――地上波放送ではなく配信というかたちでのオファーシリーズ。昔の『めちゃイケ』と比較されるという懸念はありましたか?

矢部:何をどうしても、誰も文句を言わないということはないと思っています。どうなるかは分からないけれど、それを分かったうえで覚悟して受けました。

岡村:飛鳥さんが『めちゃイケ』を「終活」というかたちで終わらせてから、何かしらの整理がついたのか、6年経って「やりましょう」と言ってきた。テレビとはまた違う、配信というかたちですが、「やりますよ」と言われたら「やります」っていう。それが『めちゃイケ』のスタイルなので。

「この6年、何してたんですか?」って聞いたら、「いっぱい映画を見ました」って言ってはりました。何かに踏ん切りがついたのかなと思いましたが、別に僕からはその理由をそこまで聞かなくてもいいかなと。

「配信だからこそ長尺で見せられるのは大きい」(矢部浩之)

――矢部さんから見た、オファーシリーズの面白さとは?

矢部:やっぱり、僕は相方の面白いところを見たいんです。オファーシリーズとは関係ないプライベートでも、相方がブランドバッグ持ってたりするだけでも僕的にはもう面白い(笑)。

岡村:意外と、エルメスとか持つんですよ。

岡村:オファーシリーズの最初の頃は、「アイドルに混ざって踊って何が面白いのか」と思っていたんですが、結果を見たら面白くて「こういう笑いがあるんだ」と知りました。それからは、一生懸命に踊るからこそ面白くなり、それを相方の視点でモニタリングしてくれることでさらに面白くなるという。

INIの松田迅くんが「ラポスタに岡村さんを見に来てる人はいない」と言ってましたが、JO1やINIを見に来ている人をこっちに向かせてやろうと思ってやっています。「俺がマスクを取った瞬間は松田のこと見てるやつは誰もいてないぞ!」と。

『めちゃ×2メチャってるッ!』

――振り返ってみての思い、印象的だったことを教えてください。

矢部:『めちゃイケ』じゃないなという印象は受けましたが、テレビだと泣く泣くカットしていたものを、配信だからこそ長尺で見せられるのは大きいですね。これは、『めちゃイケ』の続きではあるけれど、初めての作品でもあるみたいな。

岡村:これまでも、軽いけがなどはありましたが、全ての企画がストップするようなことはなかったのに、初日にアキレス腱を切ったのは、何かのメッセージなのかなって。

実はその日、結婚記念日だったんですよ。家に帰って、妻が僕の足を見るなり「だから言ったよね。何か始まるなら運動しといたらって」と言われまして。「俺はこのスタイルでやってきた」と言っても、(子どもを)お風呂にも入れられないから、その日から家庭でも戦力外通告されました。これまでだったら何もかもワッと、勢いでできていたのに、こんな3年もかかることになるなんて、という気持ちです。

『めちゃ×2メチャってるッ!』

――配信回だけでなく、告知やショート動画なども大きな話題になっています。今後への手応えは感じていますか?

岡村:“めちゃイケのようなもの”を3年かかって配信しましたが、これは1つのきっかけなんじゃないか、これ1回で終わらせていいのだろうか?と思っています。またここから飛鳥さんが6年ぐらい休むかもしれませんが、その時にはもう僕も61歳なので、アキレス腱どころじゃなくなっちゃいますけれど。

『めちゃイケ』にはまだ、あんなんもこんなんも、いろいろなコンテンツがある。地上波の時のように60分に収めなくていいため、面白いところを全部残してくれている。僕も韓国ドラマとか見て配信慣れしているからか、長いとは思わずに一気に見られましたし。

矢部:まだまだ、出ていない『めちゃイケ』メンバーがいますから。ネットニュースで、よゐこ(濱口優さん・有野晋哉さん)が仲悪いって聞いたので、仲直りさせてあげたいですし(笑)。吉本じゃなくなった人、松竹じゃなくなった人、カナダにいる人もいる。

岡村:辞めるべきやつがまだ吉本におる、これが『めちゃイケ』の面白いところですよ。今後もし『めちゃイケ』で何かあるのであれば、さらに面白くできるんじゃないかなと思っています。