稽古前から息の合ったやりとりをみせる薮さんと橋本さん。実は橋本さんにとって薮さんは、芸能界に入るきっかけになった人物だそうで、当時のエピソードを懐かしそうに振り返ります。

薮宏太 橋本良亮の歌声は「柔らかいのにきちんと芯がある」

――俳優としてのお互いの印象を聞かせてください。

薮:機会がなくて、はっしーが出ている作品を観たことがないんです。でも「どの作品に出演しているか」くらいはなんとなく知っている。だから、観ていないのに適当なことは言えないというのが正直なところ。

コンスタントにオファーが来て、いろいろな作品に出続けているということは、それだけ評価されているということですよね。

10年以上ぶりに一緒に舞台に立ちますが、相手の術を知らないからこそ稽古を通して見えてくるものがあると思うので、今はそこが楽しみです。

橋本:先日、初演の資料を見たばかりなんですけど、俳優としての宏太は役をしっかり自分のものにしていて、純粋に「スゴいな」と驚きました。

――歌声の印象についても聞かせてください。

薮:はっしーはA.B.C-Zのメインボーカルでもあるし、耳なじみがいい柔らかい歌声ながら、きちんと芯がある歌い方をするんだよね。そして、声を聴いてすぐに顔が浮かんでくる。そういう人はあまりいないと思うから、歌い手さんとして素晴らしいことじゃないかな。

そんなはっしーがガチロックに挑むのは楽しみだし、体を使って表現するのはうちの事務所の人たちってすごく上手じゃないですか。はっしーはかなりの適役だと思います。

橋本:僕は昔から宏太の歌声が大好きで。宏太が出演していた『Ya-Ya-yah』(テレビ東京)という番組を事務所に入る前から毎週見ていて、「素敵な声してるな、宏太になりたいな(笑)」って憧れていたんです。

そして、姉が申し込んだオーディションで初めて宏太と対面して、「うわっ!本人いる」って。もう本当に“テレビの人”という感じで、ただのファンでしたから(笑)。

おそらく、事務所の先輩の中で一番聴いた声なんじゃないかな。相変わらず透きとおった声で、そんな宏太と舞台に立つなんて面白い縁だと思います。

――橋本さんが薮さんの歌声のファンだったことは知っていましたか?

薮:ぜんぜん(笑)。でも、カウントダウンコンサートとかで会うと「宏太の歌声が好きなんだ」とか「やっぱいいね」「声変わりしても透きとおってる」みたいなことを毎回、言ってくれるから、うれし恥ずかしみたいな(笑)。

――橋本さんと初めて会ったときのことを覚えていますか?

薮:オーディションで何百人という少年たちが踊っている中でも、「この子は残るだろうな」ってなんとなくわかるもので。うちの山田(涼介)もそうだったけど、自然と目を引くんですよね。その後に後輩として改めて会って、「やっぱこの子は残るよね」と感じました。

――薮さんから『ジョセフ~』に関してアドバイスしたいことはありますか?

薮:ギターの音をはじめ、素敵な曲が満載だから、身を任せると勝手に成立しちゃうと僕は思っている。その中で、はっしーならではの個性を出せばいいんじゃないかな。

実際にステージで聴いたら曲のすごさがわかると思うし、そこにはっしーの表現力が合わさったら、さらによくなるはず。とにかく曲を信じてほしいね。

橋本:いろんなジャンルの曲がつまっているから、僕としては早く歌いたくて楽しみしかない。「曲を信じる」っていい言葉だね。

――橋本さんから薮さんに聞きたいことはありますか?

橋本:そう言われると思い浮かばないんだけど(笑)、稽古に入ったら、宏太がどんなふうに作品に向き合っているのかを観察しちゃうと思う。

薮:そんなことされたら、ふざけると思うよ(笑)。そして、「集中しろ」って怒られそう。「なんか懐かしいね、この感じ」みたいな。