前半…最悪!(胸糞悪)

後半…なんていいドラマ!!(感極まる)

てな感じで今週は心揺さぶられまくり!

前半、あまりの“最悪!”具合に、なんてドラマだよ、ドン引きだよ、胸糞悪いし、この気持ち、ちゃんと収まんのかな?なんて心配してたんだけど、後半、その“最悪!”だったこと、すっかり忘れるくらい、“なんていいドラマ!”って感極まっちゃうんですからね…。勝手な視聴者(=自分)。

まず前半の“最悪!”の何が最悪かって、今週も真由子ちゃん(井本彩花)関連なんですよ。

その真由子ちゃん関連を簡単におさらいすると…。バスケ部所属のスポーツガールだった中学生時、実の兄から性的暴行を受け、両親はそれを知るも黙殺、誰も信じられなくなり、体を売り、夜の街を彷徨い、薬に手を出し、少年院へ…ここまでが前回まで語られた真由子ちゃんの“過去”。そして“現在”はというと、バスケ部のキラキラボーイ・大樹くん(細田佳央太)と出会い、少女漫画ばりのキラキラ具合だったことも相まって、甘酸っぱい恋物語へ発展。ようやく人を愛することを知る…のだけど、大樹くんは友人を不良グループからリンチされ亡くすという過去を持っており、“少年院”を出た真由子ちゃんの過去を知るとあからさまに拒絶してしまう…。そんな最中、真由子ちゃんは、“急性白血病”の疑いが浮上する…。

って全然簡単におさらいできない真由子ちゃんの激動人生(まだ高校生なのに…)。一回恋物語という名の“清涼剤”挟んでおきながら、そっから一回落として、改めて最後にとんでもない試練でとどめ刺してくるあたりがもうね…。辛い…。

ってこの時点でもう最悪じゃないですか。だのに真由子ちゃん関連で…そこから、さらに、“最悪!”な出来事が上塗りされていくのです。その張本人はというと…、思い出したくもない、真由子ちゃんの“兄”。その“兄”を、今回さらに深掘りしていくことになるのだけど、それがもう見てられないし、聞いてられない…本当に最悪!…なんです。で、その兄を深掘りするきっかけとなるのが、真由子ちゃんの“急性白血病”という不条理…。前回この部分を知った時、ひどい!そんな試練いる?そこまでする必要性ある?清水(有生)先生(このドラマの原作者で脚本家)鬼か!って思っちゃったんだけど、ちゃんと意味があったんですね…。『さくらの親子丼』がこれまで一貫して丁寧に描いてきた“家族とは何か?”を、改めて強く提示してくるのです…そう、解釈しました…清水先生…。

この“最悪!”な描写を通して、血のつながりって一体なんだろう?とか、何かを犠牲にしても“生きる”って何だろう?とか、結構真剣に考えちゃいましたよ…。先週まで、真由子ちゃんと大樹くんのイチャコラだけでこのドラマを消費しようとしてた自分…恥ずかしいっす。

そして、後半。

“なんていいドラマ!”の幕開けは、なんと、まさか、突然の、誰も予想もしてなかった…

さくら(真矢ミキ)の“味噌づくり”から!!

これまでも“もやしのひげ取る”や、“餃子を皮から作る”など、さくらの手料理は鬼の手間暇でお馴染みだったわけですが、シーズン3ともなり、その折り返しまで来ちゃうと、味噌…っていうか調味料、作っちゃうからね。もう業者の域だよね。今どき、職人気質の板前さんでも、味噌、手作りしないよね?それが、大豆をすりこぎでつぶすとこから始まって、ちゃんと一から手順踏んでやっちゃうかんね。しかも完成は1年後!!

これまでの“鬼の手間暇”を見守ってきた僕としては、そんな味噌作りを始めた瞬間、もうニヤニヤが止まらなくなっちゃったんだけど、そっから“なぜ味噌を作るのか?”が判明した瞬間…。なぜでしょう?涙がこぼれてきたのです…(いや、マジで、冗談抜きで)。その“味噌づくり”に込められたメッセージとは一体何か!?乞うご期待!!そこに絡んでくる、前回、最低かましたトンデモ少女・夏美ちゃん(西本まりん)の心の動きも含めて…絶対に、必見です!

まさか、味噌エピソードから、涙がこぼれるなんてね…。そんなことできちゃうの、『さくらの親子丼』だけ!!

https://youtu.be/D629uLCmXkI

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)