<落合正幸(演出)コメント>
「孝行したいときに親はなし」「墓石に布団は着せられず」…親が生きているときに孝行をしておくものだと説く言葉。
かたや、「子どもの、3歳までのかわいらしさで、親は十分贈り物をもらっている」という言葉もある。反抗期に、本心ではないことを父にぶつけた主人公。親となった今、父の思いを知る。だが、赦しを乞おうにも父はいない…しかし、この奇妙な世界では、それが叶う。
脚本の君塚(良一)さんと、自身の親との関係について話し、練った記憶がある。役所広司さんの、何も演じていないように見えて、深い心情を伝える芝居には心を動かされた。
