松たか子(49):
やるって決めてからは仕事なので「できない」はないので、やるしかない。「できませんでした」はない世界じゃないですか。
だから…やる。気合い!みたいな(笑)。若干ヘラヘラしてますけど気持ちとしてはそうです。

穏やかなイメージに反し、根性論が飛び出したのは俳優・松たか子さん、49歳。

松さんが、“気合い”で挑むのは、9月25日公開の映画『ナギダイアリー』。

松さんが演じるのは、癒えない喪失を抱えた彫刻家・寄子。
その穏やかな日常をとりまく繊細な人間模様を描いた、ヒューマンドラマです。

今年5月には、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映。約7分間にわたりスタンディングオベーションが続いた注目作です。

松たか子(49):
特別映画用に何かエピソードを作ったというよりかは、ナギという想像上の町の話ではあるんですけども、実際に岡山県にある奈義町というところで全編撮影をしたという、全部その土地の風景であるということは見どころだと思います。

今回の作品が描くテーマは、人生のさまざまな選択肢の中で「何を選び、どう生きていくか」。そこで松さんに、“選択の場面”において、大切にしていることを伺いました。

松たか子(49):
私の場合は、自分がやりたいと思っていたことでもなかったことも多いので、周りの人の「やってみたら?」っていう背中をつんとされる。そこに乗っかってみる、流されてみるっていうのが、私の場合は割といろんな新しいお仕事の出会いがそこにあったなと思います。

自分の直感を信じることもすごく大事だと思うんですけど、意外に自分のことは自分が分かっていなかったりするので、“自分の直感プラス周りの人の冷静な意見”というか、そこにも耳を傾けると出会いはあるかな、そうやってきたかなって感じがします。

「自分の直感と周りの冷静な意見」そう語る松さんが、これまで重ねてきた選択とは…。

「直感と周りの冷静な意見」に従った松たか子の選択とは?

1977年、歌舞伎俳優・松本白鸚さんの娘として生まれた松さん。

幼い頃から、舞台の世界を身近に感じながら育った松さんが、最初の大きな選択をしたのは、中学3年生の頃。

松たか子(49):
それまで通ってた学校は芸能活動がダメだったのでどうしようかなと思った時に、幼稚園からずっと通ってた学校だったんですけど電車で通っているときに「もうこの学校で学ぶことはもう学んだ」ってパッと思えちゃって、「あ、もういいや」って思ったんですよね。
それで学校変わってデビューに向けての準備が始まったので飛び込むのは今なのかなと思ったのは大きかったと思います。

幼稚園から通っていた学校を離れ、芸能活動のできる学校へ。
そして16歳のとき、歌舞伎座で初舞台に立ちます。その頃、松さんが思い描いていたのは…?

松たか子(49):
「舞台に立ちたい」と思っていたんですよね。
なのでテレビに出たいと思ったことはなくて…。

ではなぜテレビの世界へ?松さんが、あの大ヒットドラマへの出演秘話を明かしました。

舞台志望も…テレビドラマに出る選択を

そのころ、松さんのもとに、思いがけない話が舞い込みます。

1996年放送の大ヒット月9ドラマ『ロングバケーション』。
実はこのドラマへの出演が、松さんの人生における大きな選択の場面だったといいます。

松たか子(49):
ちょうどその時期、私は舞台の仕事とどうしようかっていう時期だったんですよね。同じ時期に舞台のオーディションというかチャンスがあって、自分としては「もう絶対舞台!舞台出たいです!」っていう気持ちだったんですけど、周りの人が「そんなにテレビのチャンスなんていうのもなかなかないんだから、出てみたら?」って言うので…、それで出たのが『ロングバケーション』だったんです。

周囲に背中を押される形で飛び込んだテレビの世界。
のちに『ロングバケーション』は、「月曜日はOLが街から消える」と言われるほどの社会現象を巻き起こしました。

松たか子(49):
お芝居はしたくて、舞台に立ちたくて。テレビなんてそんな思ってなかったけれども、お芝居を目指していく上で、始めるなら今なんじゃないかってのを自分で思ったし。舞台に立ちたいからと言って、それ以外をやらないっていうのはなかったんですね。
「やっぱり全部チャンスになるだろう」という気持ちでいたので、自分では全く思いもしないチャンスでも、人が思ったイメージに飛び込んでみるというか、スタートとしてそこにチャレンジすべきかなと思って飛び込んだんです。

そして、この選択が松さんのキャリアを、大きく広げていきます。
その年、史上最年少の19歳で紅白歌合戦の司会に抜擢!さらにその翌年、木村拓哉さんとW主演を務めた月9ドラマ『ラブジェネレーション』は、平均視聴率30%超えの大ヒット!

松たか子(49):
私自身は何を不安に思っていいかすらもわからなかったので、「いってしまえ!」って感じだったけど(笑)、そんな人間に「やらせてみようか」って思った物好きな方たち、フジテレビの皆さまに背中を押してもらったって、すごく感じてます(笑)。
やっぱりその曜日のその時間をこいつに任せてみようみたいな、勇気がなければ怖いと思うんですけど。

……運が良かった(笑)
自分で割と決めすぎないでいたものが、思いがけない出会いをもたらしてくれたなっていうのは感じます。

何を選び、どう生きていくか。周囲の意見に耳を傾けながら、チャンスをつかんできた松さん。しかし50歳を目前に、今までと少し違う自分に気づいているといいます。

松たか子(49):
次にやるものが「新しいもの」であること、「面白いもの」であることだけを目指す感じです。

大きくジャンルとして新たなものっていうのは考えてなくて、それは例えば映像だったり舞台なり今まで自分がやったことのあるものでも、作品自体は毎回新しいので、全く新しいジャンルみたいなものなんですよね。
だからそれに向かう体力、気力をつける。元気じゃないとなかなかプラスに考えられないので。それを大事にしたいなと思います。

松たか子も…ノンストップ!

(「ノンストップ!」2026年9月23日放送より)