瀬戸利樹さんと中田圭祐さんが、「地球滅亡の最期の日」をともに迎える恋人同士を演じました。
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ドラマ『僕らのミクロな終末』(ABCテレビ制作)は、コミックシーモア「みんなが選ぶ電子コミック大賞2023」のBL部門にノミネートされた、丸木戸マキさんの同名マンガを原作とした作品。大ヒット
BLドラマ『ポルノグラファー』シリーズの制作陣が再集結した話題作です。
地球滅亡まであと10日、仁科真澄(瀬戸利樹)は「この世で一番会いたくない昔の男」日下部律(中田圭祐)と再会してしまい、律から「最後の時間をともに過ごそう」と提案され、静岡県・浜松に向かうことに。共に過ごすうちに互いの負った痛みや傷に向き合うことで、心と身体の距離を再び縮めていきます。
ラブあり、人間ドラマあり、ロードムービー要素ありと、盛りだくさんで展開していく物語を繊細に演じた瀬戸さんと中田さんに、フジテレビュー!!がインタビュー。同い年ですぐに打ち解け合ったと語る2人に、作品の見どころ、撮影中のエピソード、そして「最期の日に2人でしたいこと」などを聞きました。
<瀬戸利樹・中田圭祐 インタビュー>
――脚本を読んだときの感想を教えてください。
瀬戸:1話ごとのシーンは少なめで、それぞれのシーンにたっぷりと時間をとっているスタイルだったので、「映画を見ているような感覚に陥るんだろうな」と想像が膨らみました。「受ける芝居が多くなるな」と思い、「ここは自分の中でたっぷり時間を取りたいな」とか、監督にプレゼンできるように下準備をして読み進めました。
中田:原作も読ませていただいたんですけれども、次の展開が毎回気になって没入していたら、あっという間に読み終わってしまって。律は真澄だけでなく女の子も翻弄するし、すごくかっこいいので、「こんなかっこいいことできるかな」みたいな不安もありつつ、ドキドキワクワクしながら読みました。
三木(康一郎)監督とは、ドラマで一度ご一緒させていただいたことがあるんですけれども、そのときはオリジナルのストーリーでした。漫画って絵として表情が出るじゃないですか、そういう喜怒哀楽みたいなのを楽しめたらいいな、この世界に入れたらいいなって、撮影に入るのを本当に楽しみにしていました。
――真澄と律はどんな人物なのでしょうか?演じてみていかがでしたか?
瀬戸:真澄は等身大というか、寄り添いやすいキャラクターだなと思いました。官能的なシーンも含めて、僕にとって今回はすごく挑戦的な作品になりましたし、やるからには後悔なく素敵な作品にしたいと思ったので、演じ終わってすごくやり切った思いです。
中田:僕もやり切って、できることを全てぶつけた作品です。素敵なキャスト、スタッフと作り上げることができました。真澄を翻弄するところ、律の独特な色っぽさ、所作に関しては現場で監督ともいろいろと詰めてがんばりましたね。
――好きなシーンを1つ挙げるとすると?
中田:1つだけは難しいんですけれども、最後に真澄に「あのときのことも含めてごめんね」って言うシーンです。お互いに昔にいろいろあって、再会して最初は嫌々かもしれないけれども、徐々にお互いを解き明かすことって意外と人間関係にとって大事だなと思いました。関係性の修復をしつつ、今から2人がどうなっていくのか。律がすごく真澄のことを思い続けていたと分かるシーンです。
瀬戸:唯一、律から吐露するシーンだよね。
中田:今までそういうところを見せていなかったからこそ、そのシーンには律にとってすごく熱いものがあって。思い出深いシーンです。
瀬戸:僕は、すごく汚い言葉を使って律を侮辱して、真澄が律に馬乗りになるシーンがあるんですけれども。そこは撮影の終盤で、自分の中で真澄という役がなじんできてもいたので、「こうしよう」というよりは、本当に自分の気持ちに正直にぶつかっていったシーンでした。臨場感もあり長回しで撮っていて、自分の中でも見るのを楽しみにしているので、注目してほしいです。
――官能的なシーンも本作の見どころの1つかと思いますが、演じる際に気をつけた点があれば教えてください。
瀬戸:1回目のそういうシーンが撮影3日目にあったので、そこからはもう何も恥ずかしいものがなくなって、裸のつき合いじゃないですけれども、銭湯に一緒に行ったみたいな感覚になって。そのおかげで撮影にも没頭できました。
律から迫って来られたときに順応するのに必死だった…言い方が難しいですね、がんばったところは表情ですよろしくお願いします。映像的に地上波放送ではギリギリなところがあると思うので、配信だとお腹のあたりまでは映るのかな?でも、やっぱり表情で見せるものなので、そこは必死に努力しました。
中田:確かに見せ方もありますが、そういったシーンはきれいなもので、おちゃらけることではないと思います。ただ、真剣に「真澄が好きだ」という気持ちを大事にしながらも、“見せなければいけない”という難しさはありました。本当に二人三脚で、「こうだったら、こうだね」って言いながら、真剣に向き合って撮れたと思います。
瀬戸:どうしても自分たちの動きが大きすぎたり、表情がブレすぎたりして、“揺れ”が生じちゃうんだよね。なるべく顔をブレさせないで、いかに動いてるように見せるかがすごく難しかったな。
中田:すごく難しくて勉強にもなりましたが、やりがいもありましたね。
「お互いふにゃふにゃだとまずいから、僕がしっかりしないと」(瀬戸)
――ロードムービー的な要素もある作品です。浜松での撮影が多かったと思いますが、撮影中に印象的だったエピソードはありますか?
中田:楽しかったよね、本当に。
瀬戸:楽しかった!自分がこれまで経験した撮影の中でも濃い1ヵ月だったなと思いますし、真澄と律の2人のシーンも多かったんですが、一緒に旅をする男子高校生・遊馬(富本惣昭)、国民的アイドル・嘉神まどかの自称妹・めぐる(井手上漠)と4人のシーンもあって。
中田:4人のシーンでは結構サバイバルな要素があって、撮影の環境的にも大変なことが多かったんですが、4人で和気あいあいと「がんばろう!」みたいな空気感でやれたのは楽しかった。そういう仲間が近くにいてくれたからやっていけたのかなと思っています。
瀬戸:僕と圭祐は同じ27歳で、他の2人も20歳で同い年で、なかなか同級生同士が揃うことってないと思うんですよ。それに、2人ともとても懐っこく僕らに接してくれて。
中田:うん、かわいかったね。2人の間にも絆みたいなものを感じたよね。
瀬戸:ハードなスケジュールと撮影ではあったんですが、本当に2人には癒しをいただいていたなと思います。
――お2人は過去に共演経験がありますが(映画「シグナル100」2020年公開)、相手役としての共演は初となります。現場でのお互いの印象はどうでしたか?
瀬戸:すごく目が素敵だなと。吸い込まれるような目をしていたので、見つめるシーンでは見惚れていました。圭祐の目によって、僕の受けた芝居っていうのは変えられていると思うので、そこはありがたかったなと思います。
中田:いやー、うれしいですね。ありがとうございます(笑)。
瀬戸:なんだよそれ、よそよそしい(笑)。
中田:本当に利樹はかわいいんですよ。普段から空いてる時間に何かチョロチョロやっているのに、お芝居では、すごく優しい目をするんです。利樹の目が潤んでいるときに、僕も目からもらえるお芝居もたくさんあったなって。
あと、利樹はすごく視野が広くて周りが見えているからか、すごく堂々としたところがある。オフのときは、ふにゃふにゃだけれども、オンの利樹はすごくかっこいいんです。それをずっと間近で見ていて、「いいギャップだなぁ」って思っていました。
瀬戸:お芝居では、僕はパッと切り替えるタイプなんですけれども、圭祐はどちらかというと前からの流れをちゃんと持ってくるタイプ。今回、僕はそれに合わせるという、役回りそのままだったなって。
中田:利樹がうまくケアしてくれたところもたくさんあったので、本当に助かりましたし、その姿勢をすごくかっこいいなって近くで思っていました。僕はこういう作品が初めてだったので、相手役が利樹だと知ったときにもう身を委ねようと。
瀬戸:もっとしっかりしてると思ってたんですよ、そしたら意外とふにゃふにゃでした(笑)。圭祐は僕よりも果てしなく見た目がクールっぽいじゃないですか。でも、ふにゃふにゃだよね。
中田:ふにゃふにゃだよ。
瀬戸:お互いふにゃふにゃだとまずいから、「僕がしっかりしないと」って。それで現場でしっかりしました。
――三木監督から受けた演出やアドバイスで心に残っているものはありますか?
瀬戸:「脚本を読んで読んで読んで、そこで出した答えを持ってきて欲しい」と言われていたので、自分なりに解釈したものを撮影現場に持っていったんですけれども、アドバイスとかは特になかったですね。
三木監督はすごく丁寧に細部まで見てくださる方。演じていて自分の中で筋が通ってない、違和感があった場所はすでに監督が気づいていて「もう1回」となるし、自分でも息の通った芝居ができたときにはオッケーが出るという経験は、自信にもつながりました。
中田:律が攻めていくことによって真澄が反応して物語が動き始めるので、僕には「もっとこうしよう」と三木監督からの指導が結構あり、鍛えあげていただいた気がしています。すごく愛のある方で、こだわりもあるので、そのこだわりに応えようという感じでした。
「人を愛するということに対して、自分自身の幅が広がった」(中田)
――とても息の合ったお2人ですが、もし“地球最期の1日”を2人で過ごすとしたら何をしたいですか?
瀬戸:うーん、何だろう…魚でも釣る?
中田:潜水艦で深海に潜るのは?深海魚を見ていたいんだよね、水族館とかで見るのも好き。
瀬戸:魚釣りか潜水艦かどっちか決めようよ、どっちがいい?
中田:どっちでもいいよ、じゃあ魚釣りにしようか。
瀬戸:譲ってくれるの?深海魚って怖くない?あの目が怖い…魚の目玉とか食べられないんだよな。
中田:あの不気味な感じがいいんだよ(笑)。
瀬戸:やっぱり魚釣りでお願いします(笑)。
――それでは最後に、本作の見どころをお願いします。
瀬戸:地球滅亡というところから始まって、10日間で何ができるか、誰と過ごしたいか、お金は使い切るのか使わないのか。人それぞれ価値観は違うと思いますが、「自分だったらどうするか」と、自分を投影して見てもらいたいです。
真澄という役は、人によってはすごく共感できると思います。僕はBL作品への出演は2作目となりますが、まったく違うテイストのものに挑戦しているので、楽しんでいただきたいです。
中田:今の時代にすごくマッチした作品なのかなと思っています。人が人を愛するということに性別や年齢や国籍は関係なく、「ただその人が好きなんだ」という気持ちはすごく素敵なものだと思います。人を愛するということに対して自分自身の幅が広がったと気づかせてくれた作品でもあります。
みんなで魂を込めて全力で作り上げた作品なので、1人でも多くの人に見ていただけたらうれしいです。
撮影:河井彩美
<瀬戸利樹>
ヘアメイク:窪田健吾(aiutare)
スタイリスト:甲斐修平
衣裳提供 パーカー:amok
<中田圭祐>
ヘアメイク:根本佳枝
スタイリスト:Lee Yasuka
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<番組概要>
『僕らのミクロな終末』
配信:1月29日(日)24時55分~FODプレミアムで一挙先行独占配信
放送:1月29日(日)スタート ABCテレビで毎週日曜24時55分~
出演:瀬戸利樹、中田圭祐、富本惣昭、井手上漠、大朏岳優、前田瑞貴、西村美柚/遊井亮子、飯田基祐 ほか
企画・プロデュース:清水一幸
プロデューサー:川村未来・香川かおり(ロケット)
監督:三木康一郎・森裕史
脚本:三木康一郎
音楽:小山絵里奈
制作著作:ABCテレビ
原作:丸木戸マキ「僕らのミクロな終末」/祥伝社 on BLUE comics
(敬称略)