2019年秋、ラグビーワールドカップが日本で開催され、日本チームのベスト8進出に列島が沸いた。まさにラグビーイヤーとなった今、再び注目を集めている伝説のテレビドラマがある。

校内暴力が吹き荒れる川浜高校ラグビー部に赴任してきた熱血教師が、どん底のチームを全国優勝に導くという感動の物語。京都市立伏見工業高等学校を舞台にしたノンフィクションをドラマ化した 『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』は、我々にラグビーを通して愛と友情、そして信じる力の素晴らしさを教えてくれた。35年前の放送ながらも、3年前に発売されたBlu-ray BOXは大きな話題となり、今年はついにネットでの配信もスタートし、根強いファンから新規のファンまでをも熱狂の渦に巻き込んでいる。

その中の大人気登場人物である、“川浜イチのワル・大木大介”を演じた松村雄基と、親友で“薄幸の美少年・イソップこと奥寺 浩”を演じた高野浩和さん(現在は会社員)による豪華対談をフジテレビュー!!が独占取材!

もう50代!“大木”と“イソップ”が初対談

ラグビーワールドカップの感想から貴重なドラマの裏話、素敵な50代を過ごしている2人の最近の話…などを前後編でお届け!

都内スタジオにて翌日に控えたシャンソンコンサートのリハーサル中だった松村。そこにラグビーボールを抱えて高野さんが登場したところから対談はスタート。

高野:お久しぶりです。

松村:ちょっとどうしちゃったの(笑)!どっちがラグビーボールか分からなかったよ!何年振りだっけ?

高野:2016年前に、『スクール☆ウォーズ』のBlu-ray BOXの発売記念イベントで同窓会をやった以来ですね。

松村:そうだ、3年ぶりか。あの時は同窓会の後に山下(真司)さん (*主役の熱血教師・滝沢賢治役) と、(宮田)恭男 (*森田光男役) と一緒に飲みに行ったよね。懐かしい!

「こんな日が来るなんて…」ラグビーワールドカップについて

松村:日本でラグビーワールドカップが開催される日が来るなんて思いもしなかったけど、すごく盛り上がったよね。浩和の周囲ではどうだった?

高野:すごい盛り上がりでしたね。松村さんや山下さんがたくさんラグビー絡みで取材に応えられているのを見て、「いつになったら自分のところに取材がくるんだろう?」って思っていたら(笑)。

松村:終わったころにこの取材がきたね(笑)。

高野:どちらかというとラグビーってマイナーなスポーツのイメージがあったと思うんですけど、すごい盛り上がったのが傍から見ていてもうれしかったし、試合にも感動しましたね。

松村:今回のワールドカップで印象に残ったシーンはやっぱりベスト8に入った時のアイルランド戦での死闘でしょ!まさに死闘だったよね、不覚にも泣いてしまった。

高野:日本が南アフリカに負けてしまった後にグランドを回る中で、選手が自分のお子さんをグラウンドに降ろすシーンがあったんですけど、おそらく練習漬けで家にも帰れない環境があったのかなって感じられて。そういうシーンにもグッときましたね。

松村:そうだよね、1年のうち300日くらい合宿が続いて家族にもなかなか会えなかったらしいし。あとはノーサイドのシーンかな、敵味方が命をぶつけ合った戦いの後、ノーサイドの瞬間に敗者を送ってあげる、日本チームも負けた南アフリカチームに送ってもらったシーンは「One for all , All for one」って言葉がまさにピッタリで素敵だったね。ラグビーはボールを仲間へ渡して繋いでいく、仲間ために戦っているっていう意識がすごく高いスポーツ。僕は35年前にそこまで深く感じる余裕はなかったけど(笑)。トライをした人がヒーローに見えがちなんだけど、みんなで繋げたボールがあってこそ。福岡堅樹選手も松嶋幸太郎選手も、見事なトライが素晴らしかったけれど、そこに至るまでの頑張りがみんなをヒーローにさせるんだって改めて感じた。

松村:日本代表の田中史朗選手の活躍もすごかった。ああいう小兵な選手も大柄な選手も、みんながそれぞれのポジションでやるべきことがあるっていうのがラグビーというスポーツの良いところだと思うんだよね。南アフリカのファフ・デクラーク選手もそう、「172cmの僕が活躍することで勇気を与えたい」ってまさにそうだよね。個人的には田中選手に今後ますます活躍してほしい。彼は京都市立伏見工業高等学校で山口良治先生(*主人公・滝沢のモデル)の教えを受けていて、座右の銘が「信は力なり」(*滝沢がオールジャパン時代に監督から贈られた名言)だから、すごく親近感を覚えていて。彼らは「絶対にベスト8に進出する」って信じたんだよね。信じて頑張れば目的を達成できるんだって勇気をもらえたし、日本チームはその言葉を体現したチームだった。

実は運動神経の良いイソップ『スクール☆ウォーズ』裏話

高野:撮影当時、僕からすると松村さん、宮田恭男さん、山下さんも大スターで。そんな中に入っていかないといけない、しかもレギュラーでドラマにしっかり出演するのは初めての経験で。台詞を覚えるのにも必死だったのを覚えています。

松村:それに、浩和本人は実は運動神経が良いのに、イソップは運動神経が全くない役で。現場で見ていて懸垂のシーンでは悔しそうだった。(*退学の危機にあった親友の大木のために懸垂に挑戦する名シーン)まあ、芝居だから良いんだけどね(笑)。虚弱キャラのイメージが強くて、街でもそういう人みたいに声をかけられちゃうしね。

高野:懸垂のシーンでは、自分ではたどたどしくやっているつもりでもうまく演技できないから、途中から手にベビーオイルを塗って滑るのを堪えて苦しそうにするっていう仕込みがありました。

松村:知らなかった!わざと苦手な感じを出すのって難しいんですよね。またイソップが綺麗な涙を流すんだよね、それも目薬の綺麗な涙を(笑)。目薬を入れて一筋の涙がキラキラキラーっと、こんなに綺麗に泣ける人いないですからね。

高野:後半は自前の涙でしたよ(笑)。

松村:イソップが不治の病を告知されて自暴自棄になって失踪するシーンをすごく覚えているんだけど。滝沢先生に見つけてもらった時に泣きながら訴える「人間は何のために生きているんですか?」っていう台詞に、滝沢先生が「愛すべきものを愛し、戦うため」って即答する、それがかっこよくてね。二十歳くらいであまり深い意味もまだ分からないけど、側で聞いていてすごくジーンときてね。あのドラマは出演者も現場でたくさんの感動を受けていた。

高野:撮影中とにかく必死だったという印象が強いので、その当時はそこまで深い意味は分からなかったけれど、後から見返す度に台詞に非常に重みを感じています。あと、ドラマではあるけれどそれぞれに実在のモデルの方がいるので、そういう重みも感じますよね。

松村:実在のモデルの方がいるのって責任を感じるよね。イソップの場合はモデルとなった方が亡くなっているからこそ余計にっていうのはあるよね。

高野:僕が一番覚えているのは、台本では7ページくらいに渡る松村さんとのシーン。河原で歩きながら大木がイソップに、「ラグビーには一人のヒーローはいらない、みんながヒーローにならないと勝てない」という話をするところは、今回のワールドカップを彷彿とさせるっていうか。僕は今サラリーマンをやっていますが、なかなか仕事で“ワンチーム”になるって難しくて。そうなれたら会社なり組織なりも良くなるんだろうなって思います。

松村:「愛とは信じ、待ち、許すこと」って滝沢先生が恩師から言われた言葉で、浩和の結婚式に番組でサプライズ出演した時のスピーチでも言ったけど。どう?許してる?許されてる?

高野:うーん、許されてる方かもしれないですね(笑)。

――ドラマの貴重な思い出トークに花が咲き、対談は大盛り上がり!後編では更なる撮影秘話と、素敵な50代を過ごされているお2人のプライベートについてお届けします。

ファン感涙の貴重なプレゼントもあります!後編をお楽しみに!

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