“若者のテレビ離れ”と言われて久しいが、先日「国民全体で1日にテレビを見る人が2015年の85%から79%に。16歳~19歳では、一日にテレビを見る人が71%から47%にダウン」(NHK放送文化研究所調べ)というデータが発表された。
テレビに魅力はなくなってしまったのか?フジテレビュー!!では、テレビの今について率直な思いを聞いていくインタビュー企画をスタート。初回は、第7世代芸人ブームをけん引していると言っても過言ではない、四千頭身の後藤拓実に登場してもらった。テレビで見ない日はないほど多忙を極めている四千頭身だが、特に後藤は、家にいるときはテレビをつけている時間が長いという。そんな後藤が感じている、今のテレビとは?
よく見るのは野球やドキュメンタリー
――テレビは一日何時間くらい見ていますか?
結構見ていますよ、見られる日は4~5時間くらいです。ながら見も多いですがね。
――どんなジャンルの番組を見ていますか?
野球が好きなのでBSなどの野球中継や、ドキュメンタリーも結構見ています。『ドキュメント72時間』(NHK)が好きですね、嘘のないリアルな感じがいいです。あと、ニュースは『news every.』(日本テレビ)を見ています。実家が『every.』派だったのでルーティンになっています。バラエティ番組は、特にクイズ番組をやっていたら面白くて見てしまいます。あと、もちろん自分たちが出演した番組を見るのは好きですよ(笑)。
――今のテレビについて率直に感じていることは?
今は「視聴者として見る」という感覚がなくなってきているのかもしれません。出演している側の目線で見てしまっているので、特にバラエティについては「これは、嘘だろう」とか「本当かな?」と疑って見てしまうことも。でも、そういう感覚を含めて、テレビを見ること自体に飽きることはないんです。ずっと流していられるというか、見ていられるというか。
テレビは「新しい興味を探せる」から飽きない
――なぜ飽きないのでしょうか?
YouTubeはいつでも好きなものが見られると思うのですが、テレビは逆に「新しい興味を探せる」ものじゃないかな、と。テレビ番組ってその数も限られているし、見たいものがやっていないこともありますよね。限られた番組の中から「どれ見ようかな」「これは面白そうだな」って迷うのが楽しいんです。
――最近テレビで探せた「新しい興味」は?
シングルマザーのタクシーの運転手さんを追ったドキュメンタリーです。たまたま見たのですが、知らないことが多くてタクシーの運転手さんへの態度を改めようと思ったくらい、学びも多かったです。
――番組を見ていて、他にどんな感情がわきますか?
見ていて「うわぁ、これは俺を呼んでくれよ」って思うことも多いですよ。「このクオリティなら、俺の方が面白いこと言えるわ!」って。ドラマなどでも感じることがあります。『突破ファイル』(日本テレビ)に石橋(四千頭身)が出ているんですけど、俺を呼んでほしいですよ。
――なぜ最近の若者はテレビを見なくなったと思いますか?
若い人たちにとっては、ずっと友達とつながっていられるスマホの方が面白いんでしょうね。テレビの本体機能も便利になってしまったじゃないですか。YouTubeもサブスクリプションも見られるし、テレビも見逃し配信が増えて「いつでも何でも見られるじゃん」ってなったら、リアルタイムでテレビを見る必要がなくなってしまったのかもしれないですね。
でも、僕にとってテレビ番組は面白いんですけどね。テレビ番組のクオリティーは下がっていない、むしろ上がっていると思うんです。お笑い番組も増えたし、バラエティ番組に出ている芸人さんたちもその分増えているし、それぞれの出演回数も増えている。ということは皆さんの力もついていると思うんです。制作側も、長年の試行錯誤を経て今の形にしているわけですから。
番組のクオリティは「下がっていない」
――若い人がテレビに興味を持ってもらうためには何が必要だと?
大晦日やお正月ってテレビ見ますよね。作り手側も毎日が大晦日やお正月くらいの番組を作るんだ、という気合を全員が入れたらいいんじゃないですか。この時間だけしか見れないもの、その時間だけしかもらえないプレゼントがある、とか。生で見ないといけない理由を作る、ということでいうと「生放送」がいいかもしれないですね。ラジオのように、はがきやメールで送った内容や写真が紹介される、とか。ちょっとアナログな形に戻るというのもいいかもしれませんね。