向井康二 撮影で感じたこと「会える時に会わないといけない」
──本作はオリジナルの山岳医療ドラマですが、最初にこのドラマの企画を聞いた時の印象、脚本を読んだ時の感想を教えてください。
杉野:プロデューサーさんが長野県出身で、長野県を舞台にしたドラマを作りたいという熱い思いをお聞きして。自分としては、もの作りをするうえで真剣に作品に携われる場所を求めているので、そういう熱意を持っている方と一緒に仕事したいと思いました。
岡崎:私は、このドラマのお話をいただくまで山岳医療という分野を知らなくて。調べてみたら、山は怖い場所でもあり、こんなにも山で医療が必要とされているんだとすごく勉強になりました。
設備が整った病院での場面と、山小屋での場面、山で救助する場面が描かれると、それぞれ映像としてのギャップや臨場感もあるだろうし、想像するだけでも面白そうだなと思いましたね。
宮澤:私が演じる玲は山岳看護師なんですけど、私自身は山に登ったことも、医療ものをやったこともなくて。私っぽいところが一つもない役だなと思いながら、第1話の台本を読み始めたら、面白くてあっという間に読み終えました。
山で起きる事故でのケガや病気を治療する医療チームの話で、生と死を分ける状況になった時、人はどういうプロセスでどんな判断を下していくのか。山に登る人たちと、山に登った人を治療する人たちの姿を描く人間ドラマであり、さらには、それを支える人たちの話でもあって。
医療ものならではの緊迫する展開や、ヘリコプターが登場するようなエキサイティングなところもあるんですけど、根底には、山に囲まれた日本に暮らす人たちがどう山と向き合って生きていくのかという大きな物語があると感じて、そこにひかれました。
向井:山岳医療がテーマなんですけど、歩たちのチーム一人ひとりにストーリーがあるんですよね。僕が演じる真吾は、過去を抱えながら頑張っている歩を見守っています。
だから、歩がお酒を飲むシーンの撮影では、真吾としてグッとくるものがありました。
杉野:第1話に、そういうシーンがあるんです。あのシーンは僕も、いいなと思いました。
向井:よかったですよね。人と人のつながり、命の大切さって当たり前のことだけど、それを改めて感じられるドラマでもあるなと。
「家族とか、いつでも会えるやん」と思うけど、会える時に会わないといけないなと思いましたし、視聴者の方にも、そういうことがこのドラマで伝わったらいいなと。