インド、バングラディシュなど途上国の素材で作ったバッグや洋服などを販売するブランド「マザーハウス」代表、デザイナーの山口絵理子さんに密着しました。
マザーハウスは、全国に39店舗、台湾やシンガポールにも店を構えており、スタッフは世界9ヵ国で800人を超えます。
ブランドでは、インドの「カディ」と呼ばれる生地で作った洋服や、バングラデシュのレザーを使ったバッグなど、途上国の伝統的な素材と技術によって製品を作ります。
途上国でボランティアする人が発する「子どもたちの目が輝いている」「彼らの方がキレイな未来を描いている」といった言葉に、「違和感があった」という山口さん。
国の力を見せる上で「商品は嘘じゃない」と思い立ち、「『やればできる』ということをプロダクトを通して作りたい」と、途上国でのモノづくりを始めました。
番組では、山口さんが商品を作る上で参考にしているものや、商品を作る上での思いに迫りました。
途上国の力を信じ、現地の素材と技術で世界に挑む、マザーハウス代表・デザイナー 山口絵理子さんの“セブンルール”とは?
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ルール①:現地の人とは現地の言葉で話す
山口さんが、この日向かったのは、インドの国境近くにあるムルシダバードという農村。
新作の洋服で使用する生地を受け取りに来ました。
オーダーした生地は、イメージよりも白と黒のバランスが悪く、白くなりすぎてしまったため、山口さんは職人に現地の言葉で調整をお願いしました。
毎月のように、素材の原産地を訪れる山口さんは、生産地の言語に合わせて、英語・ベンガル語・ヒンディー語・ネパール語を使い分けます。
ルール②:デザイン画は描かない
山口さんがデザインを作るときは、型紙を元に考えます。
デザイン画では、どこかで見たものを描いてしまう可能性があるそうで、「それはあんまり面白くないんじゃないかな」と、紙を切り貼りしイメージします。
作り上げた型紙をもとに、職人と相談して革や生地を組み合わせていくと、わずか2日でバングラデシュ産の牛の革を使ったリュックが出来上がりました。
ルール③:朝からミシンを踏む
山口さんは、経営者兼デザイナーとして、これまで1000以上の商品を世の中に送り出してきました。
社名の「マザーハウス」は、「尊敬するマザーテレサと、家のように安心できる場所を作りたい」という思いから名付けたといいます。
朝、まだ誰も出社していない工場を訪れた山口さんは、ミシンを踏みました。
理由について「朝一番が一番頭が働くタイプなので。発想とか右脳を刺激する時間は午前中にして、午後から左脳を使った会議や戦略、出店(計画)に時間を当てたり(しています)」と明かしました。
ルール④:夫婦の相談事は自然の中で
山口さんは、3年前に結婚し、現在は2歳の娘を育てる母でもあります。
普段、彼女が、途上国と日本の往復生活を送る中で息抜きとなっているのが、夫婦で自然を感じに行くこと。
月に最低1度は平日に休みをとることをルールとしており、この日は夫婦で高尾山を訪れ、自然を満喫しました。
すると帰り道、夫から「飲み会の予定が入った」との相談が。
山口さんは、その相談を受け入れると「自然の力を借りると、ちょっと寛大な気持ちで受け入れることができるので、活用しています」と語りました。
ルール⑤:現地で感じた色を商品にする
洋服を作るために、インドのコルカタにある現地工場へ。
しばらくすると、工場の外に出て、散歩しながら街の様子を写真で撮影。その風景からインスパイアを受け、色の参考にします。
山口さんは「『お客さまが今の生活の中に落とし込める、寄り添えるカバンって何?』というのを、チューニングしていく。それが私のデザイン作業」と口にし、現地で見た夜空の色や紅葉の色をデザインに落とし込みます。
ルール⑥:試作品は見せない
山口さんは、商品が試作品の段階では、まだスタッフに見せません。
「『色がすごい』とか『形がすごい』と、初見で感じるエモーションってあるじゃないですか」と、完成品を目にしたときの、ファーストリアクションを見るため。
それが商品を見るお客さんの反応にも近しいと感じており、「そこからキャッチコピーを持っていくみたいなことも」と明かしました。
ルール⑦:商品の入口と出口を見届ける
新作のファッションショーに足を運んだ山口さん。
ショーを見終えると「インドのコルカタから4時間半の列車で行ったあの村から始まって、このファッションショーのモデルさんまで(いきつきました)。入口から出口まで見られる醍醐味っていうのは、大変だけどめちゃくちゃ楽しくて」と感想を。
完成までの間に、問屋や商社などを介した方が便利なファッション業界。
しかし山口さんは「『誰にも間に入らせない』といったこだわりや熱量を、そのまま届ける。(そうすることで)聞こえたお客さんの声というのを、作っている人にきちんと届けることによって、職人のみんなも頑張る意味を感じられると思うんですよね」と説明。
完成した商品に、生産地の名前が刻印されることで、バッグ作りに携わった職人さんは「自分たちの製品が多くの人に買ってもらえて誇りに思う」と喜びました。
スタジオでは、長濱ねるさんが目を潤ませ「感動しましたね」、本谷有希子さんは「個人でここまでたどり着いているのが(すごい)」と称賛。
YOUさんは、世界平和を目標に掲げる長濱さんに「(山口さんと)対談とかしてみて近付いて、いろいろ聞いてみた方がいいんじゃない?」と提案しました。
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番組公式HP:https://www.ktv.jp/7rules/
女優・今田美桜に密着
3月14日(火)放送の『セブンルール』は、「福岡で一番かわいい女の子」として注目を集め、『花のち晴れ』(TBS)、映画「東京リベンジャーズ」など数々の映画やドラマ、CMなどで活躍する女優・今田美桜さんに密着。
彼女のモットーは「自分をよく見せようとせず、自然体でいること」。日本アカデミー賞新人俳優賞受賞で一躍脚光を浴び、「新世代のCM女王」と呼び声も高い女優・今田美桜さんの7つのルールとは?