全身に転移したがんに苦しむ中、日本では許されていない「安楽死」をスイスで選んだ母と、その決断に向き合った夫と2人の娘の「その後」を記録した「私のママが決めたこと 〜あれから2年 母を思う旅〜」が11月2日(日)に「ザ・ノンフィクション」で放送されました。

番組では描ききれなかった、娘たちから闘病中の母・マユミさん(44)への“応援の記録”、そしてマユミさんが遺した“未来の娘たち”へのメッセージには、娘から母、母から娘への感謝と愛が詰まっていました。

「ママの役に立ちたい」母の闘病中に交わされた日記

マユミさん一家

2020年12月に子宮頸がんがわかったマユミさん。進行の早かったマユミさんのがんは膣、膵臓、肺、頭皮、脳へと転移を繰り返していき、コロナ下での入院も経験することに。

マユミさんの入院中に娘たちがメッセージを書いていた交換日記

娘たちは、「思い出ノート」と1ページ目にタイトルが書かれた交換日記を通じて、マユミさんと言葉を交わしていました。
そして次のページには、この交換日記の「説明」という欄が設けられていました。
 

さみしくなった時に見てね
このノートを持ってたらどんだけ遠くにいても心はいつも一緒です
絵かいてるだけやけど許してw


そう書かれたこのノートには、いたるところに絵が散りばめられ、娘たちから母へのエールに溢れていました。

娘たちからのマユミさんへのメッセージ

高校生だった長女からは、
 

毎日毎日怖くてつらくて不安だよね。そういう時は未来のことを考えたらちょっと明るくなるかも!大人になってママと飲み会するのがめっちゃ楽しみ!


と、母を気遣う言葉や、小学生だった次女からは、
 

ママのやくにたちたい!ってずっと思ってるからなんでもいってね!毎日手紙楽しみにしててね!


といった、母を一生懸命に応援する思いがこのノートに詰められていました。

「みんなの魂が…」長女が伝えたありったけの思い

どのページにもかわいらしい絵が添えられている中、一面に長女の思いが文字だけでぎっしりと綴られたページがありました。
 

ママへ

ママは今まで家族のために全力でつっぱしってきてくれたから神様が少しの間休憩をくれたんだよ。家族のみんなとゆっくりだらだらする時間も増えたし、お話をたくさんしたり、本音をいいあえたりして最高の時間だったよ!

ママが病気になっていなかったらそれは良いことだけど、お散歩一緒にしたり、ねる前にハグしたり、そういうことができてなかったと思う。だから病気は怖くてイヤでしょうがないけど、そういう時間をママと過ごせて本当に幸せだよ。ありがとう。

ママがつくってくれたごはん、最高においしかったよ。一番はサーモンフライですw その次は合格の時と、ひなまつりにつくってくれた、ちらしずし。三番目はブラウニー!!アジフライもおいしかったな!あ!!まって、オムライスが一番かも。どれもおいしくて一生忘れないよ。お弁当に入っていたチーズのおにぎりもよかったな〜。本当につくってくれてありがとう。

ママほんとにめちゃめちゃつかれたあとに2人のおむかえ行ってそっからごはんつくって、そのあとまたパソコンに向かって、全国のお母さんって本当に大変なんだなって思った。ママはほんまにすごい。

ママがいっぱい相談してくれて本当に良かった。「みんなに心配かけちゃいけない」って思って1人でなやんでる方がよっぽどつらいから。でもまだ全部のなやみ話せてるわけじゃないと思うけどね、ゆっくり話していったらいいからね。

ママ、パパと結婚してくれてありがとう。私たちを産んでくれてありがとう。ママには何回か話してるけど、本当にママ、友達みたいなんだよねー。ツッコミいっぱいしてくれるし、まゆちゃーんって呼んでるし、本当さいこう!!ママがいるから色んなことがんばれたよ、ありがとう。

ママはしらないかもだけど、いつも支えになってたよ。ほんとにありがとう。このノートをみたら絶対泣いてるとおもうけど(私だったら泣く)、このノートにはみんなのたましいがねじこんであるから安心して!このノートの絵とかをみて、さみしさまぎらわして!いつも応援してるよ