――石原さんは、大泥棒の如月弥生、河合さんは大物政治家の娘・小早川雅を演じていますが、お互いのお芝居をどうご覧になっていますか?
河合:完成した映像を見て、惚れ惚れしています。(脚本の)野木(亜紀子)さんが「石原さとみさんなら、フィクショナルな設定の中でのリアルを見せてくれるに違いない」といったコメントをされていて、すごく納得です。
「泥棒という設定をこんなにチャーミングにできるんだ」と改めて驚いて、とても魅力的だなと思いました。
石原:ありがとう。うれしい。優実ちゃんは、もう正直、雅にしか見えない。
河合:(笑)。
石原:なんだかもう、雅以外を演じている姿は、想像できなくて。本当に国会議員になってほしいと、心の底から思います。
河合:あははは!「もし本当に(選挙に)出たら応援するよ」って、たまに言ってくれますよね(笑)。
石原:もう「(自分が)ウグイス嬢やりたい」と思うくらい、なんというんでしょう、新人議員として頑張ってほしい(笑)。それくらい優実ちゃんが演じる雅には説得力があります。
役を超えているというか…1話を見て思ったんです。(雅が)本当は政治の世界で生きたかったけど、ずっとくすぶっていたんだなっていうのを感じて。弥生は、どうしてそれがわかったんだろう。(雅を選挙に担ぎあげるなんて)グッジョブですよね。すごくいいところに目をつけたなと思います(笑)。
河合:そうですね。
石原:これから雅は飛躍していくんですけど、雅の複雑さや、応援したくなる魅力、怖さのようなものが、本当にそこに存在してるかのように見えて。まだ始まったばかりなので…言いにくいですね(笑)。だけど、やっぱり「説得力」ですね。
河合:うれしい。すごくうれしいです。
石原:本当に。
河合:私は弥生の大泥棒としての側面をあまり現場では見られないので、完成した映像で初めて見るんですけど、もうそれが魅力的すぎて。大胆で、ちょっとセクシーで、どこかファニーな感じもあって…。フィクションのキャラクターとしての「女ルパン」を、背負いきって演じていらっしゃるんだということに気づきました。
さとみさんがそこまで泥棒として振り切ってくださっているからこそ、私たちは政治の話をがっつりできるんだというバランスを、すごく感じています。
石原さとみ&河合優実が語る野木亜紀子脚本の魅力
――野木亜紀子さんの脚本を楽しみにしている方も多いと思いますが、おふたりが感じる野木脚本の魅力を、改めて教えてください。
石原:役名が書かれていなくても誰のセリフかが明確にわかるような台本であるのと、あとは、句読点の位置が独特なんですよ。
「ここで点を打つ理由はなんだろう」とまず思うんですよね。監督とも「ここの点がなにか気持ちが悪いですね」と話すこともあるくらい。でも、現場に入ってリハーサル、ドライをやってみると「なるほど!」ってわかるんです。
気持ちを入れて、現場でしゃべってみると「こういうことか!」って。「この気持ちを立たせたいから、ここに点を打っているんだ」とわかるし、そのまま読めば感情が乗ってくる。
それはかなりすごいことで、「本当に文字を生かすことをしている」というのが野木さんの脚本なんだと思います。読みながら、ワクワクしますね。
河合:そうですね。私も普段は「脚本は設計図で、それをもとにいろいろな部署の人が力を合わせて、最終的に映像として完成させるもの」と捉えているんですけど、やっぱり野木さんの脚本は、本当に隅々まで、1文字、1文字、練られた状態で私たちの手元に届いてるんだと感じたことがありました。
それからは、まず台本を忠実に読み解いて「自分ができるベストをやろう」っていう気持ちでいますね。本当に緻密だなと思います。
――第1話での出会いの日、弥生が雅を「盗んであげる」と連れ出すシーンも、とても印象的でした。
石原:撮影中に、「こんなふうになっていますよ」と見せてもらったんですけど、もうポストカードにしてもいいくらいの美しさでした。すごく画が上質で、エモーショナルなシーンになっていて。あのシーンを撮って、このドラマにもっとワクワクしたというか、「絶対にいいものができていくんだろうな」という自信にもなって、背中を押されました。
河合:私もあのシーンはモニターを見て、すごくきれいに撮ってくださっていて、興奮しましたし、特に引きの画で、東京の夜景をバックに、2人で歩道橋を走るところが、よかったです。
石原:楽しかったね。
河合:楽しかったです。さとみさんと初めてお会いして、今回のドラマの話になったときに「(弥生と雅の)シスターフッド、私はそこを楽しみにしてるから」と言ってくださった。その言葉がずっと胸にあったので、この走るシーンはとにかくふたりが輝いてるように見えればいいなと思って演じていました。
――石原さんは以前のインタビューで、河合さんとの共演、弥生と雅の関係について「ラブストーリーだと思っている」とコメントしていましたね。
石原:あははは!
河合:「河合優実ちゃん大好き」みたいに、すごいベタ褒めしてくださっていたので、すごくうれしかったです。
石原:全記事に(載っていた)ね(笑)。
河合:「こんなこと言ってくださっているの!?」って。いっぱい読みました。うれしかったので。
石原:(笑)。
河合:「ラブストーリーみたい」というのは、私にもすごく似ている感覚があります。「とにかく、さとみさんの目を見て、心を通じ合わせよう」といつも思ってます。


