佐藤寛之さんと山本淳一さんが、伝説的グループ復活への希望を明かしました。
元・光GENJI(※)の佐藤寛之さんと山本淳一さんが、植草克秀さんのコンサート「KATSUHIDE UEKUSA 2023 MOVING ON~SECOND SEASON~」にゲスト出演します。
大先輩と同じステージに立つ意気込みや懐かしい思い出のほか、日本中を熱狂させた光GENJIという偉大なグループへの思いを聞きました。
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(※)光GENJI…光=内海光司さん、大沢樹生さん、GENJI=諸星和己さん、佐藤寛之さん、山本淳一さん、赤坂晃さん、佐藤敦啓(現・佐藤アツヒロ)さんによる7人組。ローラースケートを履いて、歌い踊る斬新なパフォーマンスで一躍社会現象となり、1987年~1995年の8年間で多くの記録を樹立した。
<佐藤寛之&山本淳一 インタビュー>
――植草さんのコンサートに出演することになった経緯から聞かせてください。
佐藤:植草さんと共通の知人がいて、その方からちょうど1年前のコンサートに誘っていただいたんです。そうしたら、植草さんやなじみのスタッフさんから、冗談交じりに「YOU出ちゃいなよ」みたいなことを言われ、1曲だけステージに上がって踊らせもらって。
それから、コンサートやディナーショーへお邪魔するたびに「(本格的に)出ちゃえば?」と言われ、そのうち僕も「本気で言っているのかも」と思い始めたんです。光GENJIを脱退してから1人で活動していて、そことの棲み分けもしたかったし、頭の片隅に山本のことがあったので、彼にも声をかけて。きちんと話し合ってというより、自然の流れですね。
山本:僕は数年間、地方で暮らしていたのですが、東京に戻ってきたときに、ヒロくん(佐藤さん)から「元気にしているのか?」と連絡をもらい、再び交流が始まりました。そして、「先輩のエンターテインメントを勉強しに行ったほうがいい」と誘ってもらって、植草くんに会いに行ったという。
佐藤:それが、ただ観に行くだけなのに、山本は出る気満々で、赤いストールを巻いて現れたんですよ(笑)。ジャニーズ事務所へ入ったときも、ジャニー(喜多川)さんから先輩のコンサートにいきなり「出ちゃいなよ」と言われてステージに上がったので、そういうものだとどこかで思っていたんでしょうね。
山本:子供のころからそれできているから、「観に行く=出る」というのは頭の片隅にあったんだと思う。植草さんは昔と変わらず明るい空気感で包み込んでくださって、そこから1年弱、ついにステージで共演させていただくことになり、光栄どころか胸アツすぎてビックリしています。もしかしたら、今回だって客の立場だったかもしれないのに、奇跡のようなチャンスをいただいたので精一杯盛り上げたいですね。
――出る気満々だったということは、ローラースケートも持参したんですか?
山本:さすがにそのときは持っていきませんでした(笑)。だけど、いつどんなチャンスが巡ってくるかわからないもの。予告なしに振られても、きちんと実力を発揮しなければいけないというのは、ジャニーズJr.のころの経験から培われていました。
佐藤:僕は何を始めるにもだいぶ時間がかかってしまうタイプなので、山本の瞬発力はすごいなと思いました。
山本:植草くんとヒロくんのコンタクトがなければ、今回のゲスト出演はあり得ないものだったので、つなげてくれたヒロくんには感謝です。
佐藤:僕は23歳でグループを脱退しているので、52歳のこの年齢になって、まさかそういう世界に戻ることがあるのかと。人生って面白いなって感じましたね。
――いつでもステージに戻れるよう、準備はしていたんですか?
山本:全然。ヒロくんはヒロくんのスタンスでライブ活動を行い、僕も昨年の光GENJIデビュー35周年を機に、前を向いて歩いていこうと準備していた時期に植草くんのエンターテインメントにふれ、刺激を受けて「こんなふうにできたらいいよね」なんて話をヒロくんとしていましたが、それが現実になるとは。すべてのタイミングが重ならないとできないことですから、大事な時間をファンの皆さんと共有したいです。
佐藤:今回のステージが決まった瞬間から、僕はずっと夢の中にいるような感じなんです。事務所を退所してから植草さんとのつき合いがまったくなかったので、何もかもリセットされ、10代の自分に戻った感覚です。
50代になり、ローラースケートでのパフォーマンスにも変化が
――リハーサルの手ごたえを聞かせてください。
佐藤:僕は不安しかないです。この30年、自分なりにやってきましたけど、お客様はローラースケートのパフォーマンスを期待してお越しになると思うから、自主練しましたし、お客様が何を望んでいるのか、どういう曲を聴きたがっているのかを2人で話し合いました。
山本:緊張していないと言ったら噓になりますけど…。
佐藤:してないでしょ?
山本:出さないようにしている。緊張を感じるときって、何かを始めようとしているときだと思うんです。今回、目の前にお客様がいるという体(てい)でリハーサルをしていたら、本番と錯覚するぐらい楽しくなってきて、いつの間にか邪念は吹っ飛んでいました。
リハーサル前の移動中のほうが緊張しているかな。でも、現場に到着すると、植草くんがいつも温かい空気で包んでくださるので楽しくやっています。
そんな時間を過ごしているうちに、3人の思いが重なる瞬間があって、それがグループの垣根を超えて、一つのステージになる。かけがえのない時間は、皆さんにも共感していただけると思います。
――お二人は現在、アラフィフということで、体力的な変化は感じていますか?
山本:50歳を過ぎると仕方ないんですよ(笑)。ローラーを履いてひと漕ぎするにしても汗のかき方が違いますし、「そんなに消耗するか!?」っていうぐらいに疲弊している。こんなに体力が落ちていたのかと、ショックでしたね(苦笑)。
佐藤:体力的にもそうですが、頭の回転も鈍くなっている気がします。例えば、こんなふうに会話をしているとき。くどいんですよ…、気づけば同じことを何度も言っていて、さらっといけない(苦笑)。
できるだけ昔のパフォーマンスに近づける努力をしたいと思いつつ、等身大の僕らでもいいかなとも思っています。先輩の背中を見ながら、超えるぐらいの意気込みでいきたいね。
山本:そう!超えなきゃいけないんですよ。
佐藤:植草さんに「ふざけるな!」って言われそう(笑)。でも、それぐらいの気持ちでやらないと、逆に失礼だよね。
大先輩・植草克秀とのかつての思い出を披露
――植草さんとの思い出を聞かせてください。
佐藤:僕はあまり接点がなくて、歌番組でご一緒した程度でしたが、プライベートでは合宿所でのヤンチャな植草さんしか覚えていないですね。ふざけてじゃれてきたり、忍者の皆さんにからんだりするなど、イタズラ少年のイメージ(笑)。あと、1年前に再会したときに菓子折りを持って挨拶したら、佐藤までは覚えていたけど、下の名前は覚えていなかったという(笑)。
山本:わざとだよ(笑)。
佐藤:「佐藤といえばアツヒロ」って言ってたよ。
山本:絶対に知ってるって。僕の場合はプライベートでご一緒した回数のほうが多かったです。アロアナという高級熱帯魚に興味をもった時期があって、植草くんが飼っていると聞いたので、見せてもらいにご自宅へうかがったんですよ。そうしたらお魚だけじゃなく、1m50㎝の水槽一式をプレゼントしてくださって、僕の家に来てセッティングまでしてくれたんです。
部屋にあった釣り具を見て「お前、釣りやるの?一緒に行こうぜ」と誘ってくれて、いろんなところへ連れていってもらいました。だから、共通の趣味をもったやさしいお兄ちゃんって感じ。ヒロくんが言うイメージとはちょっと違うかな。
佐藤:対照的ですよ。僕は「植草さん」と呼ぶのに、山本は「植草くん」って。
山本:今さら「植草さん」なんて呼ぶのも気持ち悪いよ。今回のコラボを機に、また釣りやキャンプなど連れていってほしいです。そのときはヒロくんも一緒に、ね。
佐藤:誘ってもらえるかな(笑)?リハーサルをしていても、山本のほうをに5回視線を向けたとしたら、僕には1回だけなんです。
男闘呼組再結成で考えた、光GENJIの“未来”
――昨年、男闘呼組が再結成したことで、光GENJIにも注目が集まっていますが、復活の可能性を聞かせてください。
山本:今回の僕とヒロくんじゃないけど、みんな個々で活動していますし、それを一つに合わせるのは、難しいといえば難しい話。でも、「7人でいつか」という思いはみんなもっているはずだから、誰かが先頭とかじゃなく、全員がフラットな位置に立ったときだったら、復活はあり得ると思います。
佐藤:断る理由なんて何もないし、僕もみんなが同じ気持ちならやりたいと思う。ただ、難しい部分もあるので、そこをクリアしたら実現できるのかな。6年前の30周年のときに7人で集まることができて、僕は「いけるかな」と思ったんですよ。全員が集まったのは解散以来で、そのときに、「やれるんだったらやってもいい」という意志を、みんなが抱えていることは確信しました。
山本:それ以来会っていないメンバーもいますし、もしかしたら、この6年の間に気持ちが変化した人もいるかもしれないから、今度集まったときがチャンスですね。
佐藤:この年齢になるとそれぞれ事情はあるし、人によっては「あいつのやっていることは納得いかない」ということだってあるかもしれない。グループ活動をしていた当時、「仲はよかったか?」と聞かれたら、正直にいうと“すごく仲良し”とは言えなかった僕らだけど…。
山本:とはいえ、仲のいいメンバーもいたんですよ。バックステージではどうであろうが、ステージに立てば、きちんと表現できる人たちだったし、酸いも甘いも経験して、人の苦しみや痛みがわかる人間になっているとお互いに納得できたら、また素晴らしいグループになれるんじゃないかな。
佐藤:昔とは明らかに違った光GENJIになると思います。瞬間だけ仲良く見せるのではなく、「ここまでよくやってきたね」と互いを思いやれるような。
山本:男闘呼組の皆さんはそれが見えるんですよね。だから、再結成できたんだと思う。
佐藤:例え、よそから批判があったとしても、7人が同じ気持ちだったら超えられるはず。山本が言うように、フラットな気持ちで向き合えたときが、復活のタイミングなのかな。植草さんと錦織(一清)さんの関係を見ていると「そりゃできるよな、すごいな」って感心するんですよ。
山本:男闘呼組の再結成は、僕たち自身もパワーをもらった最高のニュースでしたね。僕たちだけではなく、解散したり、活動休止したりしているグループの人たちもいろんなことを感じたと思います。
――光GENJIの解散コンサートでは、脱いだローラースケートをステージに残して、皆さんが退場していくという演出がありましたが、今度はスケートを履くところから始めるのでしょうか?
佐藤:大沢さんは置いていったけど、実は僕、置いてないんだよ(※)。
(※)佐藤さんと大沢さんは1994年8月にグループを脱退。他の5人は光GENJI SUPER5と改名した。
山本:SUPER5は5個置いて、退場していったよ。
佐藤:あのパフォーマンスを僕はやってないから、ローラースケートはまだ自宅にある。
山本:じゃあ、復活するときはステージに置いてあるローラーにスポットライトが当たって、6人が「よしっ!」って履くところからスタート。ヒロくんだけは自分で持っていって履くという(笑)。
佐藤:面白いね(笑)。
――今回のコンサートでは、佐藤さんと山本さんの新曲も披露されるとか。
山本:スタッフさんから「2人の新しい曲を作るよ」と告げられて完成した曲なのですが、このコンサートがなければ曲と出合うことも、お披露目する機会もなかったんですよね。
佐藤:今の僕たちにピッタリな楽曲に仕上がっているので、2人のハーモニーを受け取ってください。
――コンサートを楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
山本:植草くんとヒロくんに声をかけていただけなかったら、今の山本はなかったので、貴重な時間を悔いのないように過ごしたいと思います。
佐藤:山本とパフォーマンスするのは5年ぶりとなりますが、この年代で一番のパフォーマンスお見せしたいです。あとは、懐かしんでもらうことが一番かな。当初は東京公演の1日だけ出るぐらいのイメージでしたが、全公演出演することになって、夢の時間が1ヵ月続くと思うとワクワクしますし、ドキドキもする。楽しみながら、ステージに立ちたいです。
「KATSUHIDE UEKUSA 2023 MOVING ON~SECOND SEASON~」
【東京公演】5月2日(火)~4日(木・祝)日本橋三井ホール
【名古屋公演】5月18日(木)・19日(金)DIAMOND HALL
【大阪】5月29日(月)・30日(火)なんばHatch
最新情報は公式サイトにて。
撮影:河井彩美