「この先、一生ないだろうなと思うような貴重な経験」

 

 

――超特急では主にダンサーとして活躍しています。本作でバンドのボーカル&ギターとしてステージに立ってみていかがでしたか?

歌うことはすごく好きなので、バンドの形で歌うことができたのは貴重な体験になりました。何より、バックに海音くんをはじめ主題歌を担当したandropさんがいて、脇を固めてくれているっていうのが、あり得ない状況じゃないですか。普通はやっぱり僕が後ろに行くべきなのに…後ろに行っても楽器も弾けないんですけれど(苦笑)。もうこの先、一生ないだろうなと思うような貴重な経験をさせていただきました。

――本編で共演シーンが多かった安達さんと櫻井さんの印象はいかがですか?

安達さんは、以前に超特急でドラマを撮影した時にも、ゲストで出演してくださっていたんですが、その時はあまり深くお話しする機会もなかったんです。

今回この作品で関わらせていただいて改めて思ったのは、やっぱりオーラが違いますし、すごいなって圧倒されました。気さくに話しかけてくださって、現場でのいい空気感を作ってくださっていたなと印象に残っています。

海音くんに関しては、僕がすごく人見知りがゆえに、あまりコミュニケーションを深く取れなかったのが若干後悔している部分でもあるんですけれど。僕はギター未経験だったので、海音くんがギターのコードを教えてくれたりとか、アドバイスをくれたりと、いろいろ助けてもらいました。

もともと音楽に触れていた人なので、ギターを弾いている姿を見ても、「すごくかっこいいな」と思いましたし、海音くん自身も瑛斗みたいに、すごく真っ直ぐでブレない感じがあって、演じている姿を見て「さすがだな」と思いました。

 

(C)今村リリィ/フェアベル フジテレビ

 

 

(C)今村リリィ/フェアベル フジテレビ

 

――ギター&ボーカルに初挑戦ということで、苦労したことはありますか?

本当に初めてだったので、どうしようかなと思っていた時に、ギターをプレゼントしていただいたんですが、何から始めればいいのかわからなかったので、とりあえずYouTubeなどで「ギター・初心者」で調べて、コードの練習から始めました。

僕の性格上、劇中に出てくる曲のコードだけを取りあえず覚えて演じる、みたいなことがあまり好きじゃないので、初心者はまず何のコードから覚えるのか、コードというものを理解したくて、イチから勉強を始めました。

ただ、本当に難しかったので、さすがにヤバいなと思って、途中から先生に直接習うようになりました。歌に関しては、実はグループで出させてもらったイベントで歌ったこともあるんです。それを見たことがある方からは、今回のバンドを見て「うまくなったね」っていう声をいただきました(笑)。

 

 

――スピンオフでは、人に言えない思いを引きずっている竜と華奈が、お互いに気乗りのしないお見合いを通して出会います。草川さんは、引きずってしまう思いがある時にはどう向き合っていますか?

それは僕も知りたいし、誰かに教えてもらいたいです(笑)。僕は意外と繊細で弱めなタイプなので、気持ちを引きずってしまいがちで。寝たら忘れられることもありますが、数日後、数週間後にまた思い出したりしてループすることも…。でも、その向き合っている時間も“自分”なのかなと思うようにしています。

――竜は現状にもがきながらも前に進もうとします。そんな竜の姿に共感はしましたか?

竜の物事に対して真っすぐで、自分の意志がはっきりしているところはすごく素敵だなと思いました。でも、実は竜は前向きに進んでいるかのように見えて、そうではないのではと僕自身は思っています。

1番肝心な、自分が思っている感情に対してはなかなか前向きになれないところが、竜の愛しさでもあるし、人間らしい部分だなと共感できる部分がありました。竜は自分を肯定してくれるような役でしたね。

 

 

撮影:河井彩美

スタイリスト:東 正晃

ヘアメイク:Mashino

衣装協力:LAD MUSICIAN(シャツ¥31,900、靴¥55,000)