少年隊のレアな音源を、ファンのみんなで一緒に聴きたい!そんな思いを胸に、ファン有志一同がSNSで呼びかけて企画し、実現したラジオ番組「It’s SHOWTIME!」(ラジオ大阪/毎週木曜23時45分~)。
全4回の放送を予定しているこの番組のナビゲーターを務める、ラジオ大阪の藤川貴央アナウンサーにフジテレビュー!!がインタビュー。
5月20日(木)の初回放送を終え、その反響の大きさに驚いたという藤川アナに、番組について話を聞いた。
<藤川貴央アナウンサー インタビュー>
東山紀之さんの光り輝く笑顔を思い出し、思いを込めてお届け!
――まずは、初回の放送を終えた、率直な感想から教えて下さい。
ものすごく大きな反響をいただき、社内でも驚きの声が上がっています。「#SHOWTIME」「#少年隊」「#ラジオ大阪」がTwitterでトレンド入りしたのですが、弊社で放送したものがトレンド入りをすることは、めったにありませんから。15分間という短い放送枠では異例と言えるほどの数のメールもいただき、本当にびっくりしています。
――番組は、SNSで呼びかけて企画し、資金を集め、曲を選んで台本を作るところまで、すべて少年隊のファンの有志の方がおこなったと聞きました。
2020年12月12日に発売したベストアルバム「少年隊 35th Anniversary BEST」の完全受注生産限定盤は、予約期間が約2週間しかなかったため、購入できなかったファンの方も多かったそうなんです。そんな限定盤に収録された、ニューボーカルの曲や未発表の音源を、CDが買えなかったファンのみんなと一緒に聴きたい、というファンの方のツイートがすべての始まりでした。
3月に投稿されたそのツイートを機に、ファンの有志の方々が「ラジオ番組制作実行委員会」を作って、出資を募って。番組タイトルもみんなで決めて、粘り強く活動を続けた結果、番組が実現したんです。
私が番組に携わることに決まったのは、番組の企画がすべて決まったあとでしたが、実行委員会のメンバーの方とTwitterでつながっていたので、「面白そうな取り組みをやっているな」というのは、番組を担当する前から注目していました。
とはいえ、私は1987年生まれ。少年隊が「仮面舞踏会」でレコードデビューしたのが1985年ですから、全盛期をリアルタイムで見ていたわけではありません。そのため、「僕でいいのかな?できるかな?」というのは、正直不安でした。
ただ、福島テレビのアナウンサーだった2011年に、映画「小川の辺」に主演した東山紀之さんにインタビューをさせていただいていたんです。東山さんは本当に優しくて、気さくで、光り輝いていた。その笑顔を思い出しながら、思いを込めて番組をお届けできるのではないか、と思ったんです。
改めて知った少年隊の魅力「日本が誇るボーカルグループですよね」
――番組を担当して改めて発見した少年隊の魅力は、どんなところでしょうか?
1998年の長野オリンピックで、フジテレビ系のイメージソングだった「湾岸スキーヤー」を聴いて、当時10歳だった私は「なんてカッコいいんだろうか!」と衝撃を受けたのですが、今回改めて聴いてみると、イントロも、「キスまであと何マ〜イル♪」と声が重なっていくところも非常にカッコいい。初回放送では曲はかかりませんでしたが、2回目以降に選曲されるか、楽しみです。
放送に向けて聴いた楽曲の中には、初めて聴く曲もたくさんありましたが、初回の放送で紹介した「Happy birthday to!」はとてもステキな曲ですね。レコード盤のジャケットが、切り抜かれたハートの中から3人が飛び出してくるようなデザインで、ものすごく凝っていてかわいいんです。錦織一清さんのお誕生日(5月22日)の前々日の放送でこの曲を紹介できて、うれしかったです。
あと、少年隊といえば素晴らしいキレのあるダンスが魅力だと思っていたのですが、ボーカリストとしての少年隊の魅力も再確認しました。日本が誇るボーカルグループですよね。ジャニー喜多川さんが「ジャニーズの最高傑作」とおっしゃった意味がよくわかりましたし、3人のボーカルの素晴らしさはラジオで聴くからこそより際立つと思います。
――ファンの方々と一緒に番組を作って感じたことは?
みなさん、礼儀正しくて温かい方ばかりですが、少年隊のお三方がこのファンの雰囲気を作っているんだろうと感じています。
「泣きながら聴いています」「(放送は15分間だったけれども)体感5秒でした」など、放送中にいただいたツイートからもファンの方の熱い思いが伝わってきて…。ラジオは夢を叶えることができるメディアなんだと実感しましたし、みなさんの夢を叶える場所がラジオ大阪だったことを誇りに思いました。
そんな皆さんが作り上げたこの番組を担当する以上、私は、ファンの皆さんの思いをどうやって形にするかということだけを意識しようと思って放送に臨んでいます。
具体的には、限定盤や廃盤になっている貴重な音源を聴いていただくために、イントロが始まる前に曲紹介をきちんと終わらせて、曲を最初から最後まできちんと流そうとか。トークも最小限にしてファンの方々の邪魔にならないように…とかです。
ファンのみなさんの代弁者でありつつ、少年隊のリアルタイムを知らない私が「ファンです!」とは言えないですから、正直、こんなに難しい立ち位置で進行する番組は初めてです。ただただ、少年隊のみなさんへのリスペクトとファンのみなさんへの思いを込めて誠実にマイクに向かっていますし、それが声からも伝わっていることを祈るばかりです。
ファンによるファンのためのラジオ「好評ならアンコールも」
――放送中にSNSで盛り上がったり、タイムフリー(※)で番組を聴けるようになったことで、ラジオ番組が変わっていくのを感じることもありましたか?
※ラジオをスマホやパソコンで聞くことができるアプリ「radiko(ラジコ)」の、過去1週間以内に放送された番組をあとから聴くことのできる機能
深夜にラジオを聴いて楽しみ、翌日学校に行って感想を語り合ってまた楽しむ、というラジオが盛り上がっていた頃から続く聴取体験そのものは、変わっていないと思います。
一方で、番組のタイトルは「#」を付けやすいものにしようとか、生放送ならツイートをどれだけ放送に反映するかなど、SNSを意識して作るのが当然になってきているし、そういった点での課題は多いと感じています。
タイムフリーに関しては、リアルタイムでまず聴いていただきたいというのはもちろんですが、タイムフリーで別の時間帯に別の場所で聴くと違う番組のように聴こえる、という楽しみもありますよね。
今回もタイムフリーで何度も聴いているというツイートを見かけましたし、今までと同じように、ラジオで聴いているリスナーとタイムフリーのリスナー、両輪を大事に番組を作っていくことが必要だと思います。
――さて、5月27日(木)には2回目の放送がありますが、今後の聴きどころを教えて下さい!
ラジオ大阪のレコード室には約13万枚の音源がありますが、その中から実行委員会のみなさんが一生懸命楽曲選びをしてくださっていますし、リスナーのみなさんからのリクエストも反映していくので、ますます“ファンによるファンのための放送”になっていくと確信しています。
そして、現在は全4回、6月10日(木)までの放送を予定していますが、好評ならアンコールも考えています。リスナーの方が盛り上がってツイートしていただくことで、貴重な音源を聴ける機会が増えるかもしれない。
好きなものをみんなでシェアして、盛り上がって、もっともっと感動のラジオ体験をしていただいて。古くからの少年隊ファンのみなさんも、新しくファンになった方々も、少年隊と夢のひとときを一緒に楽しんでいただきたいというのが、私を含めた制作陣の思いです。