宝塚歌劇団の元スターに、輝く秘訣やこだわりを語ってもらう「宝塚OG劇場」。第12回は、珠城りょう(たまき・りょう)さんが登場。
包容力のある佇まいと、ダイナミックなダンスで早くから注目を集め、入団9年目にして月組男役トップスターに就任。
2021年の退団後は、舞台やドラマで活躍。2023年1月15日(日)から上演される舞台「PARCO PRODUCE 2023『マヌエラ』」で、退団後、舞台初主演を果たします。
第二次世界大戦直前、永末妙子(珠城)はSKD(松竹歌劇団)で将来を期待されながらも、駆け落ちして上海へ。生きるためにダンスホールの踊り子となり、国籍不明のスター“マヌエラ”となります。「上海の薔薇」と呼ばれた実在の日本人ダンサーの激動の半生を、音楽×ダンス×芝居で描いた作品です。
フジテレビュー!!では、珠城さんにインタビュー。
後編では、宝塚時代から変わらないことや、最近ハマっていることなどを聞きました。また、タカラジェンヌOGといえば、オシャレで個性的なファッションも魅力のひとつ。そこで、それぞれの“こだわりの一着”も紹介してもらいました。
【前編】珠城りょう「今までのアプローチでは通用しない」ダンスへの挑戦
【写真13枚】珠城りょうフォトギャラリー
宝塚を退団して「時間を贅沢に使える」ことが活力に
――宝塚歌劇団を退団して1年が過ぎましたが、宝塚時代から今も大切にしていることはありますか?
いただくお仕事に一生懸命、誠実に取り組んでいくという姿勢でしょうか。また、初めてご一緒する方々にも、飾ることなくフラットに接するよう心がけているので、そこは何ら変わらないと思います。
――宝塚時代はトップスターとして、今回は座長として主演を務めますが、心境の違いはありますか?
宝塚のときは、80人近くいる組の“顔”としてもですが、100年以上続く、伝統ある歌劇団のなかでトップの1人に選んでいただいたという責任も非常に感じていました。
退団して、1人の俳優として主演を張らせていただくというのは、感覚的に大きく違います。共演者のみなさんは、いろいろな現場でご活躍なさっていて、とてもキャリアのある方ばかりなので、私はありのままの自分で臨みつつ、みなさんの胸をお借りして、一緒にいい作品を作っていきたいと思っています。
――宝塚を退団して、プライベートでの変化があれば教えてください。
在団中は本当に忙しかったので、たまの休日は、病院へ行って、体のメンテナンスに行って、仕事で使う服を買って…と、予定を詰めていました。サロンの予約も、休日が決まったら早めに入れて。
でも今は、朝起きたら「今日はすごく天気が良いから、ちょっとカフェへ行こうかな」とか、予定を決めずにフラッと出掛けられるんですよね。何気ない日常に、すごく喜びを感じています。時間を贅沢に使える。それは、大きな活力になっていますね。この前も、急に思い立ってポーラ美術館(神奈川・箱根)まで車を走らせました。
“Coldplay熱”が再燃!「音楽の聴き方が変わった」
――最近、ハマっていることがあれば教えてください。
ロックバンドの“Coldplay熱”が上がっています!Coldplayは昔から好きなんですけれど、私が11月に行ったライブツアーがバンド編成だったこともあって、今、再燃しています(笑)。
ツアーでは、バンドリハーサルの日をしっかり設けていただいたので、歌とじっくり合わせることができて。バンド演奏がいかに自分のボーカルを助けてくれるか、ボーカルとバンドが合わさることで、いかに素敵な音楽になるかということを、改めて、身をもって体感しました。
本当に素晴らしいミュージシャンの方々とご一緒して、音楽に対する考え方や聴き方も、今まで以上に変わりました。これまでは、どちらかというと楽器の音よりボーカルに注目して聴くことが多かったんです。
でも今は、それこそColdplayを聴きながら「ここでギターのサウンドが入るからいいのか!」とか「ドラムのこのビートがいい!」とか、そういうところに耳がいくようになりました。うれしい変化ですね。
――Coldplay以外にも、よく聞く音楽はありますか?
インストゥルメンタル(歌がない、楽器だけの曲)をよく聞いています。ピアニストの扇谷研人さんと、シンガーソングライターの大石昌良さんがコラボレーションしている楽曲があるんですけど、それがすっごく素敵で、めちゃくちゃ聞いています!
――特に好きな曲は何ですか?
えぇと…いっぱいありすぎて(笑)。お2人はディズニーのバラードも演奏していらっしゃるんですけれど、特にそれが、すごく好きです。あと、扇谷さんのピアノセレクションもとっても素敵で、よく聞いています。
<こだわりの一着>FRAMe WORKのMA-1
今年買った、「FRAMe WORK」というブランドのMA-1(※)です。
(※)MA-1:アメリカ軍が着ていた、フライトジャケットの一種。
MA-1はカッコいいので大好きで、黒色のMA-1を持っていたのですが、1年ほど前に手放してしまって。カーキ色の新しいMA-1がほしいなと思っていたんですが、たまたまショッピングに出かけたら、理想的な色のMA-1を見つけたので、すぐに買いました。運命の出会いです!
実はリバーシブルになっていて、カーキ色と、内側の黒色と、両面楽しめるんですよ。長く着られそうなので、購入を決めました。
普段は、黒いタイトパンツや、茶系のロングワンピースなど、いろいろなアイテムを合わせています。スカートと合わせて“甘辛ファッション”を楽しむのにピッタリです。
――退団してから、私服のテイストは変わりましたか?
女性らしいデザインのものを買うようになりました。今の季節なら、ベージュやアイボリーなど、柔らかい色のニットを手に取るようになったり。もともと好きなモノトーンには、やっぱり目がいきますが、派手な色・柄はあまり着なくなったかもしれません。
――今後チャレンジしてみたいオシャレがあれば、教えてください。
オールインワンなど“遊び”があるアイテムをカッコよく、オシャレに着こなしたいと思っています。ヘアスタイルは、今までいろいろなカラーリングをしてきたので、できればしばらくは落ち着いた色でいきたいです。ちょっとずつ、いろいろなファッション、スタイルに挑戦したいですね。
撮影:今井裕治
ヘアメイク:MIRAN【Rouxda’】
スタイリング:久保コウヘイ