遥斗の“迷い顔”~最終回でとり戻した“決意顔”という、見事なグラデーション
おっと、というわけで、ここまで、和樹サイドの感想を長々とお送りし過ぎてしまいました。ですので、ここからは、突然ですが、僕の当初に考えていた、『366日』最終回展開予想を振り返ってみましょう(マジで突然)。
(第5話コラムより)
最終回の第11話は?っていうと、タイトルの通り、「366日」、経ちました…最愛の人、病室で目覚める!!…奇跡!!…見つめ合う二人…キッス&エンド♡
うん、見つめ合う二人…キッス&エンド♡ってのは、かろうじて、本当にかろうじて、合ってたといっていい(いいですよね?ね?)とはいえ、どうでしょう?みなさん(誰にだよ!)。このドラマの、丁寧さ、つったら、類を見ないですよね!?
いやだって、遥斗が目覚める、ってのがわかった中盤があったとはいえ、そうはいっても、終盤は、記憶が戻る→やっぱ好っきゃねん!じゃないですか(なぜ関西弁かは置いといて)!
なのになのに、そもそも、記憶が戻らないうえで、二人の愛をとり戻そうとする過程を繊細に描き、それによる微妙な不和とすれ違いまで描き、で、極めつけ、最終回直前では、遥斗の記憶が戻っている!?とまでわかったというのに、記憶は戻っているのになぜ?という疑問から発展して、実は遥斗は、過去の自分に戻れないことで自信を失いかけていた…という事実に加えて、その“過去の好き”から“今の好き”へ変化していることに戸惑いを感じている…っていう、その、なんというか、得もいわれぬ、“好きの逡巡(しゅんじゅん)”を、この最終回において、終盤も終盤で描いてしまう!!!とか、このドラマ、どこまで丁寧が過ぎるんでしょう。
いや、マジで、せっかちな僕だったら……記憶が戻った!その瞬間!フラッシュバック!走り出す(理由は不明)!抱きしめる!!やっぱ好っきゃねん!!!(遥斗、関西行くだけに!?…つまらん)
見つめ合う二人!!!キッス&エンド♡で、いいじゃないですか?ってなるし、恋愛ドラマってそういうもんです!って、鼻息荒く、無理やりそうするはずなのに(だから僕はドラマ素人なんだね…涙)。
それもそうだし、そこに、その、思い出してからの“即好き”に、視聴者の誰も、疑問を持たないじゃないですか?
なのに、このドラマときたら、思い出して、ゆっくり“今の好き”をとり戻していくその過程を、わが身のように考えさせてくれる=共感させてくれる…。そして、それは、遥斗の終盤ずっとそうだった“迷い顔”~最終回でとり戻した“決意顔”という、その見事なグラデーションよって、視聴者を巻き込んでしまうその、すごさ!!!