──当初、一美は金太郎のことを敬遠していましたが、徐々に絆を深めていきます。一美の心境の変化を表現するうえで大切にしていたことはありますか?

一美は、これまですごく努力をしてきた自負があるんだと思うんです。だから、金太郎のような仕事に不慣れな人だったり、異色の経歴を持っていたり、声が大きかったりする人に対して、嫌悪感というか警戒心が強くて。

それでも長く一緒にいることで、人柄に触れて、自分の心が解けていく感覚があったのですが、私自身も一美と一緒にその感覚を感じることを大切にしていました。

そういう思いもあって、実は撮影の最初の頃は、鈴木さんのことを警戒していたんです(笑)。でも、穏やかな方だと知って、徐々に心が開いていきました。

影山優佳から見た鈴木伸之は「ハツラツとした方。私自身がパワーをもらっていた」

──一美を演じるために準備したことはありましたか?

これまで演じてきた役柄のなかで、一美は一番年上のキャラクターでした。しかも、私は会社員を経験したことがないので、“仕事ができる人”をどう表現したらいいのかノーアイデアだったんです。

だから、会社員が登場するドラマをいろいろと見返して、勉強してから撮影に臨みました。

──主演の鈴木伸之さんの印象を聞かせてください。

いつも穏やかで、ハツラツとした方ですね。すごく寒い時期の撮影だったのですが、会った瞬間に現場がパッと明るくなるんです。そういう部分は金太郎に重なりますし、常に前向きな姿を見せてくださっていたので、お芝居をしながら私自身がパワーをもらっていました。

いろいろお話をうかがったのですが、意外とゲームがお好きで家にこもっていると聞いて、ギャップがあって面白い方だなと思っています。

『サラリーマン金太郎【魁】編』より