リカの顔面ドアップ(カット割り多め、画面揺れ揺れ)

「リカはストーカーなんかじゃないッ!!!」(チャチャチャチャー♪ ※弦楽器系のサントラ)

もう最高!

冒頭5分で訪れるこのシーンの最高具合を出来るだけ字面で表現しようと思ったんですが、みなさんには伝わりましたでしょうか?

つまり、最高ということです。

今回は序盤からフルスロットルの爆裂テンションをキープしたまま最後まで突っ走っていく、まさに“リカが突っ走る回”…そうです!一番の見せ場は、先週の次回予告でチラ見させられた“リカと隆雄さんのカーチェイス”です!

とは言っても、タクシーの隆雄さんVS生身のリカなんですが、やっぱりさすがのリカですよ。走っている時の腕の振りから肩の位置、何より全身からあふれるオーラによってタクシーごときにリカが負けるわけがない、勝てる気しかしないんです。

そんな気持ちになるのはこれまで僕らがリカと共に過ごしてきた2ヵ月間があるからなのか、それとも高岡早紀さんの秀逸すぎるキャラ造形の賜物なのか…。きっとそのどちらもなのでしょうが、SFじゃないのに、普通ではあり得ない車と人とのデッドヒートを成立させちゃう、物語が崩壊しないなんて『リカ』の強度はとてつもないですよ。

画面を見ながら「なわけねーよ!」ってツッコんだ次の瞬間、「なくもない、あり得る!」と思えてくるんです。むしろ、夢であって欲しい、怖すぎるからどうか夢オチであって欲しいとすら思うのに現実だったというオチに絶望します。

これまで正直僕は、隆雄さんに対していい印象を持っていなかったんですよ。だってリカと出会ったきっかけが仕事のためとはいえ、文通アプリを使ってその気にさせ、さらにもっと深く調査しようと直接会ったりしてって、こうなった状況は自業自得じゃないですか。

しかも、今回第7話の最初の方では、隆雄さんがリカを会社の受付に通さないように渡すメモ書きに「雨宮リカ 自称28歳」って、ドラマの遊び心としてはかなりグッジョブですけど、付属情報がちょっと嫌なやつですよね。だから、隆雄さんには全然同情できんわーって思ってたんですが、あの恐怖のスプリントを見せられたらさすがに同情します。

リアガラス(車後部ガラス)越しのリカに対して驚きと恐怖が入り混じる隆雄さんの「えぇ!?」は絶品のリアクションなのでお見逃しなく。視聴者全員、隆雄さんと同じ「えぇ!?」でシンクロすること間違いなしです。

また、終盤にリカのトラウマの一端が自分の口から少し明かされるのですが、それに対する隆雄さんの至極真っ当なツッコミ「関係ないじゃないですか!」「さっきから何言ってるんですか!?」というセリフには大いにうなずきました。こちらも視聴者全員がシンクロすること間違いなしです。

そしてラスト、リカのちょっと何言ってるかわからない謎論法で一方的に隆雄さんとすれ違っていって「次週最終回!」となる幕引きは、これ以上にない盛り上がりです。

そうです!みなさん、お気付きですか?もう来週最終回なんですよ。あっという間ですよー。で、今回の第7話を見て思ったんですが、『リカ』を第1部はおろか、これまで1回も見てないけど、このレビューだけは読んだという、稀すぎるあなた!なんと、この第7話だけ見てもわかります!絶対楽しめます!リカの異常性は画面に現れた瞬間からわかるのはもちろん、どんなドラマなのか?何が行われているのか?ターゲットは誰なのか?ほんのり第1部では何があったのか?そしてこの回だけを見ても最終回の結末が気になります!

これまで見てきた人は今週も最終回も見ることは絶対だと確信しているので、未見の方も是非、7話からだけでも見てください!トラウマになりますよ!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)