<明石家さんま コメント>

――『心はロンリー 気持ちは「…」FINAL』を制作することになった経緯を教えてください。

『心はロンリー』は、毎回、細かいギャグまで作り込んでるんで、制作費もすごくかかるんですね。だから、もう二度とできないだろうなとあきらめていたんですが、ある日フジテレビの元スタッフから、「『心はロンリー』を、もう一度やってください」とお願いされまして。

彼が言うには、「僕は『心はロンリー』が作りたくてフジテレビに入社したのに、結局その夢が果たせなかった」と。「でも、たとえ自分が関われなくても、『心はロンリー』の新作を作ってほしいんです」と言われて。

そんな熱い思いに心打たれて、動き出した企画なんです。ただ、今日に至るまで、だいぶ苦労しましたけどね。

そもそも最初、プロデューサーの渡辺俊介に話を持っていったら、「無理でしょ」って笑われましたから(笑)。あと、総合演出の三宅(恵介)さんが、今どきのテレビの作り方がわかってない(笑)。

お金の計算がまったくできなくて、えらいことになってたみたいです(笑)。

――『心はロンリー 気持ちは「…」』シリーズの魅力は?

良くも悪くも、伝わりにくいギャグが多いっていう(笑)。特に初期のころは、打ち合わせを夜遅くまでやってたんで、ほとんどが深夜3時くらいに思い浮かんだギャグなんですよ(笑)。

思いついたときは、みんなでゲラゲラ笑ってるんだけど、実際に撮影して、あとで見てみたら全然面白くない…ということも多々ありました(笑)。

ギャグの意味がわからないってよく言われるんですけど、逆にそこがたまらないと言ってくれるファンもいるんで、そこは見どころなのかなと。

今回は、これまでよりもわかりやすいように作ったつもりではあるんですが、それでも、一回見ただけでは、気がつかないギャグもたくさんあると思います(笑)。

――ヒロインの川口春奈さんの印象は?

こういう特殊なドラマなんで、最初は断られると思ってたんです。でも、ダメ元でオファーしてみたら、即OKの返事が返ってきて。びっくりしましたね、「大丈夫?」って(笑)。

で、いざ撮影が始まったら、さらに驚いたことがあって。彼女は、現場でいきなり「これやってくれ」「あれやってくれ」って言われても、戸惑ったり、疑ったりするところが一切ないんですよ。「はい、わかりました!」言うて、全部やってくれる。

それと、お芝居の“抜き方”が抜群にうまいんです。そのへんの呼吸も、すごく僕と合うなと思いました。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

とにかく、一生懸命頑張りましたので、ぜひ見ていただけたらと思います。

ちなみに今回、“ファイナル”と謳(うた)っていますが、私としては、“ファイナルプラスワン”なのか、“シン・心はロンリー”なのか、どうにかタイトルを考えて、次回作をもくろんでおります(笑)。