ブロードウェイミュージカル『アナスタシア』の製作発表記者会見が12日(火)、都内で開催され、Wキャストで主人公・アーニャを演じる葵わかな&木下晴香をはじめ、豪華キャストが公演への意気込みを語った。
同作は、第70回アカデミー賞で歌曲賞、音楽賞にノミネートされたアニメ映画『アナスタシア』に着想を得て制作されたミュージカルで、今回が日本初演。
1918年、帝政ロシア時代の最後の皇帝ロマノフ2世をはじめ、一族が殺害されたというニュースがあふれる中、皇女アナスタシアだけが難を逃れて生き続けているという歴史上の謎「アナスタシア伝説」に基づいた物語で、記憶をなくした主人公・アーニャが自分の過去をとり戻し、愛する家族の元へ戻る旅路を描いた冒険と感動の作品になっている。
会見に先立って、まずはディミトリ役を演じる海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴が登場し、劇中歌「My Petersburg」を披露。
続いて、アーニャ役の葵と木下が「Journey to the Past」をしっとりと歌いあげ、抽選で選ばれたオーディエンス70名らをアナスタシアの世界観へいざなった。
歌唱披露を終えた葵は、「日本で初めて上演される作品に携わることができて本当に光栄。アーニャというキャラクターは共感できる部分の多い女性で、現代は働く女の人も多いですし、この強い女性像は皆さんに共感していただけるんじゃないかな」とコメント。
木下は「オーディションの時からスタッフの皆さんの熱い思いを感じていたので、これから作品をつくっていくことがとても楽しみ。先輩方に支えていただきながら、アーニャをしっかりと務められるように頑張っていきたい」と意欲をにじませた。
そんなアーニャと旅をともにする若き詐欺師・ディミトリをトリプルキャストで演じる海宝直人は「オーディションの時に海外のクリエイティブチームの方たちがいらっしゃって、ワークショップのように歌って踊ってというものではなく、『もうちょっとこうしてみて』というようなオーディションだったんです」と明かし、「僕はドイツで観劇したんですけど、とても美しくロマンチックなメロディと華やかな衣装、映像などすべてがエキサイティングで、これを日本で演じることができるんだとワクワクしました」と瞳を輝かせた。
相葉裕樹は「クリエイティブスタッフの皆さんが情熱的で、役に対しての背景などをどんどん深めていけるオーディションでした。その情熱に僕らも負けないように、さらに熱いものを届けていきたい」と力を込めた。
内海啓貴は「今回、僕はブロードウェイミュージカル、そして、グランドミュージカルに出演することが初めてなので、決まった時は本当に嬉しかったです」といい、「日本での『アナスタシア』もすごかったと言っていただけるように頑張ります」と初々しく意気込んだ。
そして、将官・グレヴ役には山本耕史、CHEMISTRYの堂珍嘉邦、多くのミュージカルで活躍する遠山裕介がトリプルキャストで決定。
山本は「今日は用意していただいた衣装を着てるんですけど、上からボタンをつけていって、最後の1個で掛け違えていたことがわかった時、このボタンの量はかなりショックでした」とジョーク交じりで肩を落とし、「本番はボタンの掛け違えがないように頑張りたいと思います」。
堂珍は「オーディションの機会に恵まれまして、日本で初めて上演される『アナスタシア』に参加できることを光栄に思っております。グレヴと同じように、自分が信じていることに対して、僕自身もまっすぐに進んでいきたい」と話した。
また、元宝塚トップスターの麻実れいが、今作で22年ぶりにミュージカルへと出演することも大きな話題。
麻実は「宝塚を卒業後、『シカゴ』というミュージカルで私の舞台人生が改めて始まりました。そのあとは(ストレート)プレイの世界に入ってしまい、最終が『蜘蛛女のキス』というミュージカルでした」と説明し、「そして、そこから22年ぶりに今回のミュージカルとの出合いがございました。壮大な歴史劇、ロマンあふれるこのミュージカルに参加させていただくことがとてもうれしく、このカンパニーの皆さんとご一緒できることがとても幸せ」と本番への期待をのぞかせていた。
<東京公演>2020年3月1日(日)~28日(土)東急シアターオーブ
<大阪公演>2020年4月6日(月)~18日(土)梅田芸術劇場メインホール