『結婚できない男』『まだ結婚できない男』( カンテレ・フジテレビ系、)の尾崎将也、『スカーレット』(NHK)の水橋文美江など、これまで多数の人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」の第31回の大賞受賞作品と佳作受賞作品が決定!
11月27日(水)にお台場のフジテレビ本社にて授賞式が行われた。今年は前回の応募数1463編を大きく上回る1733編の応募があった。その中から大賞に選ばれたのは、会社員、中村允俊さん(28歳)による『パニックコマーシャル』。
「20歳までに脚本家になりたいと思っててダメで、23歳までと思ってたけどダメで、25歳、27歳になりもうダメかなと思っていたらやっと今回受賞できました。これからも頑張っていきたいと思います」と喜びを語った。
物語はCM制作現場を舞台にしたワンシチュエーションのバックステージコメディ。おしゃれなCMを作ろうと燃えるクリエイティブディレクターが想定外の出来事に翻弄され周りからの信頼を失い最悪な状況に立たされるが、「CM制作にいちばん大切なこと」を忘れていたことに気づき再び制作に意欲を燃やす姿を緊張感とともにコミカルに描く。
また、家族をテーマに描いた『藁の上の禿頭』で佳作を受賞したドラマ制作・演出家、上田迅さん(31歳)は「これまで自分にとって父親はこわい存在でしたが、最近30歳を過ぎて関係性が少し変わったなと気づいたんです。新しい親子の関係性を構築したのがうれしかったので、今回のテーマに起用しました。大賞をとりたかったですが、ステップアップしていくいいきっかけになりました」と語った。
偶然出会った20歳の男女2人のロードムービー『東京まではあと何歩』で佳作を受賞した高校1年生、四反田凛太さん(16歳)。今回の受賞者の中で最年少の四反田さんは「去年大賞を受賞したのが14歳の方で 、(去年は)自分は提出もできていなくて悔しい思いをしました。今年も気がついたら締切の日で、とりあえず出してみようと5時間くらいで書きました 」と話し周囲を驚かせた。
一人の死がきっかけで複雑に絡み合う人間関係を描いた『ヒトノカケラ』で佳作を受賞した会社員、遠藤大輔さん(38歳)は「今回3度目の最終候補で受賞することができました。四反田さんは5時間で書いたとおっしゃっていましたが、僕は何十年と書いています」と笑いながら語った。
今後、「自分の作品で演じて欲しい俳優は?」との質問に「堺雅人さん」と答えた中村さんは、「これからがスタートだという気持ちがいちばん強いです。今後は実力が試されていきますが、やるしかないなという気持ちです。ジャンル問わずいろいろ書いていって、ネットを利用して世界中の人に拡散されるようなドラマを作っていきたいです」と意気込んだ。
尚、中村さんが手がけた『パニックコマーシャル』はドラマ化され、12月16日(月)深夜1時15分からフジテレビで放送される、と発表された。