映画『愛の渦』『娼年』などを手掛けた監督・三浦大輔が、女性芸能人たちに架空ながらリアリティあふれる設定とセリフを与え、“フェイク”な中からオンナたちの素顔を浮き彫りにしていく“フェイク(虚構・嘘)ドキュメンタリー”がいよいよ最終回を迎える。

最後のヒロインに抜擢されたのは、人気グラビアアイドルの小倉優香。8頭身の美ボディで“リアル峰不二子”と称される彼女に、三浦が考えた設定は“ポルノ女優”。女優としても活躍中の小倉は、演技には「自信がある」と断言するが…。

「わかんない」と泣き出す小倉に、三浦の怒りが爆発し…

現場では『人間の証』最終回にて、初めての事態が起こっていた。小倉が、三浦の要求する演技ができないまま撮影最終日を迎えてしまったのだ。小倉自身も「限界」と認めたため、番組ディレクターは「芝居ができないことも含めてドキュメンタリーにする」ことを提案。

今回に限って “フェイクドキュメンタリー”ではなく“リアルドキュメンタリー”にするのも一つの手段かもしれない、と三浦も考えていた。

時はさかのぼって撮影1日目。ポルノ映画でのキスシーンの撮影を終えたという設定の小倉に、三浦はインタビューを始めた。「(撮影は)新鮮で楽しめました」「(ポルノ女優として)いろいろ挑戦したい」「(ポルノ映画が)今の小倉優香のすべてです」と、“台本通り”にセリフを言う小倉。しかし、そのどこか平坦な演技に、三浦はカメラを止める。

「セリフに自分をのせていくっていう作業はわかる?」と、女優の根幹にかかわる質問を投げかける三浦。しかし、小倉がすべて理解した上でその演技しかできないことを知ると、絶句してしまう。

その後も何度カットを重ねてもダメ出しを受けてばかりの小倉は、フォローしようとしたディレクターに「何がダメかわかんないです…」と本音を吐露。気持ちを切り替えてその日の最終テイクに挑むが、三浦は「自分で“できてる”と思ってやってます?」と手厳しい反応で…。

小倉は「大丈夫です」と返すが、「大丈夫じゃない状態だ」と三浦はバッサリ。挙句の果てに「わかんない」と泣き出してしまった小倉に、三浦は思わず台本をカメラに投げつける。打開策が見えないまま、初日の撮影を終えた。

「この番組、やめたほうがいいと思います」三浦が衝撃発言!

そして撮影2日目。初めての濡れ場を終えた後のインタビューで、「(自分の中から)出てくる感情でやってみようかな」と、決意を見せた小倉。しかし、三浦から「ポルノ女優に対して前向きな感じがしない」と再び厳しいダメ出しが。

「私がやろうとしていることと、監督が求めてるものが違う」という小倉の言葉を受け、三浦は番組を成立させる“応急処置”として、セリフごとに細かく演出することに。そんな状況になったことに、小倉は涙を流し心を閉ざしてしまう。三浦も「最終話にしてミスキャストか…」と思わず弱音をもらす。

撮影3日目も、2人はかみ合わず、イライラが募る三浦は「自分のこと、女優だと思ってる?」と小倉の覚悟を問うが、小倉は首を振るばかり。そんな小倉に、三浦は「この番組、やめたほうがいいと思います」と突きつける。すると小倉は、「今まで(グラビアなどで)自分じゃない人を演じてきたのが、本当の自分を否定しているみたいだった」と、ようやく本音を語り始めるが…。

番組最終回にして、過去6回のどの回よりも、臨場感と緊迫感にあふれる今作。もちろん、この番組で語られるセリフはすべて、三浦が書いた台本に基づくものだ。しかし、今回、特に撮影最終日に小倉が見せた演技は果たして“フェイク”なのか、それとも…?

撮影終了後、自身にとってこの番組を「ウソから出た実(まこと)」だと笑顔で語った小倉。20歳にして堂々と語る小倉の“ウソ”と“実”を、あなたは見極められるか。