音楽遍歴、そしてアナウンサーとしての原体験を語ってくれた上垣アナ。続いては、自身に影響を与えたラジオ番組と好きな曲について振り返ります。

ユーミン、キャンディーズ、そしてラジオ番組…上垣皓太朗アナの中に流れ込んできた曲

――ほかに、子ども時代の音楽体験で印象的だったことはありますか?

小学校に、「クレアおばさんのクリームシチュー」のCMソング(※)を歌っていたオペラ歌手の中島啓江さんが出張コンサートに来られたことがあったのですが、すごく楽しくて印象に残っています。「クレアおばさんの~クリームシチュー♪」という歌です。

(※)CMソング『はじめてのシチュウ』:1992年リリースのヒット曲「はじめてのチュウ」(作詞・作曲:実川俊晴/歌:あんしんパパ)の替え歌。

こうして、「音楽遍歴」として考えると、自発的に音楽を聴いてきた人生ではないのかもしれません。ただ、小学生の頃に親が車で音楽をかけていた影響はある気がします。私に限らず、親世代の音楽の嗜好を持っている方には、「親が車で聴いていたから」という方が多い気がします。

私の場合ですと、父がユーミン(松任谷由実さん)とキャンディーズのCDをよくかけていました。私は昆虫採集が好きだったので、GWなどのお休みには郊外に連れて行ってもらうことがよくあり、その1時間半くらいの車中では、ユーミンやキャンディーズが流れていたイメージがあります。

――キャンディーズをアイドルとして好きだったのでしょうか?

その頃のキャンディーズの皆さんは、もう普通の女の子に戻られていましたので(※)、アイドルとしてではなく、「素敵な曲だな」という思いで聴いていました。キャンディーズの歌は、まだ、言葉の聴き取り能力がまだ発達していない子どもの耳にも、歌詞がはっきり耳に入ってくる感じがありました。

(※)キャンディーズは1978年に「普通の女の子に戻ります」と宣言して解散。

特に、『ハートのエースが出てこない』『春一番』『微笑がえし』が鮮烈で、「すごくいい!」と思っていました。この時代のアイドルは、言葉をはっきり歌われる方が多く、歌詞が耳に心地よく入ってくる印象があります。その流れでは、天童よしみさんの『大ちゃん数え唄』も好きです。

――昭和のアニメ『いなかっぺ大将』の主題歌で、1970年のリリースですね。上垣アナの誕生より30年以上前の曲です。

朝の7時からサンテレビで再放送していたので、学校に行く前に楽しみに見ていました。「一つ 他人より 力もち~♪」と、親と一緒にカラオケに行く際にはよく歌っていました。

『一円玉の旅がらす』(1990年)は、いとこがよく歌っていたので覚えています。あと、TOKIOの『宙船』(2006年)も好きでよく歌っていました。『宙船』は、作詞・作曲が中島みゆきさんですので、私の中島みゆきさんの曲との出会いかもしれません。

ラジオ番組について熱弁する上垣皓太朗フジテレビアナウンサー

――上垣アナはラジオ好きとのことですが、いつ頃からラジオを聴くようになったのでしょうか。ラジオから知った曲も多いですか?

ラジオを聴き始めたのは中学生以降になります。大滝詠一さんの『さらばシベリア鉄道』(1980年)という曲が好きなのですが、その曲はNHKラジオの『ひるのいこい』(1952年11月から放送されている長寿番組)という番組で知りました。

『ひるのいこい』は歴史のある番組で、農家の方からのおたよりなどで構成されている、昼の10分間のとても落ち着いた番組なのですが、音楽の選曲が非常に攻めているんです。『さらばシベリア鉄道』を、一週間で10回、バージョン違いをかけたことがあったんです! 

他にも、樹木希林さんが亡くなった時には、樹木さんと郷ひろみさんのデュエット曲『林檎殺人事件』(1978年)をかけたり、NHKの内藤啓史アナウンサーが番組を卒業された時には、狩人の『卒業メッセージ』が流れたり。狩人といえば『あずさ2号』が有名ですが、『卒業メッセージ』はとてもレアな一曲です。『ひるのいこい』では、そのような曲をたくさん学びました。ラジオを通して自分の中に流れ込んできた曲がとても多いなと感じています。