──撮影はアジア各都市で行われているとのことですが、その都市らしさを感じたエピソードや驚いたことなどがあれば、聞かせてください。

坂口:シンガポールはどうでしたか?行ってないからちょっと気になる。

ジュンギ:シンガポール、楽しかったです。旅行みたいな感じでした(笑)。

坂口:暖かいんでしたっけ?

ジュンギ:暖かいです。だから、毎日ランニングしました。

坂口:いいですね。その都市らしさ…僕、結構、路地が好きで。撮影で韓国の路地も、日本の路地も、台湾の路地も走って…路地ばかり走ってる感じですけど(笑)。でも、路地ってその都市らしさが出るなと思うんです。

作りはだいたい一緒で、同じような感じがしますが、例えば塀の高さや電信柱が違うだけで、全然雰囲気が変わるんですよね。

韓国で言うと漢江のような、その都市を象徴する場所でも撮影をしていますが、意外と心に残っているのは路地かもしれません。

ジュンギ:さまざまな都市で撮影するこのドラマの長所は、各都市のスタッフさんと協力することで、その地域ならではの方法を知れることだと思います。

基本的にフジテレビの番組なので、日本のスタッフさんが中心になりますが、そこに各都市のスタッフさんが入ってきて。協力するなかではぶつかることもあったと思いますが、僕はそれを見ているのが楽しかったです。

各都市の独特のスタイルや、それぞれの場所で生きてきた人たちを見て、それを自分の中に取り入れて表現する楽しさも感じましたし、思い出も経験もたくさんできました。各地域らしさというのは、きっと画面から伝わると思います。

イ・ジュンギも驚き!坂口健太郎 英語のセリフは「ほぼ暗記」だった

──セリフには日本語と韓国語以外もありますが、苦労したことはありますか?

坂口:僕、英語が話せないので大変でした。

ジュンギ:え?

坂口:セリフは、ほぼ暗記していました。

ジュンギ:暗記力がすごいんですね(笑)。

坂口:そんなことないです(笑)。本当に日常会話ほどもしゃべれないのですが、海外の俳優さんと会って、カメラが回っていないときにいろいろな話をするのは楽しかったです。

あとは、監督の演出があるので、お芝居の質に大きな変化はないのですが、その都市の俳優さんたちと実際に目を見てお芝居するということの楽しさを感じました。

──それぞれが演じる役について、意識したことや準備したことはありますか?

坂口:新出はハッピーなシーンが極端に少ないんですよね。撮影は韓国のシーンからだったのですが、その時点ですでに妻・沙織(桜井ユキ)が誘拐されていて。1話に妻との楽しいシーンはあるのですが、クランクインの時点では「きっと2人はこういう生活をしていたんだろうな」と想像するしかなかったんです。

東京に戻り、割と早めにその楽しいシーンが撮影できたのですが、そこを大事にしようと心の中で思っていました。

あとは、新出は「怒り」がキーワードになっていて。怒りって、エネルギーが強いからこそ瞬間的なことが多くて、怒りを持続させることってすごく難しいなと思っていたんです。

でも、怒っていないときの悲しさやわびしさ、そういったことも含めていろいろなパターンの怒りが出せるといいのかな、と。今はそこを大事に思いながら撮影しています。

ジュンギ:監督をはじめスタッフの皆さんは最初から、さまざまな都市で撮影しなければいけないから、台本の順番通りに撮影ができないことを心配されていました。

僕自身、シンガポールでクランクインしたのですが、そこで撮影したのはドラマの後半のシーンで、感情的に高まり、嗚咽(おえつ)交じりに泣くような、すごく大変な状況で。だからこそ、シナリオに集中しなければいけないなと感じました。それは、自分のことだけではなく、関わる各人物の状況も全部見て、作品を徹底的に分析しなければいけなかったのが大変でした。

1秒たりとも緊張を緩めてはいけないくらいでしたけど、いろいろな人の考えを受けて、状況を見て考えなければいけない状況に置かれて、結果的に役者として成長するきっかけになったと思っています。

──もしご自身が、「kiDnap GAME」に参加することになったら、どのような行動をとると思いますか?

坂口:正義感の強い新出は危険を顧みずに行動を起こしますが…僕は無理だろうな。新出ほど前のめりには動けないんじゃないかな、と。だからこそ、彼の選択はすごいなと思います。

新出のことは一番考えていますし、肯定してあげたいと思いつつ、どこかで否定しなきゃいけないとも思っていて。「新出はこうだ」「新出は絶対にこういうチョイスをする」と、自分の考えだけになってしまうと、ちょっとずつ破綻してしまう気がしているんです。

破綻を避けるために、「監督、これどう思いますか?」「これとこれ、どっちがいいですか?」と、なるべくいろいろな人に聞いて、納得できたらやってみる、ということを続けています。

いろいろと考えているからこそ、新出や新出のチョイスをリスペクトしているところはあるかもしれないですね。

ジュンギ:難しいですね…。撮影中、「この状況になったらどうするか」とスタッフさんに意見を聞いたんです。そこで、自分の大事な人を守るためには、それぞれの立場でシンプルに考えるんだなということがわかりました。

人は自分を優先したくなるし、究極的には「自分が大事だ」と言ってしまう場面もあると思います。このドラマが放送されたとき、視聴者の皆さんがどんなことを感じるのか、楽しみですね。