<土屋太鳳 インタビュー>

――映像を見ての感想はいかがですか?

一度、亮佑さんと共演してみたいなと思いました。お芝居は人が描いた心を演じるものですが、結局は自分自身の生き方を提示して、それに共感してもらうことだと私は思っていて。

亮佑さんは自分の生き方をお芝居にして、見てくれる方に直接、感情を伝えています。そうやって周りを巻き込むところが、とても素敵ですし、それこそが舞台の醍醐味だと改めて思いました。

――諦めずに夢を追い続ける亮佑さんの姿には、どんな印象を持ちましたか? 

亮佑さんはこのままで良いか悩み、一人芝居の形を“お客さん呼び込み型”から“路上ライブ型”に変えます。所属している劇団も辞めて、路上役者の活動だけで生計を立てようと一念発起。この決断がちゃんと未来につながるか、すごく不安だったのではと思います。

そういう(決断をした)経験は、きっと誰もがあるのではないでしょうか。私もあります。いつも未来が不安で仕方なくて。でも、どれだけ考えても結局“今”を見ていなかったら、前に進めないと思うんです。だから今を大切にして、自分で少しずつ光を見つけながら突き進んでいく亮佑さんは、すごく素敵だなと思います。

そして、私が最近すごく感じるのが、「人はその時期が早いか遅いかだけで、必ず(成功する)順番は来る」ということ。亮佑さんのお芝居がいつか、もっとたくさんの方々の心に触れることを楽しみにしています。

――亮佑さんが路上役者の夢に邁進(まいしん)できるのは、全面協力している妻・華恵さんの力も大きいのでは。華恵さんの印象はいかがですか?

きっと亮佑さんの大ファンなんだろうと思います。亮佑さんの生き方がお芝居となり、路上で見る人に何かを伝えていく。そういう素敵な魅力が、ほかの何より勝っているのではないかなと思います。

華恵さんは、亮佑さんが好きなことを続けられるよう、自分でカフェを開業しようと準備していますが、それも亮佑さんの存在が活力になっているのだと思います。

――路上役者というお芝居のスタイルについて、どう感じましたか?

通りゆく人たちは自分の行き先や、一緒にいる相手、スマホを見ている方がほとんどで、すごく難しそうと感じました。だからこそ、勇気ももらいました。亮佑さんのエネルギーは一体どこから生まれてくるのだろうと思いましたが、きっと人の心の動きが好きで、その瞬間をキャッチする能力に長けているのかもしれません。

こうして夢に向かって頑張っている路上パフォーマーの方を知ると、より身近に感じますし、これからは街で「パフォーマーさん、いないかな?」って探したくなります。

――亮佑さんは観客との距離がとても近いです。土屋さんはファンの方と交流するうえで、亮佑さんに共感する部分はありましたか?

来てくださる方々に直接メッセージを送る姿は、すごく素敵だなと思いました。私も応援してくださる方々に対して、できるだけ直接お礼を伝えようと思っているので、亮佑さんの思いに共感しました。出会った人を大切にするというのは、どの職業でもすごく大切なことだと思います。

――現在の土屋さんの夢や、追いたいものを教えてください。

“良い生き方”です。良い生き方をすれば良いお芝居ができるはず、というのを信じていて。お芝居はどれだけ追っても正解が見えないので、よく不安になります。でも、亮佑さんのように自分を奮い立たせながら、見てくださっている方のことを思いながら、良いお芝居ができるように追っていきたいです。 

私は、追うものは1つではなく、2つでも3つでも良いと思っています。だから家族もお仕事も、どっちつかずではなく、どちらも心を込めて追いたいです。

予告動画

YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。9月15日(日)14時~「いつまで夢を追いますか~路上役者 令和の路上物語~

配信スケジュール

9月8日放送「ほめる人とほめられる人~褒めますおじさん 令和の路上物語」が、9月22日までTVerFODで無料配信されます。