――福山さん、柴咲さんとの久しぶりの共演はいかがでしたか?

この3人に関しては、作品のベースでもあり、お2人に対しては家族みたいな安心感があります。気を張ることがなく、いつも安心してスッと入っていける。

今回、福山さんとはまずスペシャルドラマを撮りましたけど、そのときも、僕が「ご無沙汰してまーす」とお声がけして、福山さんが「元気?」と聞いてきて、僕が「はい」と答えて、スッと芝居に入った感じ(笑)。9年ぶりでも、ごく普通なんです。

そのあと、映画の撮影でコウちゃんと合流して。ちょうど、映画の最初のほうで、草薙が内海に「よお」と言って顔を合わせるシーンがありますけど、まさにあのシーンを撮る前に、「おはようございます」と声をかけてくれたコウちゃんに対して、僕が「よお!」と手を振るという、同じことをやっていました(笑)。

待ち時間も、お芝居の話をすることは全然ないです。みんな、監督をとても信頼していて、監督が常に丁寧に演出してくださるので、僕たちは自分たちのことに集中していればいい。それぞれがいちプロとして、そこにいたんじゃないかなと思います。

北村一輝 人間味のある刑事役に「ありがたいこと」

――北村さんは、2007年に「ガリレオ」の草薙役を演じて以降、『妖怪人間ベム』(2011年/日本テレビ系)や『ATARU』(2012年/TBS系)、『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018年/フジテレビ系)など、人間味のある刑事役を演じることが増えていますが、ご自身としてはどう思われていますか?

あまり多すぎるのはどうだろうと思うこともありましたが、オファーをいただけることは、ありがたいですね。

でも、僕の年齢になってくると、恋愛ドラマに出演する機会は自然と減り、企業ものでも役職を演じることが多くなります。その点、刑事というのは、年齢を重ねても現役で動けるし、見せられるところが多く、楽しい部分があります。

これは作品ごとにできる現場もあれば、叶わない現場もありますが、いろいろなタイプの刑事がいる中で、僕がやるからには、自分でなるべくプラスαして人間味のある役にしていきたいですし、そこが見える役は好きです。

今回の草薙も、自分の中ではできる限りのことはして、頑張ったつもりではいます。でも、決して満足はしてないというか…僕は自分の芝居を見て、いまだに満足したことはなくて、「ああ、もっとこうできれば」といつも思っています(笑)。

――映画の公開が楽しみですが、スペシャルドラマ『ガリレオ 禁断の魔術』の見どころも聞かせてください。

ドラマでは、湯川がありえないぐらいに暴走します。“今までにない湯川”が見られるのが大きな見どころです。

それも、教え子を守るために、自分が犠牲になってでも動くという“愛情”ですよね。そこで、「湯川、それは違うぞ」と気づかせるのが草薙で。映画では、湯川が草薙を助けようとしますが、ドラマでは草薙が湯川を助けることになります。

もちろん、ドラマのテイストは、映画とは全然違う物語ですので、そちらも楽しみにしていただけたらなと思います。