本日10月28日、『男はつらいよ おかえり 寅さん』の上映舞台挨拶が行われ、監督の山田洋次、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子が登壇した。

この舞台挨拶は、現在開催中の第32回東京国際映画祭のオープニング上映として行われたもの。

1969年に渥美清さん主演で『男はつらいよ』が公開されてから50年、なんと50作目となる最新作として、まさかの上映となった。司会者から「奇跡の上映」と言われた監督の山田も「奇跡と言われたのにはビックリするが、50年かけて作った映画というのは歴史上ない事実でしょう。その年月の重みだけは、映画を通して伝わるんじゃないかと思っている」と感慨深げだった。

キャストは、寅次郎の妹さくらを演じる倍賞、その夫の博を演じる前田、ふたりの息子である満男を演じる吉岡など、『男はつらいよ』おなじみのキャストが多い中、23年ぶりに女優復帰し帰ってきたのが、黒いベルベットのイブニングドレスを身にまとい美しいオーラを放っていた後藤久美子だ。

後藤は、シリーズ6作目の出演だが、久々の山田組にオファーを受けて「不安がある」と監督に伝えたそう。すると監督からは「大丈夫だから任せなさい」と言われ、「監督にすべてを委ねていいんだ」と思い、撮影に臨んだと明かした。

今回後藤が演じるのは、妻を亡くしシングルファーザーとなった満男の初恋の人で、かつて結婚も約束したイズミという女性。

後藤は吉岡との撮影を振り返り、「吉岡くんがいてくれたおかげで、撮影順調に進んだと思っています。また一緒に仕事するのはとても大きな喜びだった」といい吉岡に向き直ると、「吉岡くんにどうもありがとうと伝えたい。吉岡くんにも吉岡くんが演じた満男にも…」と何度も感謝の気持ちを伝えた。すると、吉岡は「どうしたの?急に」ときょとん。すかさず山田が「公式に伝えたかったんだよね」と笑顔でフォローした。

そんな後藤との共演を聞かれた吉岡は、「恋をしていました」と告白。会場から「おお!」と感嘆があがると、「それはおそらく、僕が(惚れっぽい)寅の甥なので、いたしかたないことなんだと思いました(笑)。やっぱり、おきれいな方だな、といつもいつも思っていました」とはにかむように話し、後藤もまぶしそうな笑顔を返していた。

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