飯豊まりえさんが、『ザ・ノンフィクション』の“語り”に初挑戦します。

飯豊まりえさんは、8月28日(日)14時~放送の『ザ・ノンフィクション「母と娘の芸者物語~箱根で生きる女たち~」』(フジテレビ/関東ローカル)の“語り”を担当。

コロナ禍で、お座敷やイベントがなくなり、かつてない危機を迎える箱根の花柳界。3代続く芸者一家の母と娘、さらに、元芸者の母に憧れ、芸者になることを決めたアメリカ帰りの20歳の女性。

箱根で生きる女性たちの苦悩や葛藤、芸に向き合う真摯な姿勢を描く物語です。

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100年以上続く、箱根芸者の伝統。母から娘へと受け継がれる芸と誇り

2020年の春。突然やってきたコロナ禍で、箱根の芸者・茶々(32)さんは人生の岐路に立たされていました。この道14年、生まれた家は祖母から3代続く芸者一家で、母親に憧れて芸を磨き、今まさに大きな決断をしようという矢先のことでした。

茶々さんの夢は、母親が経営する置屋から独立し、新たに自分の置屋を開業すること。若い芸者を育てて、箱根を盛り上げていくはずだったのに…。

お座敷やイベントが入らない日々が何ヵ月も続き、収入は途絶え、一人、一人と芸者たちが、箱根を去っていく事態に。目標を失った娘に対し、女将である母は意外な行動に出ます。

一方、そんな、かつてない危機を迎える箱根の花柳界に飛び込んだ女性がいます。るか(20)さんは、アメリカから帰国したばかりの今どきの女性。

るかさんの母も元芸者で、売れっ子だった母のようになりたいと意気込み、稽古を重ねますが、お座敷もなく、客の前で踊りを披露する場もありません。芸者になって半年が過ぎたころ、るかさんの姿は違う場所にありました。

100年以上前から続く、箱根芸者の伝統。母から娘へと受け継いでいく芸と誇り。コロナ禍の直前から3年にわたる様を取材しています。

フジテレビュー!!では、ナレーション収録後に飯豊さんに取材。収録の感想、芸者さんについての印象などを聞きました。

<飯豊まりえ インタビュー>

――初の『ザ・ノンフィクション』収録を終えていかがですか?

普段、なかなか見ることができない芸者さんのお仕事の裏側や、その人となりにも触れることもできて、すごくいい時間でした。

私自身、演じることで、映像を通してですが、人に元気を与えることもできる仕事で、芸者さんとも通じる部分があるな、と思いながら読ませていただきました。

誰かの人生の一部に寄り添うことができるナレーションは、すごく好きなお仕事なので、今回、ご縁がつながって担当できて、うれしかったです。

――これまで、お座敷の芸者さんを見たことはありますか?

お着物をきた芸者さんを街で見かけたくらいしかありませんでした。今回、みなさんのお仕事を見て、ちょっと体験してみたくなりました。

お客様とお話しして、歌って、踊ってというのが、すごく楽しそうだな、って。

少し意外だったのは、芸者さん=水商売のイメージに悩んでいる方がいるということ。お付き合いする人に言えない、というのを今回のお話の中で聞いて、私にはそういったイメージがなかったので、「そういうこともあるのか」と。

今回、この番組で、芸者さんのお仕事や素敵なところがより多くの方に伝わって、お座敷の機会が増えて、箱根の芸者さんの世界にまた活力がでたらいいな、と感じました。

――花柳界にとって、コロナ禍は大打撃でした。

お客様と直接会ってお話ししたり、舞台に立って踊ったりするお仕事で、それがなくなってしまうことの影響、あとは、舞台や宴会に向けて練習してきた芸を披露する場がない、というのも、気持ち的にものすごくつらいものがあるだろうと感じました。

その気持ちをどこで消化すればいいんだろう、と映像を見ていても、心苦しく思うことがありました。それでも、緊急事態宣言が解除されて、少し落ち着いてきたときに、久しぶりのお座敷があったりして。

みなさんからの「続けてほしい」という思いによって、ある意味で“導かれている”のかな、というふうにも感じました。

――ご自身のコロナ禍での影響はいかがですか?

私は幸いなことに、2021年の前半に少しだけ止まった時期があったくらいで、ほぼ止まることなく、作品もなくなることもなく続けられています。

2020年に出演したドラマも、リモートバージョンに切り替えるなどして止まることがなかったです。

当時は、人と人との距離も今以上に離れていましたし、世の中が断絶したような感じになっていて、私も外を見ていなかった気がします。

ですから、今回映像を見て、「ああ、こんな状況だったのか」と気づくこともありました。

芸者さんのリアルな姿、裏側まで見られるのは、なかなかない機会

――今回、収録中に「(映像を)見入っちゃった」と話していました。印象的だったのはどんな場面ですか?

お母さんの後を継いで芸者さんになったという娘さんの思い、それを見守るお母さんの姿がすごく素敵でした。

母と娘は、距離が近く、信頼できる間柄だからこそ、ちょっと照れくさい部分はあっても、甘えられたりするんだろうなって。

お母さんが昔着ていた着物を娘さんが譲り受けて、それを着て舞台に立つ姿も素敵で、見入ってしまいました。

――芸者のみなさんは明るく笑顔も印象的でした。普段から心掛けている言動などはありますか?

やはり、良いも悪いも自分で引き寄せてしまうのかな、と思っていますので、人から影響を受けるというより、自分の感受性は自分で保つといいますか、“自分の機嫌は自分で取る”みたいなことは心掛けているかもしれません。

――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

箱根の芸者さんのリアルな姿、その裏側までが見られるのは、なかなかない機会だと思いますし、表舞台でがんばっていらっしゃる姿を見ると、活力をいただけるのではないかと思います。

長く続くコロナ禍で、孤独を感じている方も多いと思いますが、ほかの方が生活している姿を見ると、どこかほっとするといいますか、励みにもなるのかなって。

今回、こうやってみなさんの日常の裏側を見て、茶々さんに会ってみたい、るかさんとお話がしてみたいと思っている自分がいました。

その人の素顔に近いところを見ることで、興味がわいたり、元気づけられたりもするので、本当に素敵な番組だと思いました。

<ナレーションの一部を先取り紹介>