歌とともに歩んできた20年余り。新年一発目の公演で氷川さんがどんな楽曲を披露するのか、注目も集まります。そこには憧れの歌姫の存在が大きく関係し…

――共演には島崎和歌子さんや中島唱子さんなど多彩な顔触れがそろいました。

島崎和歌子さんは20年来のお友だちです。島崎さんは高知出身のはちきん(男勝りの女性)で、気はいいんだけど、ものすごくパンチが強い(笑)。スタッフさんと作品について話しているときに「この役柄は島崎さんじゃん」と思って、直接オファーをしたところ「やるよ」と言ってくれました。

島崎さんとWキャストで同じ役柄を演じる中島唱子さんも長いつき合いのお友だちです。唱子さんは現在、ニューヨークにお住まいで、「出演していただきたい」とお電話をしたところ、「KIINA.ちゃんの作品なら受けたいわ」とOKをいただきました。

島崎さんと唱子さん以外は「はじめまして」の皆さんで、自分は人見知りしてしまう性格なので、打ち解けるのに時間がかかってしまうかもしれませんが、お稽古を通して人柄を知っていくことがとても楽しみです。

第2部のコンサートでは美空ひばりさんの名曲を披露

――第2部のコンサートではどのような曲を歌う予定ですか?

小学生のとき、自分の故郷である福岡の大きな病院にひばりさんが入院していらっしゃるというニュースをテレビで見て、子どもながらにすごい方なんだなという印象をもっていました。

自分は来年、40代最後の年齢を迎えますが、ひばりさんが亡くなられた52歳に近づくにつれて、昭和、平成、令和と歌い継がれてきた歌姫に対しての憧れがどんどん強くなっているので、今回はひばりさんの曲を歌わせていただく予定です。

自分のオリジナル曲はもちろんですが、ファンの皆さんから「ひばりちゃんの歌を歌ってほしい」というリクエストを多くいただくので、「やっぱりひばりちゃんの歌はいいわね」と感じていただけるような歌謡ショーにしたいと思っています。

――早いもので2025年も残り約1ヵ月となりました。

今年はホップの年で、来年がステップだから、50代に突入する再来年がジャンプなのかな。人としては未完成で、行き届かないところもまだまだたくさんありますが、2026年も人間としてきちんと生きていきたいなって思います。

――公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

40代、50代、60代の子育てがひと段落してホッとしたという方たちにとっては、「KIINA.が、氷川きよしが私の居場所だ」という思いを共有できるような場所に、親世代の70代、80代の皆さんにはエンターテインメントを存分に楽しんで、現実からちょっと離れられるような場所にして差し上げたいと思っています。

「KIINA.も頑張っているから、氷川きよしも頑張っているから、これから先を楽しく生きていこう」や「もっときれいになろう」など、背中を押すことができる作品を目指しますので、ぜひとも劇場にお越しください。

撮影:河井彩美