頭の中で「うまくいはず!」と思っていた
――のんさんは又吉さんの青年時代を演じ、又吉さん自身も大人になった本人役で出演しています。加藤さんは青年時代の又吉さんの恋人役で出演しますが、それぞれオファーをした理由を教えてください。
この曲をMVにするからには又吉さんは欠かせないので、「断られたらどうしよう」と思いながらオファーさせていただきました。快諾してくださったのでうれしかったです。
加藤さんは、一緒にいろいろなことを楽しんでくれる柔らかさがあり、彼氏である青年時代の又吉さんを支えてくれる力強さもある。柔らかさと強さを内に秘めているのに、前面にはキュートな部分が出てくる、そんな恋人像にすごくしっくりくると思ってオファーさせていただきました。
以前、フェスに出演した際に一緒のステージになったことはあるんですが、何かをサシでやることが初めてなので緊張しました。でも、絵コンテも加藤さんに似せて描いていたので、頭の中で「うまくいはず!」とは思っていて、実際に一緒にやってみたら、「本当に相性いいかも!」となりました。
加藤さん良かったですよね!最高!本当にかわいかった!「加藤さんにパンの袋を被せたいな」とか思いながら絵コンテを描いていたので、実現してうれしかったです。
――絵コンテもご自身で描いていますが、MVを作るにあたり苦労した点は?
いっぱいありますが、アイデアをどれだけ盛り込めるかみたいなところでしょうか。MVは曲と同じように展開していかなきゃと思っているので、「これだ!」とピンとくるアイデアを探すのが大変でした。
さらに、アイデアを盛り込んだ後、そこから削っていくのが一番大変でした。最初に描いた絵コンテから3分の1くらい削ったんですよ。でも結局、昨日も今日もいっぱい増やしちゃったけれど、すべて撮りきって最終的には15分巻いて終わりました(笑)。
――思い描いていたよりもうまくいった、予想しなかった良さが出た箇所はありますか?
うわー!いっぱいあるんだよな…えーと…パンでチャンバラするシーンですね。食べ物で遊ぶという不謹慎な感じなんですけれど、ちょっと悪いことをやると“青春感”が出るなと思って。「こういう動きでやってもらえませんか?」と、加藤さんに提案したらすごく面白がって一緒にやってくれたので、めちゃくちゃ楽しかったです。あのシーンは想像を超えました。
まだまだ続く、のんさんの創作の裏側エピソード。インタビュー後編では、実際の創作プロセス、俳優・アーティストとしての夢、心が揺さぶられる瞬間について聞きます。