行こうって浅草のロック座の辺りにある映画館に1人で行ったんです」と語った。
続けて「そこで映画を見ていたら、チョンチョンってやられて『痴漢?』って思ったら見たことのない銘柄のコーヒーを貰って(笑)。その映画館の独特の雰囲気と、その映画館で見ているお客さんの独特な感じと、コーヒーを渡されたのとでいまだに思い出します」と振り返った。
高畑は「地元にいたときはそんなに映画を見ていなかったんですけど、東京に来ていろんな映画館があるんだって…」とコメント。
そして、「私、渋谷にある(映画館で)アップリンクが好きで…。なんか寝落ちしちゃう瞬間が好きで。わりと淡々とした映画を見ながら、アップリンクで途中、寝落ちする瞬間が至福だったので…無くなるのがちょっと寂しいです」と今月の20日に閉館する馴染みの映画館に思いをはせる場面も。
最後に高畑は「ちょうどコロナ禍が始まったあとに撮影が始まった映画なので、今だから感じれること、今だから思うことというのが作品の中に盛り込まれています。今だから見てほしい作品だし、タナダ監督の映画愛がいっぱい詰まっています。映画好きの人は古くていい映画がちょこちょこ出てくるので、それもテンション上がるんじゃないかなと思います。「ぜひ」と言ってはいけないかもしれないけど、ぜひ映画館で見ていただけるとうれしいです」と締めくくった。
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映画「浜の朝日の嘘つきどもと」は9月10日(金)より、全国ロードショー。8月27日(金)より、福島県先行公開。
©2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会
配給:ポニーキャニオン
最新情報は、映画「浜の朝日の嘘つきどもと」の公式サイトまで。