北村一輝さんが、50代の目標を語りました。

福山雅治さん演じる天才物理学者の湯川学が、科学的検証と推理で難事件を解決する「ガリレオ」シリーズ。その最新作「沈黙のパレード」が9月16日(金)に公開されます。

「ガリレオ」シリーズは、東野圭吾さんによる小説を原作に、2007年にフジテレビ月9枠で連続ドラマ『ガリレオ』として放送(第1シーズン)。幅広い層から大きな支持を得て、2008年に映画「容疑者xの献身」、2013年には連続ドラマ『ガリレオ』(第2シーズン)と、映画第2弾「真夏の方程式」が製作されました。

映画化第3弾となる本作は、人情に厚い町・菊野市の菊野商店街を舞台に、行方不明となっていた女子学生が、数年後に遺体となって発見されることから始まります。

容疑者は、湯川の親友で警視庁捜査一課の刑事・草薙俊平(北村一輝)がかつて担当した少女殺害事件で完全黙秘を貫き、無罪となった男・蓮沼寛一(村上淳)。女子学生の住んでいた町は、蓮沼に対する憎悪の空気に覆われ、商店街の一大イベントである夏祭りのパレードの当日、蓮沼が殺害される事件が発生し…という物語です。

フジテレビュー!!は、草薙を演じる北村さんにインタビュー。作品の見どころや、同シリーズへの思い、そして、目下プライベートでハマっていることについて聞きました。

北村一輝 複雑な原作の見事な実写化に感激「西谷弘監督、さすが!」

――今回、約9年ぶりに草薙役を演じましたが、完成した映画を見ていかがでしたか?

「ガリレオ」の集大成に相応しい映画で、初号試写を見て最初に出てきた言葉は、「西谷(弘)監督、すごい!」でしたね。

というのも、まず原作を読んだ時点で、今回の話は事件にまつわる登場人物がとても多く、この壮大な物語のどこをどう縮めたり、凝縮させたりして脚本にするのだろうと思いました。

見事に脚本に落とし込まれた作品が、次は、この登場人物たち全員のキャラクターや背景を、いったいどうやって、お客さんに伝わりやすく見せるんだろう、と。それが、映画のオープニングから冒頭10分間に凝縮されていて、もう、「監督、さすが!!」とうならされました。

そして、事件にまつわる人物として、菊野商店街の方たちをはじめ、蓮沼を憎む人たちがたくさん出ています。監督は俳優陣たちの実力を、あますことなく 引っ張り出されていましたね。

それはもちろん、演じるみなさんのこの作品に対する情熱あってのことだと思いますが、いち俳優として、「みなさん素晴らしい!」と心から思いました。

――2018年の秋に原作が刊行されて、すぐに映画化の企画がスタート。今回、草薙役のオファーを受けた当初は、いろいろ考えたそうですね。

今までのガリレオシリーズでは、草薙は存在していましたが、そこまでフィーチャーされる感じではなかったんです。それが今回、映画だけでなくスペシャルドラマ「ガリレオ 禁断の魔術」(9月17日放送/フジテレビ)も含めて、湯川と草薙の友情関係が大きな軸になるということで。

それぐらいがっつり取り組むとなったときに、自分はどうあるべきか、と。もちろん、信頼する監督や、福山さん、(後輩刑事・内海薫役の)柴咲コウさんをはじめとするチーム自体への安心感はものすごくありますが、前作から9年も経った今、どういうふうにやるんだろうと、じっくり考えました。

これは自分の問題でもありますが、50歳を超えて、60、70、もし80歳まで生きられたとしても、出演できる作品の本数は決まってますから。自分で作品を1本1本、大切に吟味したいし、真摯に向き合って、流さずにやっていきたい気持ちがとても強まっていた時期でもありましたし、いろいろと考えました。